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2013/02/03付 西日本新聞社説
安倍晋三首相が2日、沖縄県を訪れ、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)などを視察するとともに、仲井真弘多(なかいまひろかず)知事と会談した。
首相の沖縄訪問は、昨年12月の政権交代で第2次安倍内閣が発足して初めてである。普天間飛行場の移設や、米軍新型輸送機オスプレイの配備をめぐり、こじれきった政府と沖縄との関係を改善させ、基地問題解決の糸口をつかめるかが注目された。
首相は仲井真知事との会談で、普天間飛行場について「固定化はあってはならない。米国との合意の中で進めていきたい」と述べ、日米合意に基づく名護市辺野古への県内移設に理解を求めた。
これに対し、仲井真知事は「(普天間飛行場は)なるべく県外に出してほしいという強い願いがある」と述べ、「県外」のハードルを下げなかった。
安倍首相は、今月下旬にも訪米して日米首脳会談を行う予定である。首脳会談で首相は、普天間飛行場の早期移設に努力する姿勢を米側に伝えたいところだ。今回の沖縄訪問は、そのための環境整備でもあった。
政府が今、局面打開の有力な材料にしようとしているのが、沖縄振興策である。2013年度予算案では、前年度を上回る沖縄振興費約3千億円を確保した。地元の要望を受けて那覇空港第2滑走路整備の工期短縮にも応じた。
かつての自民党長期政権が得意としていたやり方ではないか。地元で反対の根強い施設を押し付ける一方で、手厚い地域振興予算を計上して懐柔を図る。原発立地などでも見られた方法である。時計の針が逆に戻ったような感がある。
しかし、こうした「アメとムチ」ともいえる手法が、現在の沖縄に果たして通用するだろうか。
確たる成算もなく「国外、最低でも県外」を唱えた民主党政権は、沖縄の期待感をいたずらに高め、そして裏切った。沖縄の政府への不信感は膨れ上がった。しかし、この騒動に翻弄(ほんろう)されながらも、沖縄の意思は一つに集約されていった。
先週の日曜日には、沖縄県内全41市町村の代表が上京して、日比谷公会堂で大規模な集会を開いた。保守、革新の立場を超えて、市町村長たちが声をそろえ「普天間飛行場の県内移設断念、オスプレイ配備撤回」を訴えた。
根底にあるのは「沖縄への基地集中は、本土による沖縄への構造的差別」という認識だ。集会で壇上に立った翁長雄志那覇市長は「沖縄県民は目覚めた。もう元には戻らない」と語った。
首相は知事との会談後、普天間飛行場の辺野古沖移設の前提となる公有水面埋め立てについて、訪米前の申請をしない考えを示した。長期戦を覚悟で、沖縄との信頼関係構築を優先する戦略だろう。
その慎重な構えは悪くない。振興策での懐柔などではなく、まずは沖縄の切実な思いとじっくり向き合うことだ。
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