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2013年02月16日 世相を斬る あいば達也
東京新聞論説員の長谷川幸洋氏に対する世間の評価がどのようなものか、筆者にはハッキリとは判らない。ただ、一般市民の中で政治や経済に興味の強い人種層からはニュートラルなジャーナリストとしての評価が高い人物と考えている。特に政治家の去就や原発に関する発言や霞が関官僚への洞察など、一目置く存在であると筆者も考えていた。ところが、最近の氏の論調には不自然な変化がみられるのである。勿論、氏が考えを変えたとか、ついに本性を現したとか、明確に指摘出来るほどの矛盾が論説に現れていると云うわけでもない。しかし、同氏の論調には変化の兆しがあきらかにある。それが何処だと指摘するほどではないのだが、徐々に気づかない程度に舵を右方向に変えている。多少文学論のようになるが、行間から、それを感じる人は感じる程度のものだ。
アベノミクスに対するヨイショ論調は、同氏がリフレ派なものの考えと規制改革論者であることから特に違和感はないが、心情右派の安倍晋三に親和的である事は、中央集権の行政改革と、それに伴う規制緩和が実現してからのヨイショでも良いような気がする。現時点のアベノミクスは既得権益層に手厚い保護を行う愚策であり、行政改革と規制緩和が後出しジャンケンで出てきても、一歩たりとも改革しない事は自明であり、後戻りの政策のみの片肺飛行の時点で評価するのは奇妙だ。今夜俎上に乗せる、現代ビジネスのコラムは、更にその病魔に冒された同氏の立ち位置が露わになっている。先ずは嫌にいつにも増して力のこもったコラムを一読願おう。
≪ アメリカを狙う北朝鮮の核実験成功で、「集団的自衛権」が喫 緊の課題に浮上した
北朝鮮が核実験を成功させた。昨年12月のミサイル発射実験が成功だったとすると、北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)に加えて、核弾頭の小型化に向けても着々と技術をたくわえている形になる。
アメリカ大陸に核弾頭を落とすには、まだ相当な時間と技術の蓄積が必要になるだろう。だが、北朝鮮が米国本土を射程に捉え始めたのは、どうやら間違いなさそうだ。それは安全保障をめぐる従来の前提が一変し、まったく新たな次元に突入したことを示している。
日本はどう対応したらいいのか。
■アメリカを射程に入れる「北朝鮮の核」をオバマは許さない
まず認めなければならないのは、安倍晋三政権が掲げた憲法改正や集団的自衛権の見直し問題が単なる頭の体操とか理念のレベルを超えてしまった点で ある。現実世界の展開が政権の想定した政策展開スケジュールを追い越してしまった、と言ってもいい。リアルの世界がシミュレーションの世界を追い抜いたのだ。
米国の側に立って考えれば、今回の事態がどれほどの危機であるか分かる。
米国はあきらかに狙われている。北朝鮮が脅威になってきたのだ。脅威に対するオバマ政権の考え方ははっきりしている。オバマ大統領は一般教書演説で北朝鮮を強く非難したが、すでに1月下旬に二期目の就任演説でこう述べていた。
「軍事力と法の支配によって、国民と私たちの価値観を守る」。抜き差しならない緊張感をはらんだ国際関係に対する米国のリアリズムが、これほど短い言葉でずばりと示されたのは初めてではないか。
オバマ大統領はまず軍事力、次いで法の支配という原則に立って世界を眺めている。そういう立場からすれば、北朝鮮が「ICBMでアメリカ大陸を射程に入れる」という現実は、けっして容認できないはずだ。
外交努力で北朝鮮が核開発をあきらめさせるのは、もちろん望ましい解決法である。だが、そんな理想的解決が100%期待できない以上、オバマ政権が軍事的解決オプションを捨てることはないだろう。
米国はそんな甘い国ではない。空爆か洋上からのトマホーク攻撃か知らないが、北朝鮮の核施設を外科的に処理する選択肢を最後まで残しておく。そう思う。
そんな選択肢が現実になれば、北朝鮮と米国の本格的な戦争に発展する可能性もある。それは悪夢だ。だが、見たくない現実の可能性を頭から除外して、ひたすら外交的解決を願うのは思考停止である。
そのとき日本や韓国はどうするのか。
■「米国を守ることはできません」が通用するわけがない
米国は攻撃前に日本や韓国と事前に協議あるいは通告するだろう。そうなってから、慌てて対応策を考えても遅い。日本は米国と北朝鮮が軍事的衝突に至る選択肢を想定して、いまから有事に備える必要がある。
日本にとって、直ちに問題になるのは集団的自衛権の問題である。北朝鮮がICBMで米国を攻撃しようとするとき、日本は「私たちは知りません」という態度をとれるか。私はとれないと思う。「米国は日本を守ってください。でも、日本は集団的自衛権の制約があるから、米国を守ることはできません」などという話が通用するはずがない。
