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2013年2月10日 植草一秀の『知られざる真実』
国会同意人事が国会の焦点になっている。
カギを握るのは参議院だ。
自公の与党は衆議院で325議席という圧倒的多数を握っている。
したがって、衆議院では与党提案が賛成多数を得る。
しかし、参議院で与党は過半数を確保していない。
参議院議員定数242に対して、自民党が83、公明党が19であり、自公合わせて102議席しか保持していない。
現在、参議院は欠員が6あるため、議員数は236である。民主と自民から正副議長が出されているため117が半数、118が過半数ということになる。
参院過半数を確保するためには、自公の与党は、自公以外から16の賛成票を確保する必要がある。
他の政党の議席数は、
民主 87、みんな 12、維新 3、新党改革 2、となっており、みんな、維新、改革を取り込めば過半数を確保できる。
また、民主党の賛成を取り付けることができれば過半数を確保できる。
公正取引委員会には国税庁と同様の強制調査権と刑事告発権が付与されている。
強大な国家権力機関である。
警察・検察が強大な国家権力機関であるのと同様、国税と公取も強制執行権を持つ強大政府機関なのだ。
この機関のトップが財務省の天下り指定席ポストになることは適正でない。
とりわけ公正取引員会は新聞社の存立を支える特殊性を有する。
新聞社の経営は公正取引委員会による新聞の再販価格維持制度によって支えられていると言って過言でないからだ。
財務省は公正取引委員会委員長ポストを握ることによって、新聞メディアの論調を支配することができる。
また、新聞社は消費税増税に際して新聞を非課税品目に指定することを要望している。
この点でも新聞社は財務省に歯向かえない。
財務省がこうした国家権力を武器にメディアを支配してしまうことは問題である。
主権者は国民であり、国民が代表者を国会に送る。
国会は国権の最高機関であり、国会の多数派勢力が首相を輩出し、首相が行政権を握る。行政権は内閣にあり、内閣の指揮の下に各省庁がある。
つまり、各省庁は内閣の指揮、命令に従って動く下部機関である。
ところが、現実には霞が関で突出した権力を持つ財務省が内閣の上に立ってしまっている。
財務省が国政を仕切ってしまっている。
そして、日本の「失われた20年」をもたらした、最大の元凶が財務省である。
財務省の不適切な経済政策運営が日本経済の長期停滞をもたらしてきた。
財務省を改革することが日本政治を改革することだと言ってもよいだろう。
財務事務次官から「みずほ総合研究所理事長」へ天下っていた杉本和行氏を公正取引委員会委員長に天下りさせることは適正でない。
政府が「わたり」のあっせんをすることでもある。
「天下り・わたり根絶」は財務省から始めるべきなのだ。
さらに最重要の問題が日銀幹部人事だ。
白川方明総裁が3月19日をもって辞任する意向を示したことで、日銀総裁・副総裁人事が喫緊の課題として浮上している。
これまでの経緯を含めて、改めて日銀総裁人事の要諦を示す。
日銀総裁に就任する人物に必要不可欠の要件は以下の三つ。
1.財務省OBでないこと
2.売国者でないこと
3.中央銀行の独立性を守り抜くことができること
金融政策・金融理論のプロフェッショナルであるべきことは言うまでもない。
英語で海外政策責任者と意思疎通できることは望ましいが、この要件は上記三要件には劣後する。
この視点に照らせば、武藤敏郎氏、黒田東彦氏、勝栄二郎氏、竹中平蔵氏はまず除外される必要がある。
また、岩田規久男氏と中原伸之氏も3の要件から、除外されるべきであると言える。
最適任者は現段階でもなお、白川方明氏である。
しかし、白川氏は辞任の意向を表明しているから、白川氏以外から選択しなければならなくなった。
いま名前が挙げられているなかで、ぎりぎり許容範囲に入るのは岩田一政氏ということになる。
中央銀行の独立性の重要性を踏まえれば植田和男氏の方が適任である。
白川氏が日銀総裁を辞任する意向を表明した翌日に株価が大幅に上昇したことをもって、メディアは白川総裁辞任ニュースで株価が上昇したと報道した。
それならば、その翌日に今度は株価が大幅に下落したことをどのように説明するのか。
いい加減な報道が多すぎる。報道機関の質的な劣化の深刻さが浮かび上がる。
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