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<アメリカの日本殲滅計画>たとえ例外品目が認められてもTPPには死んでも参加しちゃいかん!
http://www.asyura2.com/13/senkyo143/msg/469.html
投稿者 会員番号4153番 日時 2013 年 2 月 03 日 16:44:58: 8rnauVNerwl2s
 

「甘利経済再生相は1日の記者会見で、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加について、「かたくなな前提条件が変わる可能性はゼロではないと思っている」と語り、米国などが関税撤廃の例外品目を認め、日本の交渉参加の環境が整うことに期待感を示した・・・」(読売)


ハードル下がって例外品目が認められるなら、TPPに参加ても大丈夫みたいな空気があるが、ちょっとくらい例外品目が認められても死んでも参加しちゃいかんと思う。

TPPとは日本社会をアメリカ流に都合よく変える構造改革だ。

農業や関税なんて生易しいものじゃない。

21分野、24部会の内容をざっと見渡しても、市場アクセス、政府調達、知的財産、競争政策、金融サービス、電気通信サービス、投資、労働、制度的事項、紛争解決・・・

まさにアメリカのための日本改造計画。

気に入らないことがあれば、訴訟を起こして押し通す。


例外品目の一つや二つで、日本そのものを売り渡しては話にならない。

交渉事はまず、飲めない条件を示して、譲歩したように見せるのが手。

そんなテクニックにまんまと騙されて、「もう大丈夫。さあTPPに参加しょう」みたいな短絡的な結論に達してはならない。

TPPは日本殲滅計画の一里塚。最終目的は、日本をアメリカの思い通りの国に作り変え、国民の虎の子の資産を全て奪う方便に過ぎない。


<参考リンク>

■TPPで日本殲滅を画策する米国 元公安調査庁第二部長 菅沼光弘(月刊日本)
 http://www.asyura2.com/11/senkyo108/msg/679.html

・・・
進む日本的経済システムの破壊

本誌
関税撤廃による日本の農業破壊は、アメリカの長期戦力の一面にすぎない。

菅沼
アメリカは、日本弱体化のために様々な手を打ってきた。前述のような技術力の弱体化だけでなく、国家や企業の組織力を破壊しようとしている。わが国の一君万民的な家族主義を破壊することがアメリカのもう一つの主要な目標となっている。グローバルスタンダードの名のもとに、日本的経営をやり玉に上げ、家族主義的な日本企業の伝統を解体しようとしてきた。かつて家族主義の見本と言われ、雇用を守ることを大原則としてきた松下電器産業は、いまパナソニックとなり平気でリストラをする会社になってしまった。

アメリカは、親分と子分、義理と人情というアメリカ人にはよく理解できない価値観で動く集団としての任侠団体の存在こそが、いわゆる「日本軍国主義」の温床になると考えていたのだ。そして、日本がアメリカの経済的脅威となった一九八〇年には「日米暴力団対策会議」が開かれ、日米金融戦争の障害となる任侠団体を排除するよう要請してきた。そして、一九九一年に「暴力団対策法」が制定されたのだ。

日本独特の社会構造を破壊することがアメリカの長期的な戦略だ。司法制度改革もその側面から見る必要がある。弁護士の増員によって日本を訴訟社会に変質させようという意図があるのではないか。また、裁判員制度は平穏無事に暮らす人々の精神生活を破壊する制度だ。
一方、一九八八年のG10(先進10力国蔵相・中央銀行総裁会議)で、BIS(国際決済銀行)規制が合意されたが、これは日本の銀行をターゲットにしたものだ。アメリカは、一九九〇年代に入ると、東京のアメリカ大使館や商工会議所に、CIAの経済分析官を入れ、日本の財政・金融の仕組みの調査を開始した。そして、まず大蔵省主導の産業振興のしくみを解体した。大蔵省の指導のもとで、国策投資銀行として、日本興業銀行などの長期信用銀行を設立し、これらの長期信用銀行から特定の産業に資金が融資されるという日本経済発展のしくみを壊すことが目的だった。

