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★孫崎享氏の視点ー(2013/02/06)★ :本音言いまっせー!
1:事実関係
「政府は5日、東シナ海の公海上で先月30日午前10時ごろ、
中国海軍の艦船が海上自衛隊の護衛艦に射撃管制用レーダーを照射した
と発表した。政府筋は沖縄・尖閣諸島沖だったと明かした。
日本側は不測の軍事衝突を招きかねない「危険な行為」として
中国に厳重抗議し、再発防止を求めた。
昨年の尖閣国有化以来対立が続く両国の緊張が高まるのは避けられない。
防衛省で緊急記者会見した小野寺五典防衛相は、平時の位置探索などと
異なる射撃用レーダーの照射は「極めて特異な事例だ」と指摘。
「一歩間違うと大変に危険な状態に発展する」との抗議の意思を表明した。
中国側の意図は「分からない」とも述べた。
政府内には、尖閣問題をめぐって日本側を威嚇する狙いがあった
のではないかとの見方が出ている。」(6日共同通信)
2:評価
昨年の尖閣諸島の日本政府による国有化で、尖閣諸島をめぐる
中国姿勢は一変した。
中国は日本側行動を“座視しない”との立場を明確にし、
座視しない主体は中国軍も含まれる。
その中、“中国艦が射撃レーダー照射、尖閣沖、海自艦に先月”は
明らかに軍事行動をとることも辞さずの行動であり、事態は深刻な
段階に入ってきている。
前線の自衛隊、海上保安庁と中国側の動きによっては、巡視船、
海上自衛隊等を巻き込む事態に発展しかねない。
日本は、どうすべきかを冷静に考える時期に来ている。
3:米国の公式反応
2月5日Nuland国務省報道官 「我々は懸念している
(we are concerned about it)」とのみ発言している。
4:尖閣問題では、日本政府も含め、
近年右傾化の傾向を強めている
尖閣諸島の問題の基本認識は、私は1979年5月31日の
読売新聞社説のラインでいくべきと思っている。
読売新聞は1979年5月31日「尖閣問題を紛争のタネにするな」
の論評を掲載している。主要論点は次のとおりである。
・尖閣諸島の領有権問題は、1972年の時も、昨年夏の
日中平和友好条約の調印の際にも問題になったが、
いわゆる「触れないでおこう」方式で処理されてきた。
つまり、日中双方とも領土主権を主張し、現実に論争が“存在”すること
を認めながら、この問題を留保し、将来の解決に待つことで
日中政府間の了解がついた。
・それは共同声明や条約上の文書にはなっていないが、政府対政府の
れっきとした“約束こと”であることは間違いない。
約束した以上は、これを順守するのが筋道である。
・その意味では今回の魚釣島調査は誤解を招きかねないやり方だった。
三原沖縄開発庁長官は「自然条件や動植物の調査をやったまでで、
他意はない。これ以上の実行支配や地下資源調査は考えていない」
というが、ヘリポートを作り、調査団を派遣するのは、わざわざ
実効支配を誇示しようとするものと受けとられかねない。
・もし、どうしても学術調査が必要なら、事前に中国と話合い、
共同調査でもやる方法はなかったか。“小さな岩”で争うよりも、
こうした重大な事業で日中両国が協力する方向に、双方の雰囲気を
高めて行くことが大事だ。もしこれが成功すれば、とかくこじれがちな
領土問題に、“よき解決の先例を国際的にもつくることになる。
・魚釣島調査は、幸いにして無事に終わりそうに見える。
こんごとも、尖閣諸島問題に関しては慎重に対処し、
決して紛争のタネにしてはならない。]
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