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北朝鮮暴走:日本は送金など「カネ」の制裁発動を見送り:「対話の道筋は残しておくべき」と菅義偉官房長官
http://www.asyura2.com/13/senkyo144/msg/158.html
投稿者 あっしら 日時 2013 年 2 月 18 日 18:32:38: Mo7ApAlflbQ6s
 


北朝鮮暴走[日経新聞]

(上)権威綻び「危機」にすがる 正恩氏、軍掌握に苦心

 北朝鮮の暴走が止まらない。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の核実験強行は米国に「核保有国」と認めさせる意図が明らかだが、それ以外の事情も複雑に絡む。経済の疲弊は改善せず、重鎮が巣くう軍部の掌握もままならない。若い独裁者が体制維持に焦って危機にすがり、関係国もそれを止められない悪循環がある。


地方の疲弊加速

 「人糞(じんぷん)を差し出せ」「豆を6キロ提供せよ」。いずれも北朝鮮当局が住民に出した指示だ。
 肥料不足を補うためだが、生活に苦しむ住民は「満足な食事もないのに、どうやって排せつ物を集めるのか」とこぼしているという。豆の提供も、1月8日の正恩氏の誕生日に合わせて子供にアメ玉を配給する代わりに要求したもの。最高指導者の施しが、かえって住民を苦しめている。

 平壌を訪問する外国人の目には、高層ビル群が立ち並ぶ都市の様相しか映らない。幹部は高級マンションに住んで手厚い配給を受け、2008年にサービスを始めた携帯電話の利用は150万人を超えた。
 一方で、幹部しか住めない平壌の食いぶちを賄うため、地方はどんどん疲弊していく。住民は目先の食料を確保することに精いっぱいで、住民の相互監視システムや秘密警察の取り締まりにもスキは見えない。脱北した元高官は「中東とは違い、幹部の忠誠さえ維持できればクーデターはありえない」と断言する。

 経済再建にも取り組んだ。金正日総書記時代の02年に工場の独立採算や成果制を導入、09年にはデノミ(通貨呼称単位の変更)も実施した。しかし、原料不足でモノの供給が増えないから、インフレを招くだけだった。


指針は遺訓のみ

 正恩氏が権力を世襲してから1年余り。盤石なはずの幹部の求心力にも綻びが目立つという指摘が出てきた。
 韓国の脱北者団体のNK知識人連帯によると正恩氏は昨年11月、一時取り上げた貿易の権限を再び軍部に与えた。外貨稼ぎは最大の特権。正恩氏は経済利権を自身に集中しようとしていたが、軍への配慮を優先した。

 昨年12月、軍全体ににらみをきかせる軍総政治局長に送り込んだ側近の崔竜海(チェ・リョンへ)氏が、1階級下の大将に降格し臆測を呼んだが、再び次帥に昇格したことが今月5日に確認された。軍人出身でない崔氏の抜てきには、かねて軍部の不満があるとされる。場当たり人事には、軍の掌握に苦心している様子も垣間見える。

 韓国政府関係者は、1月末に平壌で開いた党細胞書記大会の写真に目を疑った。叔父の張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長が、演説する正恩氏を見ようともせず、深々と椅子にもたれていたのだ。
 金総書記の実妹の金慶喜(キム・ギョンヒ)党書記と、夫の張成沢氏は最大の後見役とされる。張氏に正恩氏への反意がなくても、絶対的な存在だった父の時代には想像できない光景だった。

 権威の源泉である軍部や親族から絶対的な忠誠を感じられなければ、強大な権力をふるった父も成し遂げられなかった業績を作るしかない。
 「核兵器と長距離ミサイル、生物化学兵器を十分に保有せよ」。金総書記は遺訓として、大量破壊兵器に頼る強硬路線の継続を指示したとされる。今のところ、この遺訓しか誰も逆らえない明確な指針は見あたらない。

[日経新聞2月15日朝刊P.7]


(中)米中の圧力、決め手欠く ずれる思惑、開発許す

 「予告通り核実験を実施しましたが、それ以上の動きはありません」。12日午前。ホワイトハウスの執務室でマクドノー首席補佐官から報告を受けたオバマ大統領は、言葉なくうなずいただけだった。その夜の一般教書演説で、北朝鮮への言及は外交政策部分の1割にも満たなかった。