本誌
郵政民営化もアメリカの対日弱体化戦略の一環だった。

菅沼
もともと我が国の郵便局は、単なる貯金、保険業務をやる機関ではなく、日本社会の一体性を担保する、重要な機能を果たしてきた。ところが、アメリカからの要求に沿う形で、小泉・竹中の郵政民営化が強行された。もしTPPに参加すれば、それに抵抗しようとする国民新党などの郵政改革も、今後再びやり玉にあがるだろう。

二〇〇一年からは、「成長のための日米経済パートナーシップ」の一環として「年次改革要望書」がまとめられるようになった。その分野は、通信や情報技術、医療機器・医薬品、金融サービス、公共政策、流通など多岐にわたる。アメリカが年次改革要望書に記載したことが、二、三年経つと日本政府の政策になってしまうという状況が続いた。

商法・企業法の改正、郵政民営化、司法制度改革、医療改革、建築基準法改正、独占禁止法強化、労働者派遣法改正など、アメリカの要望が実現した例は山ほどある。それらはアメリカにとって有利な改革・改正になるが、決して日本の国益に見合うものではない。

アメリカの最終的な狙いは皇室破壊だ!

本誌
アメリカの要請でTPPにも引きずり出されつつある。日本はどう対応すべきか。

菅沼
とにかく参加のための交渉に入ってはいけない。二国間のFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の交渉を進めながら、交渉をできるだけ長引かせるべきだ。そして、日本の農業やその他の一次産業を守るために例外措置を設けるよう要求すべきだ。アメリカは日本のTPP賛成派を支援しようとするだろうが、断固抵抗しなければいけない。
・・・


■《インタビュー》中野剛志:TPPはトロイの木馬──関税自主権を失った日本は内側から滅びる
 http://www.asyura2.com/11/senkyo104/msg/945.html


総理所信表明演説の前までTPPなんて誰も聞いたことがありませんでした。それにも関わらず政府が11月のAPECの成果にしようと約1ヶ月間の拙速に進めたことは、戦略性の観点だけでなく、民主主義の観点からも異常でした。その異常性にすら気づかず、朝日新聞から産経新聞、右から左まで一色に染まっていたことは非常に危険な状態です。

TPPの議論はメチャクチャです。経団連会長は「TPPに参加しないと世界の孤児になる」と言っていますが、そもそも日本は本当に鎖国しているのでしょうか。

日本はWTO加盟国でAPECもあり、11の国や地域とFTAを結び、平均関税率は米国や欧州、もちろん韓国よりも低い部類に入ります。これでどうして世界の孤児になるのでしょうか。ではTPPに入る気がない韓国は世界の孤児なのでしょうか。

「保護されている」と言われる農産品はというと、農産品の関税率は鹿野道彦農水相の国会答弁によればEUよりも低いと言われています。計算方法は様々なので一概には言えませんが、突出して高いわけではありません。それどころか日本の食糧自給率の低さ、とりわけ穀物自給率がみじめなほど低いのは日本の農業市場がいかに開放されているかを示すものです。何をもって保護と言っているかわかりません。そんなことを言っていると、本当に「世界の孤児」扱いされます。

「TPPに入ってアジアの成長を取り込む」と言いますが、そこにアジアはほとんどありません。環太平洋というのはただの名前に過ぎません。仮に日本をTPP交渉参加国に入れてGDPのシェアを見てみると、米国が7割、日本が2割強、豪州が5%で残りの7カ国が5%です。これは実質、日米の自由貿易協定(FTA)です。
・・・

■首相訪米時、TPP参加表明せず 自民・高市氏見通し
 http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013020301001390.html

