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2013/2/23 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
株はこのまま高騰するか、景 気は回復するのか、物価上昇 消費税増税でどうなるのか
この数字をどう見たらいいのか。20日に発表された1月の貿易収支のことだ。赤字額は過去最大の1兆6294億円に達し、7カ月連続の貿易赤字となった。これはとんでもない数字である。
理由はいろいろあるが、大きいのがエネルギー関連の輸入増だ。液化天然ガス(LNG)は11・4%増、原油は5・9%増、石油製品は33%超も輸入額がハネ上がった。化石燃料の輸入が増えるのは震災後だから仕方がないとして、問題はアベノミクスによる円安で輸入品の価格が急上昇したことだ。
1月の輸入数量だけを見れば、昨年1月より1%減っているのに、円安のせいで、輸入額(6兆4286億円)が輸出額(4兆7992億円)を大きく上回ったのだ。
いよいよ「悪い円安」の典型的な局面に入ってきたわけだが、この調子で円安が続くと、どうなるのか。経済評論家の広瀬嘉夫氏はこう言う。
「原発事故によるエネルギー事情は変わらないから、燃料の輸入額は今後も永続的に拡大し、貿易収支はどんどん悪化するでしょう。一方で、輸出は伸びる見通しがない。欧州市場は低迷し、中国は尖閣問題など反日感情の高まりで頭打ち感がある。欧州と中国が日本の輸出の3割を占めているから深刻です。産業界の国際競争力も低下していて、この10年間の実質成長率は0・7%と、ほとんど伸びていません。これでは円が弱くなり、円安に向かうのは当然とも言えます。それでなくても、この国は人口減と高齢化で生産者よりも消費者の方が増えていくため、この先、ますます輸入が増えるのは必至。貿易赤字がこのまま続けば、日本は経常赤字国に陥ってしまう恐れがあります」
◆貿易赤字続けば国債暴落の危機
すでに経常収支は昨年12月まで2カ月連続で赤字になっている。年間を通じて経常収支が赤字になれば大変なことになる。金融ジャーナリストの小林佳樹氏が言う。
「経常赤字が恒常化すると、いよいよ国債の暴落を招く恐れがあります。海外が日本の財政危機を深刻視し始めれば、投げ売りになる。すでに国債の1割は海外勢が保有しているので、国内の機関投資家が買い支えても、無理なのです。その国内勢も、個人の金融資産が国外に逃避する資産フライトが起これば、ひとたまりもない。一気に日本売りが加速し、円安、株安、債券安の“トリプル安”も現実味を帯びてきます。アベノミクスは非常に危ない橋を渡っていると言えます」
日本総研調査部の藻谷浩介主席研究員も、本紙コラムでこう警鐘を鳴らしている。
「今までは株価が低迷していたので、国債がお金を吸収して売れていたが、株にお金が流れていくと国債が売れなくなり、国債金利は上がる。さらに金利が上がると、銀行や年金基金が持っている国債の流通価値が下落し、日本経済は危うい事態になる。株と国債は、高齢化で減り行く国内の貯蓄を取り合う関係にあるので、両方が売れ続けるという甘い話にはならない」
そもそもバブルな株高は国債暴落のトリガーになる。そこに急激な円安進行による貿易収支の悪化が重なればなおさらだ。
マーケットは円安、株高で浮かれているが、ヤバい兆候が一気に顕在化してきたのだ。
◆燃料、穀物価格は雪ダルマ式に膨れ上がる
こんな展開が続いたら、日本経済はへたってしまうが、そこに追い打ちをかけるのが、円安による物価の高騰だ。
11週連続で値上がりしているガソリン価格は、1リットル=155円にまで高騰し、リーマン・ショック後の最高値に迫っている。
原油の国際価格が上がっていることも手伝って、値上がりが止まる気配はない。今輸入した原油で精製したガソリンが店頭に並ぶ3週間後にはさらに価格は高騰する。
「3月中旬にはレギュラーガソリン1リットル=158円になる」とは政府のシビアな試算である。
庶民生活はこれからどうなっていくのか。
「燃料価格が高騰すれば、企業の製造コストがアップするため、あらゆるモノの値段にハネ返ってきます。とくに、生活必需品の値上がりが深刻です。円安で穀物などの価格が軒並み上昇しているところに、プラスチック容器のような穀物市場への投機に向かい、さらなる価格上昇を招く悪循環も予想されます。そこに追い打ちをかけるのが消費増税なのです。賃金は上がらず、雇用は増えず、生活保護費までカットされるのに、年間で数十万円の負担増なんて、庶民に死ねと言っているようなものです」(筑波大名誉教授・小林弥六氏=経済学)
円安による貿易赤字、株高による国債金利上昇、そして誰も望まないインフレと大増税で、日本経済は音を立てて崩れていく。
◆ハゲタカはもう売り腰になってきた
癪(しやく)なのは今、安倍バブルを煽(あお)っている外国人投資家は、こういう展開を百も承知だということだ。だから早くも売り腰で、ここにきて日本市場での外国人の買越額は目に見えて減っている。
「2月12〜15日の外国人の売買は1828億円の買い越しでした。これで14週連続の買い越しですが、昨年12月の第2週が7019億円、1月の第4週が3820億円の買い越しだったのと比べると、売りが増えてきています」(市場関係者)
アメリカの投資家ジョージ・ソロスは、日本市場で930億円も荒稼ぎしたという。ソロスはつい先日も、頭打ち感が出てきた金を1億ドル分も売り払い、金価格を暴落させたばかりだ。ソロスに限らず、石油製品まで高くなってしまうのです。100円ショップは成り立ちませんよ。かつてのオイル危機の時もそうでしたが、便乗値上げが出てくる可能性もある。また、アベノミクスによる金融緩和でマネーが過剰に供給されると、オイル市場やハゲタカは稼ぐだけ稼いだら、あっという間に引き揚げる。そんなことはつゆ知らず、安倍バブルに浮かれているのは日本人だけなのだ。
安倍首相が訪米から帰れば、日銀総裁人事が本格化する。バリバリのリフレ派が次期総裁候補に確定すれば、円安はもっと進む。
これぞ自滅への道だ。それに気づかない日本人はオメデタイの一語である。
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