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(回答先: 日経新聞WEB「特報 北朝鮮、核実験実施を発表」 投稿者 あっしら 日時 2013 年 2 月 12 日 15:01:17)
[真相深層]北朝鮮ミサイル 膨らむ日本への脅威
「核の傘」安住は禁物 本土射程、米国にジレンマ
「なぜ、日本人は平気なのか」。北朝鮮の核とミサイルの開発は、米欧の政府当局者からこんな声がもれるほど加速している。どこまで危機が迫っているのか。日本は感情論を抑え、冷徹に現実を分析するときだ。
「万が一」に備え
究極の危機管理を担当する米政府高官が先週、東京に飛んできた。ウェーバー国防次官補。核攻撃を受けたとき、被害を最小にとどめるための対策を練るのが任務だ。
「米政府は各省庁をあげて、生物、化学、核(兵器)、放射能の有事に即応できるよう、準備している。日本ともそのために協力していく」
小野寺五典防衛相に会い、ウェーバー氏はこう切り出した。会談の詳細は伏せられたままだが、北朝鮮の核開発をにらみ、万が一にそなえた協力も話題になったとみられる。
日本は北朝鮮が大量に配備する中距離弾道ミサイル「ノドン」の射程にすっぽり入る。最悪の事態は北朝鮮がもっているとされる核爆弾をノドンに搭載し、日本に打ち込める体制を敷くことだ。
北朝鮮の核爆弾は重すぎるため、いまはそこまでいたっていない。
「だが、核実験をあと数回やれば、核弾頭の軽量化に成功し、3年から5年でノドンに搭載できるようになるかもしれない」。日本の情報関係者はこう恐れる。
そのとき、日本を守る砦(とりで)になるのが、米国から提供された「核の傘」だ。日本が核で攻撃されたら、米国が核で報復する――。米国は安保条約にもとづき、こんな暗黙の保障を日本に与えている。
この保障があるかぎり、北朝鮮を含め、どんな国も日本への攻撃を思いとどまらざるを得ない。これが米国の「核の傘」と呼ばれるものだ。
ところが、北朝鮮による長距離ミサイルの開発は、この「核の傘」にも穴を開けかねない。
「北朝鮮のミサイルが米本土に届けば、米国の都市が直接、攻撃されるかもしれない。日本が攻撃されたとき、米軍はそんな危険を冒してでも、北朝鮮に報復するか。米国はこんなジレンマに直面せざるを得ない」
日本の複数の安全保障担当者は、こんな不安を口にする。
あながち絵空事ではない。防衛省は昨年12月のミサイル実験を分析し、北朝鮮の長距離ミサイルの射程が1万キロメートル以上に達しつつあると発表した。米西海岸はおろか、デンバーなど中西部にも届く距離だ。
行動予測難しく
実は、米政権は昨年から、日本にひそかに切迫感をにじませていた。
「北朝鮮のミサイルに重大な懸念を抱いている。ぜひ、もうひとつ、Xバンドレーダーを日本に置かせてほしい」
昨年夏、米軍首脳は日本側にこう打診した。同年9月に来日したパネッタ国防長官も、念押しするように同じ要請をくり返した。
Xバンドレーダーは弾道ミサイルを探知する早期警戒レーダー。青森県に配備しているが、北朝鮮のミサイルに対抗するには、もはや1つでは足りないというわけだ。
もっとも、米国はすでに中国やロシアの長距離ミサイルの射程内にある。これに北朝鮮が加わったからといって、「米国の核の傘が揺らぐことはない」。米国防総省の当局者はこう力説する。
しかし、中ロとちがい、北朝鮮はまったく行動の予測がつかない相手。「米国が全くたじろがないとしても、北朝鮮がどう思うかは別だ。米国は強く出られないと勝手に思い込み、日米韓への挑発を加速する危険がある」(防衛省幹部)
北朝鮮が核実験をすれば、日本は制裁を強める方向だ。ただ、それだけで日本が安全になるわけではない。北朝鮮の脅威を緻密に分析し、防衛の穴を埋める。そんな努力が待ったなしだ。
(編集委員 秋田浩之)
[日経新聞2月7日朝刊P.2]
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