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2013年02月09日 天木直人のブログ
閉塞した政治状況の中で大きなニュースが飛び込んできた。ついに原発被害者が国と東電を相手に立ち上がったのだ。
きのう2月8日の東京新聞が一面トップでスクープ報道し、そしてきょう2月9日の各紙が一斉に報じた。
私はこの時を待っていた。
この集団訴訟がすべての原発事故被害者のうねりに発展し、この国の原発政策を変え、そしてこの国の支配体制を変えるようになることを私は願う。
私は福島原発事故が起きて間もない頃にあらゆる機会をとらえて書いた。福島原発事故の被害者は何を要求しても許される。原発事故は単なる天災ではない。人災だ。そして放射線被曝という最も非人道的な被害を何の責任もないのに余儀なくさせられた。福島原発事故の被害者は国や東電にどんな要求をしても許される。国や東電は彼らに対してどんな要求にも応えなければならない。原発事故の被害を免れた大多数の幸運な日本国民は、被害にあった同胞に対して、あらゆる支援を惜しまないはずだ、と。
そう主張する事によって、私は今度の原発事故がきっかけとなって日本のこれまでの権力構造が変わる事を期待したのだ。
いや変わらなければならない。それこそが原発事故という未曾有の不幸を経験した日本のせめてもの救いになる、そう私は書いた。
残念ながらその後の二年間は無残なものであった。 何一つ変わらなかったばかりか、アンシャンレジームの見事な復活だ。
再び原発維持勢力が復活し、原発被害者の救済は不十分なまま放置されたままだ。権力の転換どころか権力による棄民政策が行なわれているごとくだ。
いったい日本国民はどこまで権力に従順なのだろうか。
そう失望していた矢先にこの集団訴訟である。
繰り返して言う。
この訴訟が原発事故の被害を受けた何万人単位の数に広がっていけば東電はつぶれ、この国の権力者は責任を取らされる。その時こそこの国に本物の民主主義が芽生える時だ。
戦争を自らの手で裁けなかった日本国民は、それから67年たってはじめて主役になれるのだ。
戦争責任を自らの手で裁けなかった日本国民は、今度こそ権力者の責任を裁かなければならない。 東京裁判を再び繰り返してはいけない。メディアはそれを国民に訴えなければいけない・・・
◇
原発事故 国を提訴へ 東京への避難者ら
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013020802000119.html
2013年2月8日 東京新聞 朝刊
東京電力福島第一原発事故で避難するなど被害を受けた東京、千葉、福島の被災者が、東日本大震災から二年を迎える三月十一日に、国と東電を相手に損害賠償を求める集団訴訟をそれぞれ各地裁に起こすことが七日、関係する弁護団への取材で分かった。弁護団によると、原発事故で国を相手に集団訴訟を起こすのは初めてとみられる。
福島原発被害首都圏弁護団や原発被害救済千葉県弁護団によると、福島県から都内に避難してきた住民は東京地裁に、千葉県内に避難してきた住民は千葉地裁に提訴する方針。このほか別の弁護団が担当して、福島地裁と同地裁いわき支部にそれぞれ提訴するという。
福島県から千葉県内に避難して、生活を続ける被災者は約三千人に上る。
千葉の弁護団が訴訟準備のために一月に開いた説明会には数十人が参加し、少なくとも十数世帯が原告に加わる意思を示しているという。
賠償額は算定中だが、一人当たり一千万円を超える可能性が高い。
都内への避難者は少なくとも五世帯が提訴する見込みで、さらに増える可能性があるという。
千葉の弁護団は、国を訴訟相手に含める理由について「国が過去に必要な規制をしていれば、事故はある程度防げた。国の責任を明らかにしたい」と説明。その上で「原発事業は国策民営の関係で、民法上の共同不法行為にあたる」と主張している。
原発事故をめぐっては、避難生活を強いられている被災者が各地で、東電に慰謝料などを求める訴訟を起こしている。
<共同不法行為> 複数の加害者が共同して不法行為を行い、他人に損害を与えること。民法719条では、共同不法行為が成立した場合、加害者たちは連帯して損害を賠償する責任を負うと規定されている。不法行為をそそのかした者や、手助けした者も損害賠償責任を負う。
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