 自民党の高市早苗政調会長は3日、安倍晋三首相が21、22両日を軸に調整している日米首脳会談で、環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加を表明しないとの見通しを示した。「表明しないし、表明するタイミングではない。TPPが与える影響の政府試算も国会に示されておらず判断できない」と述べた。都内で記者団の質問に答えた。

 交渉参加問題への対応を議論するため6日に初会合を開く自民党外交・経済連携調査会に関し「参加の判断はあくまでも政府だ。党が反対したからといってどうなるものでもない」と強調。


■TPP聖域なき関税撤廃、変わる可能性…甘利氏
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130201-OYT1T01485.htm?from=ylist

 甘利経済再生相は1日の記者会見で、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加について、「かたくなな前提条件が変わる可能性はゼロではないと思っている」と語り、米国などが関税撤廃の例外品目を認め、日本の交渉参加の環境が整うことに期待感を示した。


■【主張】 TPPと自民党 交渉参加を前提に議論を(産経)
 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130202/plc13020203070004-n1.htm


■TPP条件 米が変更の可能性も〜再生相
日テレNEWS24-2013/01/31共有
 http://news24.jp/articles/2013/02/01/06222363.html

TPP(=環太平洋経済連携協定)について、甘利経済再生相は1日、「例外なき関税撤廃」を前提とする交渉参加の条件 ... かたくなな前提条件が変わる可能性がゼロではないと思う」と述べ、アメリカが、全ての品目の関税撤廃をTPP交渉参加 ...


■ジャーナリスト・東谷暁 ちょっと待てTPP(産経)
 http://www.asyura2.com/10/hihyo11/msg/463.html


・・・
 いま、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加が推進されようとしている。支持者はこの協定によって日本の輸出が伸びると主張し、いま機会を失えば永遠に世界に後れをとるという。しかし、菅直人政権はあまりにも性急に事を進めようとしており、不自然な感がするのは否めない。いや、もっといえばどこか胡散(うさん)臭さが付きまとっているのだ。

 これまでも経済新聞を中心に、日本は自由貿易協定(FTA)の締結が遅れていると喧伝(けんでん)されてきた。しかし、自由貿易推進について日本は、先進国とは世界貿易機関(WTO)の枠組みで、途上国とは知的財産権などを加えたFTAである経済連携協定(EPA)で交渉するといった、それなりの戦略性のある姿勢で臨んできたといえる。

 FTAが促進されてきたのはWTOでの合意が難しいからだが、WTOが多国間主義であるのに対し、2国間あるいは地域に限定されるFTAは大国や経済的に特化した国に有利となる。小国や複雑な経済を持つ国は慎重になるのが当然なのだ。それがいま突然のTPP参加である。

 もともと平成17年に誕生したTPPはブルネイ、チリ、ニュージーランド、シンガポールなど、経済規模が比較的小さい国の地域協定だった。ところが、20年に米国が突如、参加に熱心になった。米国が金融危機に陥ったからで、翌年、米国通商代表部から議会に提出された文書でも、自国の「輸出増加、雇用増大」が目的だと直截(ちょくせつ)に述べている。

 日本ではTPPで輸出を増やすなどと論じられているが、通貨戦争の最中、米国主導のTPPという他人の土俵に入って、なぜ日本の輸出が増加するのか、説得力のある議論を聞いたことがない。尖閣問題や北方領土問題で焦った菅政権が「農業を売って安全保障を買い戻そうとしている」といわれる所以(ゆえん)だが、それではあまりに筋が違いすぎるだろう。

 しかも、TPPの対象となるのは農業だけではない。米国はWTOにおいてもサービスの貿易にかんする一般協定(GATS)に力を入れて、金融、医療、法律といった分野のサービスの輸出を熱心に追求してきた。それは、米国が締結したFTAや地域協定を見てもあきらかだ。

 4カ国で始めたTPP合意書では第12章でサービスから金融と航空を除外しているが、方向性をうたう第1章では金融を含むすべての領域の自由化を主張し、合意分野の拡大を奨励している。いまの参加国内にも反TPPの動きがあるが、これはTPP推進の背後に米金融界の圧力が見え隠れするからに他ならない。

