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2013/2/9 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
専門筋にも交錯する「楽観論」と「悲観論」の有力度を判定
異常な株高がつづいている。さすがに、きのう(8日)は一服したが、先週末まで〈12週連続〉上昇し、11月中旬、8829円だった平均株価は、1万1153円まで2300円も上がっている。
〈12週連続〉の上昇は「岩戸景気」に沸いた1958〜59年以来、54年ぶりだ。
「アベノミクス」に半信半疑だった個人投資家も、今年に入ってから、乗り遅れるなと次々に参入。証券会社は「コールセンターの電話が鳴りっぱなし」「これほど注文が入るのは久しぶり」とウハウハだ。
東証1部の1日当たりの売買代金も、1月は平均2兆2000億円と昨年の2倍に膨れ上がっている。
株価が上がるのは結構なことだが、問題はこの株高がいつまでつづくのかだ。市場は「7月の参院選まではつづく」と確信しているようだが、どうなのか。
「まだまだ上がります」と「マネーパートナーズ」のアナリスト・藤本誠之氏は、楽観してこう言う。
「株価が上昇している大きな理由は、世界的なカネ余りです。日銀が1月末に〈無期限の金融緩和〉を宣言したことで、米FRB、欧州ECB、日本銀行という3つの中央銀行が、無期限や無制限の金融緩和を行うことになった。資金がジャブジャブになれば、向かう先は資産か資源と決まっています。とくに日本株は割安だったから、世界中のカネが一斉に流れ込んだ。この流れは簡単には止まらない。夏を越えて年末までつづき、1万3000〜1万5000円近くまで上がる可能性があるとみています」
◆参院選の直前に「売り」が殺到する恐れ
しかし、急ピッチで上昇した株価に対して悲観的な見方も根強い。すでに不気味なサインも出始めている。「東証1部の売買株数30億株、売買代金3兆円」という“過熱ライン”を突破する日が出始めている。“買われ過ぎ”は明らかだ。
「3月が節目でしょう」と経済ジャーナリストの松崎隆司氏が言う。
「東京市場が急上昇しているのは、外国の機関投資家が、ポートフォリオの日本株の比率を引き上げたからです。ポートフォリオの基準を満たしたら、いったん買いは止まるでしょう。11月中旬から買い進めた外国人投資家は、すでに十分な含み益を稼いでいる。そろそろ利益を確定するために売ってきてもおかしくありません」
実際、11週連続で買い越してきた外国人投資家が、5日、270万株を売り越したとみられている。株式アナリストの黒岩泰氏はこう言う。
「市場はアベノミクスを持てはやしていますが、2月下旬に日銀の総裁人事が決定すると、材料が出尽くします。もともとアベノミクスによる株高は、実体がなく、期待感だけで上昇しただけに、材料がなくなると一気にしぼむ恐れがあります」
何といっても、最大の懸念材料は、投資家の多くが、7月の参院選までは株高がつづくと思っているが、7月以降に確信を持てていないことだ。ババをつかみたくないと、7月前に「一抜けた」と一斉に売りが増えておかしくない。「安倍バブル」は、参院選前に崩壊しても不思議じゃないのだ。
◆「バブル」「バブル崩壊」を繰り返す世界経済
きのうの予算委員会で安倍首相は、アベノミクスを「効果が出ている。ごちゃごちゃ理屈を言っている人がいるが、われわれがやっている政策は正しい」と自画自賛したが、しょせん、アベノミクスによる株高は「バブル」にすぎない。いずれはじけるのは、時間の問題だ。
それにしても、なぜバブルが発生し崩壊するのか。80年代後半の日本がそうだったように、バブルはカネ余りによって起こる。サブプライムローン問題も、余剰マネーがすさまじい不動産バブルを招いた。
ここ数十年、世界中の「バブル」は、すべて巨大な金融資本が引き起こしている。
「いま世界経済は“バブル”と“バブル崩壊”を頻繁に繰り返すようになっています。原因は、景気が悪化すると、政府が低金利政策をとってカネをジャブジャブにするためです。そのカネが利益を求めて世界中を浮遊してバブルを生み出している。実体のないバブルだから、すぐにはじけるの繰り返しです。なぜ、こうしたバカなことが起きているのか。本来、金融資本は銀行を通じて企業に融資され、実体経済を良くしていくことに使われるべきものです。ところが、グローバル化のためか“実物投資”では、景気を良くすることが難しくなった。先進国では、かつてのように生産による経済成長が期待しづらい。その結果、カネが独り歩きするマネーゲームになっているのです」(経済評論家・広瀬嘉夫氏)
しかも、最近はバブルとバブル崩壊のスパンが短くなっている。1995年以来、世界の株式と債券の時価総額、預金総額は100兆ドルも増えたという。
これほどの巨額なマネーが暴れ回れば、あっという間にバブルが発生するというものだ。
◆資本主義が機能しなくなった
しかし、「バブル」と「バブル崩壊」を繰り返すだけで、国民生活は少しも良くならないなんて、どう考えても間違っている。もはや「資本主義」も行き着くところまで行ってしまったのではないか。
資本主義が機能したのは、1600年から、わずか400年間だけだったという学説もある。世界の総人口の2割に満たない一握りの先進国が、残り8割の途上国から資源を安く買って、高く売ることができたから資本主義は機能したのだという。
先進国は1970年代まで潤うことができた。その代表が日本だ。
なのに、経済のケの字も知らない安倍首相は、「効果が出ている。われわれがやっている政策は正しい」と能天気に胸を張っているのだから、お笑いである。
「安倍バブル」は、なにかキッカケがあれば、簡単に崩壊するのは目に見えている。実体がないのだから投機マネーに逃げられたらひとたまりもない。とても本格的な景気回復は期待できない。シロウトが「アベノミクス」に踊らされて、バブル状態になっている株式市場に無防備に手を出したらヤケドするだけだ。
「安倍バブル」がはじけた後、日本経済は本当の地獄に突入することになりそうだ。
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