 北朝鮮が核実験を予告した1月下旬、米政府はデービース北朝鮮担当特別代表を日中韓に派遣するなど阻止に動いた。長距離ミサイルが米本土を射程に収めて核弾頭を小型化すれば、米国への脅威も格段に高まる。
 だが、オバマ政権における優先度は、なおアフガニスタン撤収やイラン核開発より低い。軍事攻撃の可能性まで明言した対イランと異なり、日本や韓国と隣接する北朝鮮の暴走を止める有効策は見あたらない。


「戦略的無視」に

 大統領の無力感を決定付ける出来事は、昨年春に起きた。膠着する局面を打開しようと前の年から接触を続け、北朝鮮は昨年2月にウラン濃縮の凍結を約束した。
 しかし、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は1カ月半後にミサイル発射を強行。米朝合意は霧散した。米政府関係者は「この一件以降、大統領は『戦略的忍耐』から『戦略的無視』に変わった」と解説する。

 徹底した現実主義者のオバマ氏は「時間や労力を注ぐ前に、北朝鮮が真剣になった証拠はあるのか」と繰り返す。いら立ちの矛先は、対北朝鮮支援を続ける中国に向く。「挑発を止められるのに、止めようとしない」と不信は募る一方だ。
 昨年末のミサイル発射を受けた国連安保理協議で、米国は行動に出た。「制裁の内容よりも、中国に厳しい対応を迫る」(マンスフィールド財団のフレーク所長)ことに目的を絞った。制裁に慎重な中国と妥協せず、激論は1カ月に及んだ。
 中国もジレンマを抱える。1月25日。武大偉朝鮮半島問題特別代表は、訪中したデービース氏に「北朝鮮は『中国から口出しされる筋合いはない』の一点張りなんですよ」とこぼして見せた。


支援止められず

 中国外務省は北朝鮮の駐中国大使を何度も呼んで自制を促した。核実験の後は、楊潔●(ち)外相が「強烈な不満と断固たる反対の意」を直接大使に伝える異例の措置も取った。

 核実験を黙認すれば、国際社会の風当たりが強まることは百も承知だ。習近平体制が目指す対米協調路線も狂いかねない。だが、経済支援を止めて北朝鮮が混乱すれば、影響は中国にもはね返る。北朝鮮との関係は、オバマ政権の中国包囲網に対抗する「切り札」にもなりうる。
 「『対話すべきだ』と言う人もいるが、時には何もしない方が良いこともある。今はまさにその時かもしれない」。オバマ政権に近い専門家は、米政府内の雰囲気をこう説明する。

 米中が手をこまぬく間に核開発は着々と進んだ。今回、両国は独自の制裁も検討しているが、金正恩氏が核放棄に応じると見る向きはほとんどない。どこまで譲歩を迫る有効な対策を打てるか、米中の責任は重い。

[日経新聞2月16日朝刊P.8]


(下)日韓の政権交代期、直撃 制裁強化、対話も模索

 北朝鮮による3回目の核実験は、政権交代期の日韓両国を直撃した。
 「初めての『会談』をこんな形でやるのは残念だ」。核実験の翌13日、安倍晋三首相は李明博(イ・ミョンバク)大統領に電話でこう切り出し、北朝鮮への制裁強化に向けた連携を呼びかけた。


7年前の「因縁」

 核実験とは「因縁」がある。2006年10月、第1次安倍政権を発足させたばかりの首相は1回目の核実験の知らせを、北京からソウルに移動中の政府専用機で受けた。ソウルに着いた首相は韓国側と「断固たる措置をとる」ことで一致した。
 それから7年弱、ともに領有権を主張する竹島(韓国名・独島)などをめぐりギクシャクする日韓は李政権下で関係を修復できなかった。13日の電話協議で、大統領は「しっかりと連携する」と応じたが、「淡々としたやりとりだった」(首相官邸筋)。1回目の核実験時に事前に日本に一報を入れた中国とは今回、首脳や外相間の電話協議が実現していない。

 日本政府は送金規制の強化など「カネ」の制裁発動を見送った。米国と連携した金融制裁カードを残しておく狙いがある。一方で「対話の道筋は残しておくべきだ」と菅義偉官房長官は語る。首相は拉致被害者救出支援活動の象徴であるブルーバッジを常に着用している。5人の被害者帰国から10年が過ぎ、首相官邸にはいら立ちが漂う。