 そもそも、農業についても、日本は食料自給率が4割程度の世界に名だたる農産物の輸入大国なのだ。コメやコンニャクの関税率が高いことは否定しないが、農産物輸出国に対しては、十分貢献をしている。

 拙速にTPPに参加すれば、農産物だけでなく、近い将来、金融、医療、法律などのサービスも意に反して輸入増加せざるをえなくなる。米韓FTAを見れば分かるように、簡易保険のさらなる市場開放も強いられる。これまでは「要望」だったものが法的拘束力のある「協定」となるのだ。菅政権はこの12日に米国との協議に入るというが、私たちはいま「ちょっと待てTPP」と叫ぶべきだろう。(ひがしたに さとし)


 

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コメント
 
01. 2013年2月03日 19:14:49 : qon4Nnuetw

 愛です TPPって 参加が決まってるのでしょう!!
 
 もう反対意見なんか いい加減 終わりにしてほしい

 それよりも TPPによる 「新しい日本」

 日本の「悪しき規制」「圧力団体だらけの審議会」と おさらばだ

 ===

 は〜〜やく こいこい TPP!!
 


02. 2013年2月03日 19:43:53 : 5RE7EKsr1Q
愛って女装癖のある男だろ。

03. 2013年2月03日 19:57:35 : cWIBtbognM
TPP参加したら日本乗っ取られる
絶対に反対だ

04. 2013年2月03日 20:22:00 : qon4Nnuetw

 愛です

 日本の 米は 2兆円  自動車産業は 40兆円以上
 米を 全量輸入しても 5000億円  車は 輸出だけで 12兆円だ〜〜
 

 農業従事者の半分は 老人で 後10年すれば 米を作る人が 半分になる
 今の 農業政策では 日本の食の安全は 壊滅してしまう

 速く TPPを入れて 大規模農家を育てなければ 日本にあすはない!!
 
 ===

 正直 いって 米なんて GDPの1%以下の問題だよね〜〜〜
 TPPに反対の人たちだって 農業が 1%以下だと言うことは 知ってるんでしょ
 知ってて 農業 農業 って 農協のおじさんみたいに TPP反対〜〜い 
 って言ってるんだよね!!  ね そうだよね!!
 


05. 2013年2月03日 21:39:55 : OH5QYqiedc
愛さん、正気ですよね?
「農業が1%以下だと言うことは 知ってるんでしょ 知ってて農業 農業 って 農協のおじさんみたいに「TPP反対〜〜い」って言ってるんだよね!!ね そうだよね!!」

愛さんには地上を『関税なしの自由にし、敵国に渡す愛』があるのね?だからあなたも奴隷になり、日本中が『食べられるだけが幸せ』な国民であふれるのを待つ。
どこかで、一握りの小泉・竹中流が笑いながら『派遣若者がコンビニ弁当にBSE・生後3年の牛肉が入っているのを美味しそうに食べる』のを見て、さらに画策。主婦の買う『水炊きの豆腐は米国産・遺伝子組み換え大豆』、畜産用をすべて米国産にする。
日本人が脳を傷つけ、国家衰退し『優秀な製品を生み出す』能力を失う。日本人が積み上げた世界一の資産はアルジェリアの石油と同じだと考えれば、狙われるのも同じ。愛さんは『モンサントの毒入り食品だけ食べても、生きられる』体質ね?おめでとう。


