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例外を勝ち取ったとしてTPP交渉参加を宣言するシナリオ
http://blogs.yahoo.co.jp/hellotomhanks/63812647.html
★「天木直人氏の視点ー(2013/02/22)」★ : 本音言いまっせー!
日米首脳会談は日本時間で明日(23日)未明であるという。
だから明日の朝刊各紙は日米首脳会談の成果の記事で埋め尽くされる
だろう。その前に書いておきたい。
すでにシナリオは出来ているはずだ。そしてそれを報じるメディアの
予定稿のあらすじも既に出来ているはずだ。
ここに来てTPP交渉参加問題が日米首脳会談の最大の問題のように
メディアが書き始めた。
そしてそのキーワードとして「聖域」つまり「例外」を勝ち取れるか
どうかであると盛んに言われるようになった。
この二つの事から明らかな事は、ズバリ今度の安倍・オバマ会談に
よって、「オバマ大統領から例外を認める感触を得たので交渉に
参加する決断をした」というシナリオが準備されているということ
である。
ここで注目すべきは、「合意した」ではなく「感触を得た」という
ところである。
すなわちその準備されたシナリオは日米が完全に一致してつくられた
のではなく日本が一方的につくったシナリオであるということだ。
他の10カ国とTPP交渉の大詰めを迎えている米国が日本に対し
「例外」を認めるなどと明言するはずが無い。
だから米国は決して例外を認めるとは言わない。
だから安倍政権は例外の合意を勝ち取ったとは言えない。
そのかわりに「感触を得た」「確認した」、という言葉で誤魔化す
のである。
そういう表現で日本国民に対して例外を認めさせたような印象を
持たせるから、それに目を瞑ってくれとれをあらかじめ米国側から了承、
いや黙認を取り付けておいたという事なのである。
それを示す記事をきょう2月22日の読売新聞に見つけた。
すなわち読売新聞は特集記事「スキャナー」においてこう書いている。
・・・米通商代表部(USTR)のカーク代表はロイター通信の
インタビューで、TPPは全品目が対象とする原則論を示す一方、
「通商担当者は例外品目の確保について最後には『お互い激しく闘った』
と言葉を交わすものだ」と語った。最終的な例外品目容認はあり得るとの
考えを示唆したものと見られる・・・」と。
さらにきょう2月22日の毎日新聞が一段の小さな記事で次のように
報じている。
すなわち自民党の高市早苗政調会長は21日の記者会見で、安倍首相
の決断によっては例外品目の選定に着手するという考えを示したという。
まさしく官邸筋はすでにこのシナリオを内部で共有して示し合わせて
いるということである。
私は、しかし、このようなシナリオが出来ている事に驚かないし、
特段の反発も抱かない。
鳴り物入りで出かけていった首脳会談でTPP交渉問題で何も
進まなかったなどという事は安倍政権にとって耐えられないことだ。
何らかの形の落としどころを見つけないと格好がつかない。
そしてその落しどころはこれしかない。
私が特段の反発を抱かないというのは、たとえTPP交渉への参加
表明をしたとしても、これから先にうんざりするほどの例外交渉が
待っているからだ。
つまり今までどおりの理不尽な米国の要求が押し寄せ、最後は
それらを飲まされる屈辱的な対米通商交渉が始まるというだけの話
なのである。
しかもこれから始まる対米通商交渉は、これまでの外務・通産官僚が
独占してきた通商交渉と違って、国民監視の下で行なわれることになる。
なにしろこれだけ多くの国民がTPP交渉参加の是非について論議を
繰り返しTPPの反国民性に気づいたからだ。
いい加減な妥協や譲歩を国民は許さないだろう。
TPP交渉参加表明までは誤魔化してそれを強行したとしても、
その後には、もはや誤魔化すことの出来ない困難な交渉が控えているのだ。
みずから選んだ選択とは言え、安倍政権にはむしろ同情したくなるほど
である。
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