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2013年2月12日 政経徒然草
安倍内閣の支持率が上昇しているようだ。
一言で言えば「民主党政権よりマシかな。」と感じる国民が多いということだろう。
積極的な評価ではないことだけは、間違いないだろう。
もう一点、挙げるとすれば、自民党に対抗できる政党が存在しないに等しいような状況に陥り、国民の選択支がなくなってしまったことが挙げられる。
バブルの支持率と言えるだろう。
円安、株高が進み、一見、日本経済が明るい方向に向かい始めたかのような錯覚を受けやすいが、実態はそんな楽観できるような状態ではない。
わかりやすい例としてトヨタの連結決算の業績予測を挙げてみよう。営業利益の80%は為替差益によるものだ。純粋な生産や販売台数の増加によるものでない。いわゆるバブル的な利益だ。
だから雇用増にはつながりにくい。
同様に、円高の影響による株高により企業の有価証券の含み益が増加するので一部の企業では利益が増加するが、これもバブルだ。営業活動による利益ではない。
このように、今の日本経済の状況は純粋な需要増による景気回復局面にはいたっていないので、冷静に見る必要がある。
景気回復のためには、「賃金上昇(家計所得の上昇)が大きな条件になる」と一般的には言われているが、これは正確には「家計の可処分所得が上昇することが大きな条件になる。」と言うべきだろう。
いくら賃金が上昇しても、賃金上昇分以上に、物価や税金、社会保険料や電気代などの上昇を招けば実質の可処分所得は低下することになる。
今までは、家計所得の減少分をデフレでカバーしてきた側面がある。
これは、ここ十数年の日本の小売業界の動向をみればよくわかる。
いわゆる中間層と言われる、可処分所得にある程度の余裕がある所得層が減少するとともに、いわゆる100円ショップやドラッグストアー、家電量販店、家具の量販店、ユニクロに代表される衣料の量販店、低価格の飲食店チェーンなどの低価格を売り物にする業態が急速にシェアを伸ばしている。
つまり、家計の可処分所得の減少に反比例して低価格のを売り物にする業態が急速にシェアを伸ばしたのである。
低価格商品に対するニーズが急速に高まったと言い換えることができるのかもしれない。
あくまで個人的な意見だが、足腰の強い景気回復を目指すには、可処分所得を増やす政策が必要になるということだ。勿論、そのためには賃金のアップや需要の創出も必要だ。雇用の増加も必要だ。しかし、それらが家計の可処分所得の増加に繋がらなければ、本格的な景気回復を望めないのではないだろうか。
政治家や役人、学者は物事を複雑に見ようとするが、もっとシンプルに見るべきではないだろうか。
「無い袖は振れない。」
それが、毎日、数百円の小遣いで我慢している多くの庶民の声だと思う。
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