06. 2013年2月03日 21:57:51 : Y28uZ2IjEw
>04
読売新聞の読みのようですね。TPPとはなにか投稿者の方がある程度はお書きになっていますがそれさえも全く読まれていないようですね。TPPには絶対参加してはなりません。基本的には関税自主権と治外法権を放棄する協約です。そこから派生する事はアメリカのルールが日本の憲法や法律条例の上位になると言う事を意味します。しかも、民民の争いごとを事実上裁判でも決着する事は出来ず国が責任を取らされることになります。現在でもアメリカで仕事をしている日本の企業がイチャモンの様な理由で膨大な和解金を払っていますがそれには比較にならない膨大な賠償額が予想されます。なにしろベニスの商人ですから情け容赦などはありません。もちろん国が矢面に立たされるだけでなく個人もとんでもないことが起こります。簡単に言えば国はアメリカと日本ですが、日本がアメリカになるのです。それなら日本を捨ててアメリカの51州になる方がよっぽどましでしょう。今のアメリカを見ていると私は日本がアメリカになる事は絶対反対です。現在のアメリカについてはいろいろ本が出ていますのでお読みになったらということで具体の説明は省かせていただきます。蛇足ですがアメリカも困っているのか小泉竹中に散々略奪をさせて今でも日本の生き血をチュウチュウ吸っているのにそれにもあきたらず根こそぎ持って行こうとはあくど過ぎますね。またそれに手を貸す裏切り者が沢山いるのも困ったものです。

07. 2013年2月03日 23:00:03 : Y28uZ2IjEw
>06
訂正
読売新聞の→読売新聞をお

08. 2013年2月04日 03:04:49 : mb0UXcp1ss
【第15回】 2013年2月4日 大野和基
【テーマ6】世界政治の行方(3)
日本の繁栄こそが中国へのベスト・リベンジ
TPPに参加しアジア諸国との関係強化を
――ユーラシア・グループ代表、コロンビア大学教授
イアン・ブレマー氏に聞く
年頭にその年の世界10大リスクを占う“Top Risks”が、今年も米国の民間シンクタンク、ユーラシア・グループから発表された。その中では10大リスクの5番目として日本・イスラエル・英国の「JIBs」3ヵ国が迎える危機、7番目にアジアの地政学的問題が言及されている。同グループの代表を務める政治学者イアン・ブレマー氏に、“Top Risks 2013”から、日本に関係するリスクについて詳しく聞いた。(聞き手/ジャーナリスト 大野和基)

安倍政権の大きな課題は
外交の方向性


Ian Bremmer
地政学的リスク分析を専門とするアメリカのコンサルティング会社、ユーラシア・グループの社長で、ワールド・ポリシー研究所の上級研究員。スタンフォード大学で博士号取得後、世界的なシンクタンクであるフーバー研究所の研究員に最年少25歳で就任。その後、コロンビア大学、東西研究所、ローレンス・リバモア国立研究所などを経て、現在に至る。グローバルな政治リスク分析には定評があり、ロシアのキリエンコ元首相やアメリカの民主・共和両党の大統領候補者らに助言を行ってきた。1969年生まれ。Photo by Marc Bryan-Brown
――日経平均株価が上昇し、さらにドル高になり、新しい安倍政権は出だし好調のように見えます。安倍氏が提唱する、いわゆるアベノミクスという経済対策をどう見ますか。

 市場はアベノミクスを確かに好んでいるように見えますね。市場は変化を求めています。安倍氏の言う景気刺激策が実行されると考えているのでしょう。原発に対する考えは、彼が原子力産業に近いことと同様、これも市場は肯定的に捉えるでしょう。以上は驚くに値しません。

 安倍氏にとって大きな問題は、国際的な面での方向性です。私はその方向性を三つに分けて考えています。

 まず最初は、安倍氏が中国について、どれくらい過度に自己主張するかです。2つ目はTPPについて、どの程度前進するかです。日本国内の視点から見れば、前進させるのが非常に難しい問題です。3つ目は日本は一体どこに向かうのか、という根本的な問題です。TPPや中国問題で、アメリカと友好的な関係になるのかどうか、アジアの他の国とよりよい関係を築くことができるのかどうか。

