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2013年02月17日(日)ドクターZ 週刊現代 現代ビジネス
安倍政権はいま、「三つのA」と呼ばれている。一方で「A」と「AA」の間にすきま風≠ェ吹きはじめているとの指摘も出てきている。「A」は安倍晋三首相、「AA」は麻生太郎財務相と甘利明再生相だ。
政治家を定義すれば「権力闘争する人」となる。どんな政治家もいつかはトップに立ちたいと思っている。だから昨日の敵は今日の友、政治の世界は一寸先は闇となる。
安倍氏が昨年9月に自民党総裁選に出馬したとき、多くの人は勝てないと思っていた。石破茂、石原伸晃両氏のほうが勢いがあったからだ。実際、石破氏は地方票で1位、石原氏も失言があったにもかかわらず国会議員票で1位。一方の安倍氏は、地方票、国会議員票ともに2位だった。
このとき、安倍氏を応援したのが麻生氏だった。石破氏と石原氏のどちらかが自民党総裁になれば麻生氏は過去の人として扱われる。しかし安倍氏であれば、同じ首相経験者であり、再び権力に返り咲く可能性が残される。この意味で、麻生氏が安倍氏を応援するのは「権力闘争」としては自然なことだった。
選挙という「戦」でともに戦ってくれた人に報いなければ誰もついてこない。これも揺るぎない政治の論理の一つだ。その意味で、安倍氏が総裁選で自分を応援してくれた人を政権奪還時に厚遇するのは当たり前だった。ある政治関係者が言っていたが、「自民党総裁選時に安倍氏の選挙対策本部にいた人はみんな閣僚で処遇されている」。つまり、安倍政権の閣僚は見事なまでの論功行賞となった。
その典型が麻生財務相だった。しかし、麻生氏は安倍首相の下でただ働き≠キるほどお人好しではない。政治家なのだから、いつ何時、安倍首相の寝首を掻いても不思議でない。こうした観点から見ると、盤石に見える安倍政権のアキレス腱が麻生氏となる可能性は捨てきれない。実際、経済政策面で見ると、アベノミクスとアソウノミクス(麻生氏が主張する経済政策)の間には齟齬≠ェある。
そもそも、アベノミクスが「三本の矢」(金融政策、財政政策、産業政策)となっているのは言い得て妙である。金融政策を主張しているのが安倍首相、財政政策が麻生財務相、産業政策が甘利再生相で三本の矢というわけだ。
しかし、故事の「一本の矢では簡単に折れるが三本纏めると容易に折れない」というのは、経済政策ではあたらない。財政政策は金融政策なしでは意味がない。産業政策はミクロな企業へのバラマキではなく、規制緩和でなければ効果はない。あくまでアベノミクスの中心は金融政策で、これなしでは成り立たない。
ところが、麻生氏は郵政民営化の怨念で竹中平蔵元総務相を敵視している。そのため竹中氏が小泉純一郎政権時代に金融政策だけをして、財政政策をしなかったことを否定する。つまり、麻生氏は財政政策のみで大丈夫だと勘違いしている。
実際、麻生政権では財政政策だけを行い、金融政策カードは使わなかった。その結果、竹中政策の成果が出たころ日本経済は名目GDPが過去10年間で最高値を叩き出したが、麻生時代は、日本がリーマン・ショックの震源地でないにもかかわらず、世界最低のパフォーマンスだった。そして麻生氏は借金だけを残した。
アソウノミクスはアベノミクスの足を引っぱるだけだ。権力闘争としては当たり前なのだろうが、その結果、苦しい生活を強いられることになりかねない国民はたまったものでない。
『週刊現代』2013年2月16・23日号より
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