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2月10日 東京新聞「核心」 :「日々担々」資料ブログ
東日本大震災や東京電力福島第一原発事故で被災した地域の再建を担う復興庁が発足してから、十日で一年を迎えた。安倍政権は「事業を調整する『司令塔』としての役割が不足していた」として、組織の機能強化を図る。だが、新たに編成した復興予算案では、公共事業を増やす旧来的な姿勢があらわになっており、被災者の生活支援の視点は、逆に抜け落ち始めている。(中根政人)
■残る縦割り
昨年二月十日に業務をスタートした復興庁。本来は、既存の府省より「格上」に位置付けられたはずだったが、被災地の復興事業を直接実施する権限はなく、当初目指した「役所縦割りの打破」は、できていない。
福島県内の復興については、安倍政権が事務体制を変更。放射性物質の除染事業や政府の原子力災害現地対策本部も統括する「福島復興再生総局」を一日付で新設し、機能の一元化を図った。
安倍晋三首相は「復興庁は福島と東京の“二本社体制”になった」と強調する。だが、各府省の復興事業を全般的に取り仕切るための法改正を伴った権限強化は、まだ具体化していない。
前岩手県知事で、総務相などを歴任した野村総研顧問の増田寛也氏に聞いた。
◇
現在の復興庁が司令塔としての役割をうまく発揮できていない要因は、組織としての制度設計の甘さにある。
中途半端な機能の役所は、かえって仕事の足手まといだ。迅速な復興を進めるためには、予算要求から事業実施まで一貫してやり遂げる体制が必要。本来であれば、既存の各府省の権限を復興庁にまとめるべきだった。
津波で被災した地域の復興は、集落の高台移転などを伴うため時間がかかる。公共事業の需要がしばらく続くのはやむを得ない面もある。
ただ、被災地の人口減が加速する中、まちづくりや堤防、道路などの整備ばかりに予算をかけても、現地に住む人がいなくなってしまっては意味がない。
政府は、震災発生から二年を迎える今年を、復興事業の転換点に位置付けるべきだ。阪神大震災でもそうだったが、三年目以降は、被災者の生活面の苦悩や産業、雇用の確保にどう対処していくかという視点がますます大事になってくる。
■景気最優先
安倍政権が編成した二〇一三年度の復興予算案では、景気回復を最優先する「アベノミクス」の建前のもと、公
共事業による被災地への経済効果を当て込んだ施策が際立っている。
災害復旧を理由とした公共事業費は一二年度当初予算の三倍近くの約六千六百億円に増額。さらに、被災地沿岸で未開通区間の多い高規格道路の建設費や社会資本整備の交付金も同時に増額した。
だがインフラ中心の事業メニューが、果たして被災者の暮らしの回復に直結するのか。その効果は見えない。
■実感程遠く
一方、被災した中小企業を支援するための「中小企業グループ補助事業」の予算は一二年度当初から半額の二百五十億円に減った。この事業は「補助金の申請が通らず、地域の仕事の再建につながらない」として復興が進まない元凶の一つとして指摘されてきた。制度に問題があったのは事実だが、中小企業を支援する予算をバッサリ切り込んで解決する話ではない。
高齢化が進む被災地での介護支援や心のケアなどにも十分な予算が確保されているとは言い難い。被災者の生活再建に向けた取り組みが不足しているとの批判に対し、根本匠復興相は「津波で被災した地域の住宅の移転スケジュールを明確化する」と強調。原発事故の長期避難者が暮らすための住宅整備も急ぐとした。
だが復興事業を検証してきた政府の有識者会議「復興推進委員会」の五百旗頭(いおきべ)真委員長(熊本県立大理事長)は六日の会見で「被災地では、いまだに政府の支援を十分に実感できていない」と指摘。被災者の暮らしの質を向上させる政策を最優先すべきだと訴えている。
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