 安倍氏が就任してすぐに韓国へ特使を送ったことには、個人的には非常に希望を持ちました。韓国との関係を改善していく点で、非常に重要なステップだと思います。日韓関係を改善することは非常に重要です。

 しかし、一方で問題なのは、未解決の日中関係がどれくらい悪化するかです。日中関係は今、世界でたったひとつの、もっとも重要な潜在的対立です。中国はplay hardball(強気な態度を取る)を進んでやります。危険なのは、日本政府が中国のこの態度に対して、口実を与えてしまうことです。つまり、日本側が尖閣諸島について挑発的なことを言うとか、軍事的な行動を取ることです。

 もし、私が安倍氏にアドバイスするとすれば「成功こそがベスト・リベンジである」と言うでしょうね。中国を軍事的に挑発するのはよくない。経済を立て直し、インドネシア、韓国、オーストラリア、インド、アメリカなどといい関係を築かなければなりません。

 もしTPP交渉に参加したいのなら、過度にナショナリズムと受け取られるような行動をしてはいけません。安倍氏にとって非常に難しいことですが、日中関係が急速に悪化すれば、最終的にはどの国よりも、日本に損害を与えてしまうことになる危険性があると思います。

日中関係はさらに悪化
日本は「ありとあらゆること」を

――尖閣諸島の問題は棚上げにするのがいいと言う人もいます。

 小泉政権の時に、私の大切な友人で、当時外相であった川口順子氏と会合を持ちました。彼女は初めてプーチン氏に会ったとき、G8諸国の相互関係の中で、日ロ関係がずば抜けて悪い関係であると言ったそうです。そして彼女は、そうあるべきではない、と続けました。

 プーチン氏はそれに対して、同感だと反応しました。彼は北方領土問題が、日ロ二国間全体の関係を台無しにすることを望んでいませんでした。小泉首相と川口外相は北方領土問題を、解決しないで棚上げにするという点で先見の明があったと思います。その結果北方領土問題は、日ロ関係の継続的な緊張の焦点にはなりませんでした。

 さて今日、G8のすべての国を見て、どの二国間の関係が最悪かと聞かれれば、それは日ロ関係ではなく、日中関係です。ですから、小泉首相と川口外相がしたことを思い出して、安倍氏にも領土問題を棚上げにすることを期待しましょう。日本人とロシア人はお互いに嫌う理由がありませんが、日中関係はお互いに嫌う理由があるので、より厳しいと言えます。

 現在の中国政府は、プーチンが当時感じていたプレッシャーよりも、さらに強いプレッシャーを感じています。中国政府は日本を道具として、国内のナショナリズムをもっと利用したいと思っているでしょう。日中関係の重要性は、小泉政権下の日ロ関係よりも、はるかに劇的なものにシフトしました。多くの理由で、日中関係は難しくなります。

――つまり日中関係は今の悪い状態と変わらないということでしょうか。

 もっと悪化すると思いますね。本当にそう思います。悪化しないように、日本はありとあらゆることをしなければなりません。今、目の前で日中関係を爆発させることは日本の国益になりません。

身動きの取りづらい日本
アジア諸国との関係強化を

――日本と他の東アジア諸国との関係はどう思いますか。中期的な観点から見て、日本はどうすべきだと考えますか。

 以前のインタビューでpivot state(ピボット国家※)という言葉について説明したと思います。片足を軸にして旋回し、複数の国と関係を持ち、その時々によって付き合う相手を変え、それによってリスクを分散できる国のことです。

 主導国不在の「Gゼロ」の世界では、ピボット国家であることは非常に重要です。ところが日本の問題は、中国とアメリカの間でピボットできないことです。多くの国はそれができるのです。オーストラリアもインドネシアもインドもできますが、日本には選択肢がありません。アメリカと中国の間で、バランスを取ることができないのです。日本はアメリカの同盟国ですから、中国とは安全保障の問題があります。

