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デジタル大衆 2013年2月20日 07時00分
安倍新政権が発足して、およそ1カ月半。長らく低迷していた株価は1万1000円台を回復し、日本経済発展の足かせとなっていた異常な円高も解消されつつある。
"アベノミクス"により日本に明るい兆しが見え始めたようで、安倍政権は順風満帆そのものにも見える。
「いえ、それが、いま妙な噂が流れているんです。なんとNHKが、安倍政権を"総攻撃"すべく、準備をしているというんです。何か重大なスキャンダルでも掴んでいるのかと、一部で話題になっています」(全国紙政治部デスク)
これまで政界、特に自民党に対して"弱腰"といわれてきたNHK。なんとも突拍子のない話だけに、俄かには信じがたいのだが……。
NHKと安倍晋三首相が"犬猿の仲"であることは、よく知られている話だ。そのキーポイントとなったのが、05年1月に火が点いた「NHK番組改編問題」だった。
きっかけは、01年1月30日の夜、当時のNHK教育テレビが放映したEtv特集『戦争をどう裁くか』の第2夜「問われる戦時性犯罪」だった。
「同番組は、VAWW−NETジャパン(戦争と女性への暴力・日本ネットワーク)が主催した"女性国際戦犯法廷"という集会を取材し、編集したものでした。しかし、その放送内容をめぐり、様々なトラブルが発生したんです」(NHK関係者)
同番組は子会社のNHKエンタープライズの企画で、番組制作は民間の制作会社が担当した。だが、その内容に局内で異論が続出し、NHKが主導して変更したといわれる。そのためか、44分枠の番組が、4分短くなった40分で放送を終了している。
「この番組は放送前から、"内容が一方的だ"として右派団体から抗議を受けるなどしていた。そのため、批判的な識者のコメントを紹介したり、その"戦犯法廷"の判決シーンをカットするなどの再編集が行なわれたといいます。そして、その過程で政治家の"圧力"があったのではないか、という疑惑が生じます」(前出・デスク)
その政治家として名指しされたのが、安倍氏と故・中川昭一氏だった。
この事件が表面化したのは、05年1月12日のこと。朝日新聞が、〈中川昭・安倍氏「内容に偏り」指摘NHK「慰安婦」番組改変〉(同日付)の見出しで、安倍晋三官房副長官(当時)と中川昭一経産相(同)が番組編集に圧力をかけた疑惑を報じたのだ。
「翌日には、NHKで、この一件を内部告発していた番組の元担当デスク・長井暁チーフプロデューサーが、朝日新聞の記事に呼応するかのように記者会見をした。涙ながらに安倍、中川両氏の名前を挙げて"圧力があった"と、両氏を非難しています」(全国紙社会部記者)
安倍、中川両氏は、01年1月当時、教科書における慰安婦問題などの記述を研究する「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の中心人物でもあった。
「(05年1月12日付の)朝日の記事では、安倍氏と中川氏が番組放送前日に、それぞれNHK幹部と面会し、"偏った内容だ"などと伝えていたことに触れ、両氏もそれは認めていた。しかし、その後、中川氏が、なぜか"会ったのは放送後"と発言を翻したり、安倍氏も朝日新聞の報道を"悪意のある捏造だ"と批判するなど、泥仕合となっていきました」(前同)
その後、NHKは「政治介入はなかった」と主張し、朝日新聞と衝突するなど、さらに混迷を深めた。
「最後はメディア対メディアの対決にすり替わってしまいましたが、安倍氏がNHKに対し、強い嫌悪感を抱くようになったのは事実です。一方、NHK内部でも、この一件で"安倍憎し"の空気が生まれました。これ以降、ウチと安倍氏の間には、目に見えない緊張関係が生まれました」(前出・NHK関係者)
結果、この両者の間では、"パンチの応酬"が長らく続くことになる。NHKからは安倍首相への"ジャブ"が再三、飛んでいる。
「最近だけを見ても、たとえば安倍内閣発足直後(昨年12月26日発足)、NHKは海外の反応と称して、中国と韓国の"タカ派政治家の登場に警戒"とのコメントだけを妙に強調して報道していました。NHKは、これらコメントをダシにして、世間に嫌安倍感情が醸成されることを狙った、と見る向きもあります」(民放報道局記者)
1月11日には、安倍首相と日本維新の会・橋下徹代表代行(大阪市長)との会談を取り上げた際、ことさらに安倍首相が橋下氏の前で頭を下げている"画"を放映し、これにも疑問の声が上がった。
かたや、安倍首相もただ黙っていたわけではない。
「07年6月、富士フイルムホールディングス社長の古森重隆氏がNHK経営委員長に就きました。これは、古森氏と関係が深かった、当時の安倍首相の肝煎り人事ともいわれました。この古森氏が、その年の9月に"選挙期間中は、政治問題に関わる番組制作には注意しろ"と発言。あの番組改編問題を念頭に置いての発言でしたが、エスカレートすれば、政治取材の自重に繋がると反発が起きた」(NHK報道局関係者)
2月21日公開のvol.2に続く・・・。
週刊大衆2月25日号
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