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★孫崎享氏の視点ー(2013/02/24)★
TPP問題をフォローしている人は、誰もが、
「安倍首相はTPP参加に踏み切る」と思っていた。
それは安倍首相がTPPの利点を理解しているからではない。
安倍首相の本質は従来の多くの政権に負けない対米従属政権であり、
米国に迎合するため、どこかの時点でTPP参加の方針を打ち出すことが
予想された。
それが今次、米国訪問で明確化した。
当初、安倍政権は米国のジャパンハンドラーと呼ばれる軍産複合体の望む
安全保障面でのコミットを打ち出すことにより、日米関係の強化を
訴えようとした。しかし、集団的自衛権等に対する中国の懸念に配慮し、
米国側はブレーキをかけた。
そうすると、日米連携の強化をアピールするにはTPPを前面に打ち出す
しかない。
まず何が起こったかを見てみよう。
2月24日付日経新聞は次のように報じた。
「政府は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に踏み出す。
安倍首相は22日昼の日米首脳会談で、すべての関税撤廃を前提にしない
ことを確認した。与党から一任を取り付け、今週中に参加表明する
考えだ。関係国との協議を経て6月にも日本の交渉参加が決まる見通しで、
交渉では農業や自動車、保険市場の扱いが焦点になる。
環太平洋経済連携協定(TPP)を巡り、日米首脳会談で関税撤廃の例外
を設ける余地が確認されたことを受け、与党は週明けから党内議論を
本格化させる。自民党の高市早苗政調会長は23日午前の記者会見で
「交渉参加の判断は政府の専権事項だ」と述べ、安倍晋三首相に
一任したい考えを示した。
ただ、夏の参院選を控え、党内には農業関係議員を中心に根強い
反対論も残る。」
そしてこの決断が米国の強い圧力であったことは疑う余地がない。
2月22日日経新聞は次の報道を行っている。
「米ホワイトハウスのフロマン大統領副補佐官(国際経済担当)は21日、
日本の環太平洋経済連携協定(TPP)への参加について、
自動車と保険市場の開放が大前提になるとの認識を改めて強調し、
日本側に強く譲歩を求めた。」
大統領府そのものが、TPPに乗り出してきているのである。
多くの人は、自民党が前回の選挙でTPP反対の雰囲気を出していたことが
歯止めになるのではないかとみた。
約200名の自民党議員がTPP反対の姿勢を見せていた。
しかし、この人々が、安倍氏がTPP賛成に踏み切った時にどこまで強硬に
反対するか懸念された。所詮自民党は最も対米従属の強い政党である。
そして、安倍首相がTPP賛成の方向を出すや、そく反対派もその流れに
のる姿勢を示している。
2月23日日経新聞は次の報道をしている。
「自民党の高市早苗政調会長は23日午前の記者会見で
「交渉参加の判断は政府の専権事項だ」と述べ、安倍晋三首相に
一任したい考えを示した。ただ、夏の参院選を控え、党内には
農業関係議員を中心に根強い反対論も残る。高市氏は記者会見で、
首相が交渉参加を表明した場合でも
「党の分裂につながるような要素はない」と述べ、党内の意見集約に
自信をのぞかせた。
高市氏は記者会見で、首相が交渉参加を表明した場合でも
「党の分裂につながるような要素はない」と述べ、党内の意見集約に
自信をのぞかせた。」
自民党の中で首相の決断に反対を強く唱える人は出てこないであろう。
私はこのブログなどで、しばしばTPP参加に警告を発してきた。
@TPPに参加することでの日本側の利益はほとんどない
A他方米国の日本市場への進出が予想される
B特に医療分野では国民健康保険の実質的機能不全を招き、
国民は私的健康保険でカバーする層と、保険でカバーできない層
に二分化される
CISD条項で、「米国の投資家が利益を得ることを保証する」理念が
他の理念に優先することを担保する。
日本は明治時代の関税自主権を持たない不平等条約をもったという
以上に屈辱的条約を持つこととなる。
この点は極めて重要である。
しかし、日本国内は対米従属で埋め尽くされている。
TPPの危険性を説くグループはほとんどいない。
かつてマッカーサーが日本は奴隷の国、今はGHQに隷属している
といった。
時代は変わっても、奴隷の待遇で満足する不思議な国だ。
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