※ピボット国家…一つのセットの価値観やスタンダードから、別のものへと旋回(pivot)する能力、フレキシビリティ、適応能力を備えており、大きな隣接国の影響で経済的、政治的、戦略的に縛られない国家。

 日本はアジア地域で、もっと限定された方法で他の国とピボットできるかどうかを検討し、国家間の関係を必死になって強化しなければなりません。アフリカを見ると、サハラ以南に100万人近くの中国人が住んでいますが、日本人は7000人ほどです。アフリカ全体の人口は10億人以上で、ますます増加しています。こうなると、日本人はほとんど住んでいないのも同然です。インドでもインドネシアでも同様で、日本はもっと存在感を示す必要があります。

 日本企業がミャンマーに積極的に進出していると知って非常に元気づけられました。ミャンマーは民主化が始まっていますから。インドネシアにも日本企業が進出し始めたと思いますが、まだまだですね。

――地政学的に見ると、今年日本はもっとも困難な状況に直面するのでしょうか。

 それは間違いありません。明らかです。今年の初めに我々ユーラシア・グループが発表したトップリスクの中に、Gゼロ世界の故にピンチになる3つの国を挙げました。日本、イスラエル、そしてイギリスです。アメリカ主導の世界から、Gゼロ世界に地政学的なシフトが生じたからです。皮肉にも3ヵ国ともアメリカの同盟国です。

 今世界では3つのことが起きています。中国の台頭、中東の爆発、そしてヨーロッパのmuddling through(何とか切り抜けようとしていること)です。

 率直に言うと、中国の台頭は例えば台湾にとって経済的に非常にいい。でも同地域の他の国にとっては複雑です。日本にとってはよくないと断言できます。日本政府にとって大きな問題になります。

安倍首相に能力はあるが
行き着く先は未知数

――安倍首相の話に戻りますが、あなたは経済政策や外交政策の点で、安倍氏に期待をかけていますか?

 私は政治学者なので、これから何が起こるかを理解しようとするのが仕事で、期待をかけることはしません。もし期待をかけたら、クライアントは怒るでしょう。

 安倍氏には以前何度もお会いしましたが、彼はアメリカに対して非常に強い感情を持っていると思います。民主主義や法の原則、アメリカとの共通の価値観に対しても非常に強い思いがあります。私は安倍氏は根は思慮深い、常識のある人だと思いますし、ビジネス界や公職のエリートには安倍氏のような人がたくさんいることも知っています。安倍氏は明らかに、正しいことをする能力があります。

 しかし、多くの先進国でそうであるように、政治は重要な役割を果たします。アメリカを見ると、立派なことをする能力があるリーダーは多いですが、いったん議会や特別利益団体やロビー活動に直面すると、失望することがあります。日本にも、アメリカと同じことが起こりうる危険性があります。ですから、安倍氏が最終的にどこに行き着くかは未知数です。

 私は最近フィナンシャル・タイムズに記事を書きましたが、その時、2008年の出来事を思い出していました。当時、プーチン氏がブッシュ氏と会合を持ちました。そしてロシアはグルジアに対して戦争を始めたのです。しかしグルジア人とサーカシビリ大統領は非常に親米的だったので、ロシアに対して過度に挑発的な態度に出て、あらゆる機会を利用してロシアを批判したのです。一方、ロシア人は戦争を正当化する口実を探していました。つまり、ロシア人がグルジアに侵攻することが許されるように、プーチンに行動してほしかったのです。

 私は中国が日本に侵攻してくると言っているのではありませんが、中国には安倍氏が餌に食いつくと喜ぶ強硬派がたくさんいますから、懸念はあります。昨年末の日本の選挙期間中、中国は尖閣諸島の領有権について非常に強気でしたね。選挙の真っ最中に、問題になっている地域に飛行機を送り込んでいました。これは冷静に行動しようと考えている政府のやり方ではありません。安倍氏が勝とうと負けようと、どうでもいいと思っている政府の行動です。

