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日本の環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に関する共同声明をまとめた22日(日本時間23日)の日米首脳会談。安倍晋三首相とオバマ大統領が握手を交わしたのは、交渉参加を同盟強化の象徴としてアピールしたい首相とグループ化が進む世界経済の中でTPPの存在感を高めたい大統領の狙いが一致したからだ。(ワシントン・竹内洋一、古田哲也=首相同行)
首相は会談後の記者会見で「この3年間で著しく損なわれた日米の絆と信頼を取り戻し、緊密な日米同盟が完全に復活した、と自信を持って宣言したい」と強調した。
首相にとって会談の最大の目的は民主党政権の3年間ですきま風が吹きつつあった日米間の連携の修復だ。昨年12月の就任当時から、会談の早期開催を要望。主要国の首脳の中から、大統領の2期目就任後2人目の会談相手に選ばれた。
会談で、両首脳は民主党政権で混乱した普天間飛行場移設を含む米軍再編計画について日米合意に基づいて着実に進めることを確認。首相は前政権が掲げた「2030年代に原発稼働ゼロ」戦略を見直す考えも伝えた。
だが、いずれも民主党政権の方針を過去の自民党政権時代に戻したにすぎない。
そこで首相は、民主党政権が進められなかったTPPへの交渉参加を決断することで米側との信頼関係を高めることを狙った。
今月の一般教書演説で初めてTPPに触れ、交渉を妥結させる考えを表明した大統領も日本のTPP参加を強く望んでいる。
成長著しいアジア太平洋地域との自由貿易を国内の雇用創出と景気回復につなげるのがTPPの基本戦略。世界第3位の経済大国・日本が入ると入らないでは大違いだ。
TPPには、米国主導で新たな自由貿易ルールをつくり、中国を包囲する狙いもある。「最も緊密な同盟国の一つ」(オバマ大統領)の日本が参加することは、中国をけん制する意味でも重要だ。
米国は、日本がTPP参加の検討を表明して2年余り決断を先送りしてきたことにいらだちを強めていた。ただ、米国が大きく譲歩したわけではない。むしろ、米国の日本に対する要求はより鮮明になった。
共同声明では、日米協議の懸念事項として日本の自動車、保険分野を明記。非関税障壁への対処を含めて「なされるべきさらなる作業が残されている」として、日本の交渉参加に条件を付けた。
日本側としても、交渉の難航が予想される品目が多く、同盟強化の一翼を担える存在になるかどうかには不安が残っている。
◆「一方的な撤廃なし」=聖域守った? 拡大解釈に批判も
TPPへの交渉参加問題では「『聖域なき関税撤廃』を前提とする限り参加できない」としていた日本側の主張を、米側にどのような表現で説明するかが、大きな焦点となっていた。
日本政府関係者によると英訳は 「eliminate with no sanctuary(聖域なく撤廃する)」と直訳する場合と、「unconditionally eliminate」(無条件で撤廃する)と訳す説明があったという。
「聖域なき撤廃は認めない」という場合と「無条件の撤廃は認めない」ではどう違うか。「聖域」は強い印象を与えるが抽象的。「無条件」は具体的で、交渉に入るなら全ての関税撤廃を受け入れなければならないともとれる。
この日発表された共同声明は「無条件の撤廃」に近い表現で「unilaterally(一方的な)撤廃は求められない」という表現になった。
全ての品目について交渉しようとする立場の米国政府は議論の余地のない「無条件の撤廃」や「一方的な撤廃」までは求めていない。「一方的な撤廃は求められるものではない」ことを受け入れるのは容易だった。言い換えれば「一方的な撤廃」が回避されたからといって聖域が守られたとは言い難い。
だが、日本側は今回の合意で「聖域が容認された」と拡大解釈。党内の反対派や農業関係団体などの説得に当たる方針だ。
だが、今後の国内協議では、訳語を意図的に使い分けていたのではないか、との批判が出ることも予想される。
2013年2月24日 東京新聞 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2013022402000103.html
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