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2013年2月 7日 植草一秀の『知られざる真実』
国会論戦が始まったが緊張感のある論議が行われていない。
かつて主権者から政権を委ねられた民主党も、いまではすっかり財務省出身者に仕切られつつある。
中国海軍の艦艇が海上自衛隊の護衛艦に射撃用の火器管制レーダーを照射したことについて、大きな報道が実施されているが、小野寺防衛相が急遽記者会見を開いたのは2月5日の午後7時である。
NHKの7時の定時ニュースに合わせて会見が行なわれた。
この会見を受けて6日から7日にかけてこのニュースがテレビ報道の時間を占有した。
安倍内閣の国土交通大臣政務官の徳田毅氏の準強姦疑惑事案が週刊誌報道されるタイミングに合わせて記者会見が行われたものと見られる。
レーダー照射そのものは民主党政権時代から存在したもので、安倍政権はメディアを占有するために、このタイミングを選んで情報公開をしたと見られる。
報道機関は政府の情報誘導工作に乗るかたちでニュース報道を展開する。
また、ここにきて急拡大した中国の大気汚染報道。
昨日今日、急に大気汚染問題が発生したのではない。
突然、この事案が大々的に報道される状況が生まれている。
テレビ報道の場合、最大の特徴は、放送時間に限りがあることだ。
全体の時間が決められているため、報道量は事案の絶対的な重要性に連動しない。
その時点で報道する事案の「相対的な」重要性に応じて時間配分が決められる。
報道すべき事案が多数存在する場合、重要ニュースであっても報道時間が著しく短くされることがある。
逆に、重要でないニュースであっても、他に重要ニュースがない場合には、不自然に大きく取り扱われることも生じる。
したがって、あることがらを大きく報道させる場合には、できるだけ大きなニュースが存在しないタイミングを見てスケジュールを設定する。
逆に、あまり大きく報道されたくない事案を発表する場合には、他に大きな事案が存在するタイミングを選ぶ。
石原慎太郎氏が都知事辞任を発表したのは10月25日。この日、「国民の生活が第一」が結党記念パーティーを開催した。
このパーティーには4000人以上の市民が参加した。橋下維新のパーティーを上回る市民が参集したパーティーだった。
ところが、メディアはこのパーティーをまったく報道しなかった。
石原知事辞任一色でニュース時間を染め抜いた。
12月2日に「日本未来の党」が政権公約を発表した。それまでメディアは各党の政権公約を大きく報道していた。
ところが、この日に中央高速道路でトンネル崩落事故が起きた。
メディアは、報道をトンネル事故報道に占拠させた。
事故そのものが人為的な匂いの立ち込めるものであった。
自民党が最近になって老朽化した社会インフラの更新投資の必要性を訴え始めた。この方針に合わせたかのような事故であった。
中国の大気汚染報道は、日本の放射能汚染に対する警戒感を「相対化」させるための報道であるとも受け取れる。中国では原発建設が大規模に進む。
国内で脱原発を進めても、中国が原発大国になるならまったく意味はないということを主張するために、意図的に流布されているとも受け取れる。
日本の政治を変革してゆくために、何よりも必要なことは国民の「覚醒」である。
「覚醒」の最大の障害になるのが、メディアの情報操作である。
日本の情報空間を占拠しているのがマスメディアである。国民がマスメディアの本質を見抜き、マスメディアが流布する情報の「歪み」、「ウソ」を見抜く能力を身に付けなければ、政治を変革することは極めて難しい。
とりわけ、NHKが完全に権力機構に組み込まれていることの弊害は甚大である。
米官業の既得権益はいま、日本に新たな二大政党制を埋め込むことを本格的に検討し始めたと見られる。
この二大政党体制とは、対米隷属勢力であり、かつ米官業による日本支配の構造にとって脅威にならない二つの政治勢力を構築して、この二つの政治勢力に日本政治を占有させてしまおうとするものだ。
米国には共和党と民主党の二大勢力が存在するが、この二つの勢力は、極めて近い存在である。大統領選挙のたびに二つの勢力は選挙戦を展開するが、どちらの勢力が政権を獲得しても、本質的な変化は生じない。
米国の大統領選では、共和党と民主党の代表候補にならない限り、大統領には実質的になれない仕組みが内包されている。
米国は日本において、このような安定的なしくみを埋め込もうとしている。
「安定的」というのは、米国による日本支配の構造が破壊されないという意味での「安定」である。
この体制が日本で確立されてしまえば、日本で「主権者国民の政治」が実現する可能性は半永久的に消滅してしまうことになる。
わずか3年前、日本の歴史上初めて、主権者国民による政治体制確立の第一歩が印された。
それが、この3年間に根底から覆されつつある。
米官業の既得権益は、目的のためには手段を選ばぬ行動を示し続けてきた。
警察・検察・裁判所権力を不正に使用し、これとメディア・コントロールを融合させて、不正に主権者国民政権を破壊した。
政権交代を成し遂げた主力がいまの「生活の党」である。既得権益はこの勢力を標的に政治謀略を展開して、日本政治の構造を根底から覆してしまったのである。
これが現状だ。
主権者国民勢力が現状を是正するためには、まず、7月参院選で重要な第一歩を踏み出さねばならない。
そのためには、国民が「覚醒」すると同時に、主権者国民勢力が大同団結しなければならない。そのための戦術と具体的行動がいま強く求められている。
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