 もし私が日本政府の立場なら、私はその行動を、中国には少なくとも、非常に激しく日本にぶつかろうとしていて、口実を与えたら喜ぶ人がいる、というシグナルであると解釈します。私がここで言いたいのは、もしあなたが安倍さんだとしたら、その餌に食いつかないように、ということです。ですから、私は成功こそがベスト・リベンジであると言ったのです。もし本当に中国に仕返しをしたければ、TPPに参加すべきです。

 そして、同地域のすべての国との関係を向上させなさい。同地域で中国の台頭を懸念しているのは日本だけではありません。オーストラリアもインドネシアも、シンガポールも懸念しています。タイのような国も中国の台頭を懸念しています。だから、タイはTPPへの参加を表明したのです。この件については、日本はもっと建設的なアプローチをしなければなりません。非常に強くそう思います。

今年、言論の自由が
問題化する可能性も

――中国といえば、先日は南部で言論の自由を求める動きがありました。人権とか、言論の自由に関しては、中国の新政権でどうなると思いますか。

 この新しい政権は、メディアに表現の自由を与えることにまったく関心がないと思います。私はかつて博士号を取得しようとしている時、ソ連研究をしました。ソ連人をもっとも不快にしていることは何かについて研究したところ、それは軍拡競争でもなく、経済的な闘いでもなく、プロパガンダ戦争であることがわかったのです。

 最終的にはアメリカが勝ちましたが、ソ連はプロパガンダ戦争で終焉を迎えたのです。ソ連政府にとって、国民が耳にすること、しないことをコントロールすることは非常に重要でした。Politburo(旧ソ連の政治局)へのハイレベルの批判を許さないことが重要だったのです。

 中国政府は経済を自由化するために、積極的に多くのことをしてきました。中国は自由市場ではなく、国家資本主義経済ですが、中央が計画した経済ではありません。中国の経済は30年前と比べると、劇的に変わったことは認められると思います。

 中国政府が情報についてどのように対処するかについてですが、ソ連に非常に似ていると思います。中国政府を批判することはできないし、中国のリーダーたちを批判することもできません。もし批判すれば、その報いを受けることになります。それは大問題です。

 というのも、昼間の仕事でコンピューターを使う中流層が何億人もいるのに、中国政府が情報統制を敷くのは非常に難しいからです。口にできるのは政府と同じ考えだけです。歴史的に見ると、政府の対応は、great firewall of China(情報の障壁、Great Wall of Chinaは万里の長城)を作り、情報にアクセスできないようにすることでした。

 その戦争に中国政府は負けたのです。中国版ツイッターであるウェイボーに4億人の中国人が参加しています。また、つい最近中国政府は、2015年までに8億人がネットを利用しているだろうと言いました。こうした人々の言論をコントロールすることはできません。

 そこで中国政府は、この状況に2つの方法で対応しました。ひとつはネットを使う人を信じられないほど注意深くさせたことです。政治改革や経済改革などにかかわろうという気持ちを削ぐようにしたのです。中国政府は、その方向性や反応のしかたにおいての姿勢は統一感があります。ただ、反応速度にいまひとつスピード感がないのは問題ですが。

 2つ目は、ネットユーザーを用心深くさせることでさらに中国政府は、政府の存在感をネットでも利用できることになります。あなたが中国人だとして、何かに怒りを覚えていたとしても、それは中国共産党に対して直接向けられることはないでしょう。

 中国には問題がたくさんあり過ぎますが、そのほとんどは2013年には問題になりません。でも、情報に関する問題は今年浮上してくるでしょう。


09. 2013年2月04日 12:44:28 : Y28uZ2IjEw
>08
アメリカの言い分を張りつけてもらわなくて結構です。

10. 2013年2月04日 13:55:03 : rrhrFN6JLd
TPPは内政干渉。不平等条約。

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