http://www.asyura2.com/13/senkyo143/msg/903.html
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日銀を批判するデータ的根拠として使われてきたのが、リーマン・ショック以降の金融緩和レベル(中央銀行のバランスシート肥大化)であったことを考えればわかるように、ここ数ヶ月の為替変動が円安に傾いているからといって、日本の政策が通貨安による国際競争力の回復と批判するのは“濡れ衣”である。
わざわざ言わなくても、状況と条件を考えれば円安に動くことは予測できたのに、安倍政権の首相や経済関係閣僚が「円安志向」を表明したのは愚だと思っているが、ここ数ヶ月のあいだで円安に動いたのは、これまでの欧米諸国の金融政策によるものである。
ユーロ危機を反映した昨年の怒濤のような日本国債への“避難行動”が、円安予測から高いうちに円を売って基盤通貨(ユーロやドル)にという“巻き戻し”に転じたがゆえの円安傾向なのである。
外国為替レートは、中長期的にはインフレ率の差とりわけ輸出品物価のインフレ率の差で規定されるので、日本のデフレ(もしくは欧米諸国より低いインフレ率)が続く限り、円高の流れに戻ることになる。
日本は、円高を嫌うのではなく、円高を活用して国民多数派の生活条件を改善すること(給与増などの可処分所得アップ)で、円安にする政策を採らなければならない。(総需要の増大でインフレ率が上昇すれば円安になる)
※ 関連投稿
「円安進行 中日の競合が激化:「量的緩和競争の責は米国とEU」と日本を擁護:円安の主要因はECB=ユーロ圏の政策」
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/178.html
※ 二つ目の記事の末尾に、「議長国ロシアからも「G20は日本の政策に理解を示した」(シルアノフ財務相)と援護射撃を受け」とあるが、昨日朝放送されたロシアRTRニュースが報じていたプーチン大統領の冒頭挨拶の内容を聞いて、日本批判になることはないだろうと思っていた。プーチン大統領は、それぞれの国が、それぞれの条件を考慮して、もっとも有効と思う政策を採ればよいとし、金融緩和策も、ただ通貨を増大させるのではなく投資に向く政策を実行しなければならないと語っていた。
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「通貨安競争を回避」G20声明 日本批判避ける
2013/2/16 21:43 (2013/2/16 23:59更新)
【モスクワ=秋山文人】モスクワで開いた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は16日夕(日本時間同日夜)、共同声明を採択して閉幕した。「通貨の競争的な切り下げを回避する」と明記し、通貨安競争を避ける方針で一致。日本が円安を誘導しているという名指しの指摘は避けられたが、自国通貨高を懸念する新興国と先進国の対立は残りそうだ。日米両国には財政の健全化に向けた努力を促した。
G20共同声明のポイント
【為替】
・通貨の競争的な切り下げを回避する。為替レートを競争力強化の目的には使わない
・為替レートの過度な変動は経済に悪影響
【金融政策】
・金融政策は国内の物価安定と景気回復に向けられるべきだ
・国内目的の政策が他国に与える負の波及効果を最小化する
【財政健全化】
・先進国は新しい中期財政健全化計画を9月の首脳会議までに作成
【世界経済】
・世界経済のリスクは後退したが、成長は依然弱い
・ユーロ圏には通貨統合の強化、日米には財政健全化への取り組みを求める
日本からは麻生太郎副総理・財務・金融相と白川方明日銀総裁が出席。大胆な金融政策を柱の一つとする安倍政権の経済政策「アベノミクス」の目的はデフレ脱却という国内問題の解決にあり、円安誘導ではないと説明した。麻生財務相は終了後の記者会見で「日本が再び活力を取り戻せば世界経済にも良い影響を与えられる」とし各国に理解を得られたと語った。
