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2013年2月22日 植草一秀の『知られざる真実』
TPPと日銀幹部人事が大きく動きつつある。
TPPに関する安倍晋三氏の行動は、「結論ありき」のものである。
その結論とは言うまでもなく、「TPP参加」である。
なぜ参加なのか。
理由は単純である。米国が日本にTPP参加を「命令」しているからだ。
国内には反対意見が強い。
自民党内にも強い反対論がある。
これを丸め込むための口実が、
「聖域なき関税撤廃を前提とする限りTPP交渉には参加しない」
というものだ。
この条件をクリアするためのハードルは限りなく低い。
なぜなら、「関税撤廃の例外をたったひとつでも認める」ということで、言葉上、この条件をクリアできるからだ。
しかし、TPPの深刻さ、重大性はこんなところにあるのではない。
1.国民の生命・健康を守るための規制、制度が破壊される
2.日本の公的医療保険制度が破壊され、命がカネで買われる社会になる
3.日本の農業と共同体社会が破壊される
日本を守り、日本国民の利益を守ることを優先するなら、TPP参加の選択肢はない。
しかし、政治家が自分の利益を優先するなら、間違いなく身も心も米国に売り渡すことになる。
誠に残念なことであるが、安倍晋三氏は自分の利益を優先する行動を選択しているようである。
「聖域なき関税撤廃」にノーを言うなら、最低限、「コメ、乳製品、小麦、砂糖、牛肉」を守る必要がある。
安倍氏が最低でもこの五品目を絶対に守ることを条件にするなら、安倍氏の姿勢は理解されるだろう。
しかし、安倍氏の言動からその意思はまったく感じられない。
日銀幹部人事。
私が予測する三つの案を示す。良い悪いではない。現実の予測だ。良い悪いで言えば基本的に悪い人事だ。
A案
日銀総裁 黒田東彦氏
副総裁 岩田規久男氏
副総裁 雨宮正佳氏
B案
総裁 黒田東彦氏
副総裁 岩田一政氏
副総裁 雨宮正佳氏
C案
総裁 岩田一政氏
副総裁 黒田東彦氏
副総裁 雨宮正佳氏
なお、日銀出身者は雨宮正佳氏ではなく中曽宏氏になる可能性がある。
それなりにバランスが取れているのはC案である。
岩田氏は日銀副総裁経験者。黒田氏は財務省出身者だが財務官経験者である。
日銀総裁候補として名前が挙がっているなかでは、岩田一政氏が消去法としてはもっとも無難である。
「みんなの党」は、岩田一政氏が日銀副総裁の職にあった2006年に日銀が量的金融緩和政策解除、ゼロ金利政策解除に踏み切ったことを批判しているがこれは失当である。
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2003年から2008年にかけて日本経済は回復傾向を示し、日本の消費者物価指数ははっきりと上昇傾向を示していた。
日銀が量的緩和とゼロ金利を解除したことはまさに適正な対応であった。
日本経済が再びデフレに陥ったのは2008年後半以降に顕在化したサブプライム危機に端を発する世界不況のためである。
適正でないゼロ金利解除を実行したのは2000年8月である。このゼロ金利解除を強く提唱したのは竹中平蔵氏であり、竹中氏には金融政策も委ねるべきでない。
過去の正確な経済分析に基づかない情緒的な判断で日銀人事を振り回してはならない。
C案を最有力としていないのは以下の二つの理由による。
ひとつは、岩田一政氏をみんなの党などが金融緩和に消極的だとして除外しようとしていること。
安倍晋三氏は、「自分の考えに共鳴する人」を日銀総裁に起用する方針を示している。岩田一政氏では、この要件を満たさないと安倍氏の周辺にいる取り巻きが騒いでいる。
これは、岩田氏では米国の命令を直接的に強制することが難しいとの事情があるのだと思われる。
安倍氏周辺の雑音とでも呼ぶべき声が偏り過ぎていることが問題なのだが、安倍氏がこの雑音的な声に影響される可能性がある。
もうひとつは、年齢の問題だ。岩田氏は66歳。黒田氏は68歳である。霞が関では年次が重要視される。68歳の黒田氏の上に、同じ霞が関出身の岩田氏が置かれることに対して財務省が強く抵抗するだろう。
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