冷戦終結後、テロリストを除いて米国を本気で真正面から攻撃しようという国はなかった。今回、初めて北朝鮮という国は米国を敵視して、口先だけでなく実際に攻撃能力を身につけようとしている。そこが従来と次元がもっとも違う点である。
これまで日本は「集団的自衛権を行使できないから米国を守れない」という態度だったが、そもそも「米国を攻撃する」という国がなかったから、それで話が済んでいたのだ。だが、いまは前提が違う。北朝鮮がいる。
だから、日本が米国を守るのかどうかが、にわかに現実の問題として問われている。繰り返すが、現実が想定を超えたのだ。
米国は北朝鮮に圧力をかけて封じ込めるために、さまざまなレベルで日本や韓国との共同歩調を目指すだろう。中国やロシアと比べれば、米国にとって軍事同盟関係を結んでいる日韓との関係がずっと深いのは言うまでもない。
たとえば、日本海で日米韓が合同軍事演習をするとする。
そこで、日本は北朝鮮の米国攻撃を察知した場合、米国を守らないような行動を演習するのか。一方で北朝鮮がテポドンによる米国攻撃とノドンによる日本・ 韓国攻撃をしかけた場合、米国は日本と韓国を助ける演習をするのか。そんな馬鹿な話はない。
だから、集団的自衛権の見直し問題が喫緊の課題になる。
■状況は一変した
核実験のつい1週間前まで、集団的自衛権見直し問題は少し議論に先がある政治課題だった。与党である公明党が「慎重に議論する」という姿勢だった ので、議論を開始はしたが、少なくとも7月の参院選までは与党内で亀裂を招くような結論を出すには慎重にならざるをえなかった。まして、憲法改正はずっと先の課題である。
だが、いまや状況は変わった。国際関係の現実が国内の政治論議を追い抜いてしまった。日本は先に行ってしまった現実を大急ぎで追いかけて、キャッチアップしなければならない。
今回の事態は環太平洋連携協定(TPP)参加問題にも影響を及ぼす。TPPは貿易自由化という通商問題であると同時に、米国を中心とした安保外交問題と いう2つの側面がある。日本が貿易自由化の側面にとらわれてTPPに後ろ向きの姿勢を続けると、安全保障面で米国との連携がうまくいかない可能性が出てくる。
今日は昨日からの連続した世界ではない。大胆に言えば、今回の北朝鮮核実験は9.11や3.11に匹敵するような事件だ。新しい事態を受けて、頭をがらりと切り替えられるかどうか。政権もメディアも、そこが問われている。≫(現代ビジネス:ニュースの深層・長谷川幸洋)
見事なまでに改憲・日米同盟深化のアジテーション論調になっているではないか(笑)。これが日本で数少ないニュートラルなジャーナリストと評価されている人物のコラムとは、俄かに支持難いものである。勿論、そのような事実関係が継続的に起きている事実は認めよう。あくまで報道機関が把握した範囲の報道としてであるが。9.11でアルカイダの存在が米国によって発信され、巡り巡ってイラクのフセイン政権が大量破壊兵器を隠し持っていると云う話になり、日本人の誰もが、フセイン悪玉説に靡いたのである。北朝鮮のミサイルにしても、一段目はロシア製が使用されているわけで、核実験も何処まで本当なのか確証すらないのが事実だ。核実験と称する爆発の規模も、韓国、ロシア、アメリカ、ドイツでたまげるほどの規模に対する見解の相違がみられるし、核実験なら必ず発生する筈のキセノンやクリプトンが検出された情報すらない。
このように、同氏のアジテーション論説には幾つかのプロパガンダ報道の連鎖から導き出される操作が隠されている。この確証なき報道の事実を繋ぎあわせ、推論を講じている。勿論、同氏がそのような推論に達し、それを自らの論説として語ることは自由だ。しかし、原発政策や官僚組織の悪癖を叩くことによってニュートラルなジャーナリストとして地位を得た論者の地位利用には不快な感覚を憶える。まぁ、俺はそもそもそう云う人なんだよ、と言われたらそれまでだが、ニュートラルなジャーナリストの長谷川氏がそのように言うのであれば、と云うミスリードな世界は、それこそ“いつかきた道”になりかねない。
ポスト田原総一朗と噂の高い同氏だけに、さもありなんと思うわけだが、果たしてどうなのだろう。筆者自身は、まったく話にならない誘導報道と感じている。まぁ受け取り手がどう感じようと、それは知ったことではない。ただ、尖閣における中国海軍の雄叫びといい、北朝鮮のミサイル・核実験といい、日揮人質事件にせよ、グアム無差別殺傷事件にせよ、嫌に日本人の安全が脅かされるような事件が連鎖している。どうにも臭い(笑)。単なる偶然のなせる技にしては、日本人を何処かに導こうと云う姿なきパワーが襲って来ているようである。こういう問題が起きると、如何に小沢一郎、鳩山由紀夫の政治力失墜作戦が9割成功した政治シーンの影響は酷く大きいものである。
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