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2013/2/14 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
アベノミクスの危うさが露呈した。12日に出されたG7声明をきっかけに、為替相場の乱高下が止まらないのだ。
声明の趣旨は、「われわれは為替レートを目標にしないことを再確認した」というそっけないもので、麻生財務相は「(アベノミクスが)各国から正しく認識され、意味があった」と上機嫌だった。
マーケットはさらなる円安材料と読み、ドル円相場は1ドル=94円台半ばまで円安が進んだ。
ところが、その後、匿名のG7高官が、「声明は、円の過度な動きに対する懸念を示すものだった」と発言し、流れが一変。為替は1ドル=92円台後半の円高となり、株式市場も大幅に下落した。
「どの国の誰かも分からない人物の発言なのに、一気に円高になってしまったのです。アベノミクスの底が知れたということでしょう」(市場関係者)
第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏はこう言う。
「G7声明でハッキリしたのは、アベノミクスに理解を示す国と、反発する国の両方が存在しているということです。ただし注目すべきは、G7が為替に関する声明を発表したのが11年9月以来だったということ。あきらかに日本の円安誘導を意識した結果だし、声明を深読みすれば、『日本は今後、為替介入をするな』とクギを刺したのと同じです」
今月15、16日にはG20の財務相・中央銀行総裁会議がロシアで開催される。そこには通貨安戦争を警戒するブラジルなどの新興国も参加する。“アベノミクスは円安誘導だ”と集中攻撃される危険性は十分にある。
「G20としての共同声明は出さなくても、G7と同じように、各国の要人がさまざまな発言をするでしょう。日本の円安誘導批判も多発するはずです。そうなると、為替相場は円高に向かう。短期的には1ドル=90円割れを覚悟したほうがいい」(セントラル短資FX市場営業部長の伊藤雅博氏)
◆麻生と白川では頼りない
日本からは麻生財務相と任期途中での辞任を決めた日銀の白川総裁が出席する。この2人が“リスク要因”だという見方もある。
「麻生さんは、海外留学の経験があるせいか英語を使いたがる。でも首相時代、新聞に『外国の首脳と英語でやりとりするのは非常に危険』と投書された。英語力をひけらかしたいあまり、余計なことを口走ると、円高に歯止めが利かなくなる恐れもある。辞任の決まっている白川総裁もヤル気のなさを前面に出したら日本は諸外国からナメられます」(市場関係者)
G20で円安の流れがガラリと変わることになるのか。
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