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【大前研一のニュース時評】ダメ知事、ダメ市長が必ず言い出すカジノ導入
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130203/dms1302030709000-n1.htm
2013.02.03 ZAKZAK
日本維新の会共同代表の大阪市の橋下徹市長は1月26日、カジノを含む統合型リゾートを大阪に誘致するため、カジノを合法化する法案を通常国会に提出する考えを明らかにした。大阪府、大阪市とも、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)を候補にあげており、2013年度予算案にも誘致に向けた調査費を計上する。
カジノ誘致は橋下氏の持論。1月11日の安倍晋三首相との会談でも、法整備を要望していた。また、千葉県の森田健作知事も以前から成田空港周辺にカジノ施設建設の構想をぶち上げている。阪神・淡路大震災の後も復興の特効薬として話題になったし、東京都の石原慎太郎前知事も就任時にお台場カジノを提唱していた。
カジノを導入すると、5年間で1兆円の経済効果があるなどと試算されているが、みんなが期待するほど、世界のカジノは盛り上がっていない。
欧州やロシア、バルト3国などのカジノは、ほとんどがショボくれている。オーストラリアもそこらじゅうにあるが、ゴールドコーストとメルボルンがそこそこ客を集めている程度。経済効果1兆円なんて、まったくあり得ない。
中国・マカオのカジノが繁栄しているのは、売り上げの大半が中国富裕層のマネーロンダリング(資金洗浄)のカネだからだ。公務員や党幹部がデベロッパーなどに招待されて一晩に何億円も稼ぐ。つまり“偶然”勝つわけだから収賄には当たらない、という理屈だが、どういうわけか正確に“勝つ”仕掛けがVIPルームで展開されている。つまり、外国への資金流出の手段となっているのだ。これにより、マカオのカジノはあっという間に米ラスベガスを超えるような規模になった。
こうした中国富裕層も含め、カジノの収益の95%はいわゆる「VIPルーム」のバカラに頼っている。100億円超を不正に引き出してカジノで浪費した大王製紙創業家の御曹司みたいなヤカラはむしろまれで、大半が“マネロン”、という世界なのだ。
だから、カジノに100万人やってきても、ほとんどが20ドルのチップを5枚買って、それがなくなるまで遊ぶだけ。こういう人がいくら来たって、収益には何の貢献もない。中国やかつてのラスベガスをみてカジノの経済効果を吹聴する人は、そのVIPルームの仕掛けを理解していない。日本に設置したカジノで誰が毎晩、億単位の貢献をしてくれるのだろうか。少なくとも私には思いつかない。
カジノの成功には2つの条件があると思う。1つは、ラスベガスのリゾート運営会社「ラスベガス・サンズ」が手がけたシンガポールの「マリーナベイサンズ」のように巨大なものを作って、圧倒的な、かつ超高級ショッピング兼観光地にすること。
もう1つは、35年以上マカオのカジノに君臨して「ギャンブルの帝王」と呼ばれたスタンレー・ホーのような、清濁あわせ持つ天才的人物が出てくること。
どちらにしろ、カジノは世界的には斜陽産業だ。ラスベガスもカジノではなく、コンベンションシティ(国際会議観光都市)として栄えている。
ダメ知事、ダメ市長というのは、地道な経済浮揚の努力をしないで必ずカジノと言い出すものだが、日本の場合、警察や闇の勢力も含め、15兆円を超えるパチンコ利権のほうが圧倒的に強い。これが陽に陰に牽制してくるのでこの先、カジノの実現はかなり難しいと思う。
■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。
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