12日に日米欧の主要7カ国(G7)が発表した共同声明は「財政・金融政策は為替レートを目標にはしない」としていた。G20声明は「金融政策は国内物価の安定と景気回復を支援し続けるために実行すべきだ」としたうえで「為替レートを競争力強化の目的には使わない」との表現を採用、より詳しく書き込んだ。一方「為替レートの無秩序な動きは経済や金融の安定に悪影響」とG7声明とほぼ同じ文言も盛り込んだ。
前回メキシコで開かれたG20会議での声明で記した「為替レートの経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)からの乖離(かいり)を避ける」との表現も踏襲した。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は「G20を対立でなく協力で終えたことは良いニュース」との声明を出した。
新興国は先進国の金融緩和がもたらす波及効果を懸念している。あふれたマネーが新興国に流れ込み、通貨高やバブルを引き起こす一方、先進国が金融引き締めに転ずれば資金が逆に流出する可能性がある。こうした問題は先進国側も認識しており、「国内目的の政策が他国に負の波及効果をもたらさないよう監視し、最小化する」とした。
各国が自国の輸出産業を守る保護主義を巡っては「あらゆる形の保護主義に対抗し、市場を開放する」と明記。会議直前にも「多くの国が自国通貨安で輸出競争力を高めようとしている」(ブラジルのマンテガ財務相)との指摘が出ていたことに対応したものだ。
世界経済は米国で増税・歳出削減が一度に来る「財政の崖」を昨年末に先送りしたことで、「リスクは低下しつつあり、金融市場は改善している」との認識を示した。
ただ、IMFが1月に世界経済の成長率見通しを引き下げるなど、なお経済の先行きに不透明感が強いとの認識もある。「力強く持続的で均衡の取れた成長を達成する」との文言を入れ、成長を重視する姿勢を示した。半面、中長期的な財政政策では巨額の政府債務を抱える日米両国を名指しして「財政状況の不確実性を解消することが必要」と注文を出した。
2010年6月の首脳会議(トロント・サミット)で合意した財政健全化の目標は、9月の首脳会議で再設定するための準備を始めた。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1602A_W3A210C1000000/
「アベノミクス」薄氷の支持 G20が閉幕
2013/2/17 1:59
「一番の成果は、通貨戦争とあおられるのを完全に抑えられたことだ」。麻生財務相はG20終了後の記者会見で安堵の表情を浮かべた。
名指し批判という最悪の事態こそ免れたが、深夜にまで及んだ折衝は薄氷だった。新興国などの厳しい円安誘導との批判に、日本側は徹底した理論武装で臨んだ。
円売りの背景は「世界的な景気悪化シナリオが後退しているため」(白川日銀総裁)。日本経済が成長すれば各国の利益にもつながる。
「(円もユーロも)適正な価値から逸脱していない」(ラガルドIMF専務理事)。その“お墨付き”を手に麻生氏は15日の夕食会で9人の各国閣僚らと会い「ロビイング」を進めた。
一時は急激な円安に苦言を呈した独仏なども矛を収めた。主要国が泥仕合に陥れば足元を見透かされ、週明けの金融市場が大混乱しかねない。玉虫色の声明でひとまず融和を演出することで各国の利害は一致した。
それでも声明作成の交渉はギリギリまでもつれた。カナダのフレアティ財務相は通貨安競争の回避について「15日夜に相当、文章を強く直した」と明かす。「日本が声明で名指しされないのは驚き」。欧米メディアは関係者の声を紹介した。
かく乱要因は中国だった。通貨・人民元の変動を一定に管理するため為替介入を実施する中国は、G7声明をそのまま反映することに猛反発。
通貨政策の根本的な否定につながりかねないためだ。結局「競争目的」には使わないとする表現で各国が妥協した。声明の解釈を巡る波乱が起きる可能性もある。
議長国ロシアからも「G20は日本の政策に理解を示した」(シルアノフ財務相)と援護射撃を受け、なんとか急場をしのいだ日本。アベノミクスが再び混乱の引き金になる恐れは消えていない。(モスクワ=矢沢俊樹)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1602K_W3A210C1MM8000/?dg=1
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