 韓国政府も厳しい追加制裁を盛った国連安保理決議の採択を目指している。朴槿恵(パク・クンヘ)新体制は25日の大統領就任式典を前に準備を加速。「北朝鮮で人工地震」と伝わると、李氏朝鮮時代の王宮「景福宮」前にある朴氏の執務室に安保、外交のブレーンが次々と集まり緊急会議を開いた。次期外相に内定した尹炳世(ユン・ビョンセ)氏は「北朝鮮政策も従来通りとはいかない」と記者団に語った。


出口戦略みえず

 韓国では強硬論が高まる。「我々も核武装をすべきだという主張をどう考えるか」。14日の韓国国会では与党議員からこんな質問が飛び出した。韓国紙・中央日報は社説で「核の傘を提供する米国は、米本土を狙う北朝鮮の核攻撃脅威の前で、最後まで韓国を守るだろうか」と提起した。北朝鮮の核兵器が完成に近づいているという強い危機感があるためだ。

 強硬姿勢だけでは南北関係を改善できないとの意見は韓国でも根強い。平壌で故金正日総書記と会談したこともある朴氏は対話による信頼構築に合わせて経済支援などを進める「朝鮮半島信頼プロセス」を掲げている。

 首相、朴氏ともに北朝鮮問題への思い入れは強いが「出口戦略」は見えない。そんな不安を見透かし、挑発と対話を絡めて日米韓の分断を図るのが北朝鮮の常とう手段だ。米国が北朝鮮情報の共有のために日韓両国に早期締結を促す「秘密情報保護協定」や22日の「竹島の日」の対処などが、まずは日韓の関係再構築の試金石となる。

 桃井裕理、尾島島雄、中山真、小倉健太郎、島田学が担当した。

[日経新聞2月17日朝刊P.6]


 

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コメント
 
01. 2013年2月18日 19:05:04 : u3ktOORprA
原爆の製蔵施設は日本陸軍が戦前ウラン濃縮と原爆組立をしていた金策あたりだね。原爆取得をめぐって朝鮮戦争が始まったという記事も前にあったね。決して清算主義者の武器在庫一掃と資本主義在庫一掃の為に朝鮮戦争が始まっただけではないだろう。金正日もだいぶ前に暗殺されてたそうだから。この原爆を作る金も技術も日本の満州派からでてると言われてるからね。そうかもしれんね。北に金はないだろう。正日が日本人だったのは明らかだから正恩も日本人だとの噂も考えてみるのも大事かもしれん。シナの原爆も日本が金と技術をだしたそうだし、もう裏はめちゃくちゃだね。全部ぐると言おうか芝居と言おうか。大衆とは関係の無いところで上は動いてるのだろうね。また自民党は北に裏で統一を通じて援助すんだろうね。結局北は日本国なんだろう。北のことは日本の国内問題なんだろうね。だから北と南に無制限に援助する。内国待遇じゃないと変だろ。日朝併合はすでに完成してるんだろうね。ということは日本、姦国、朝鮮の合体が宣言される日が近いうちに来るんだろう。

02. 2013年2月18日 22:14:00 : vgQVMWdybs
 バカか。
今まで何度も虚仮にされながら、まだ、相手の話しを聞くつもりか!
即刻、日本から朝鮮人を叩き出せ!

03. OVNI43free 2013年2月18日 22:34:10 : IhyfVrYJsi8bA : p368GBsbVg
 民主党の「全力で拉致解決を」は、他の問題と同じく完全に口だけだった。
 今回の安倍内閣はかなり本気で2回目の成果を狙っている。それが制裁見送りという形になったんだろうが、相手に利用されることにはなってもらいたくないね。

04. 2013年2月19日 01:24:55 : epPBupcC0U
米朝間の話し合いの決裂の元は北朝鮮メディアの報道から推測する限り韓国を含めた朝鮮民族の民族主義を捨てるか否かという点での対立が大きい。日本の首相が民族主義的な思想の持ち主であればあるほど北朝鮮の反応が大きいのは米国嫌いが徹底していてその匂いがする政治家は相手にしようとしないからだろう。その点で安倍首相は対北朝鮮交渉に関しては適任だと言える。

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