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2013年02月02日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆どうすれば、立派な「指導者」「リーダー」を養成できるか、「リーダの条件」は何かというテーマの書籍やセミナーなどが、各界で注目を浴びている。その最中に、リーダーに相応しくない実例やリーダーが、顰蹙を買う最悪事例が、相ついでマスメディアを騒がせている。
女子柔道のトップ選手15人から暴力とパワハラで告発されていた園田隆二代表監督(39)が1月31日午後に「監督辞任」を表明し、進退伺いを柔道連盟に提出して、受理されたという。この事件が発覚したのは、ロンドン・オリンピック直後の2012年9月だったということから言えば、もう5か月近くにもなり、柔道界の対処の仕方は、いかにも遅すぎる。
これは、柔道界に限らず、スポーツの世界に、「日本国憲法」が定めている「基本的人権」感覚が、極めて劣っていることを示している。体力を使うスポーツに専念するのは良いとしても、「首から下」だけで極めて動物的に動いていればよいというものではない。
座学にももっと身を入れて、「学問の研鑽」と「人格の陶冶」にいそしみ、もっと「人権感覚」を磨くべきである。女性の顔や頭を殴り、体を蹴飛ばし、竹刀で体罰を加えるなどは、立派な「指導者」「リーダー」が行うことではない。最低である。こんなことでは、お互いの間に「信頼関係」が、築かれるはずはない。
この事件で、もっと深刻だったのは、全日本柔道連盟やJOCの首脳陣が、事の重大性に気づかず、事なかれ主義を貫こうとしたことである。「とろい」の一言に尽きる。
何しろ、柔道は、何事につけて「道」が好きな日本人が誇るべき「国技」であるから、世界に与えたマイナス・イメージは、大打撃である。日本の柔道家が、「仁義なき戦い」の暴力団、あるいはギャングと同列に見られるのは、物凄い痛手である。
にもかかわらず、2月9日からフランスで行われる「柔道グランドスラム・パリ」の遠征に参加しようとしている感覚は、信じられない。参加を中止すべきである。
何だか、「犯罪空間」である大阪市立桜宮高校の「体罰自殺事件」の直後、校長が自殺した生徒の自宅に赴き、保護者である父親に「新人戦に出でもいいか」と聞いたと言われる光景に重なって見える。神経が疑われるからである。
◆柔道家の犯罪と言えば、柔道のオリンピック金メダリストである内柴正人被告が、懲役5年の実刑判決を受けたのは、やはり柔道界の「人権意識の劣悪さ」「モラルの低さ」を証明しているようで、実に情けない限りである。
朝日新聞デジタルが2月1日午後1時4分、「内柴被告、実刑判決に両手で顔覆う 控訴を明言」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「『被告人を懲役5年に処する』」。裁判長が主文を読み上げる間、内柴正人被告は軽く拳を握り、緊張した様子でじっと前を見つめていた。この日は白いシャツに黒のセーター姿。主文の言い渡し後に着席を促され、証言台前のいすに座ると、両手で顔をおおった。判決理由の読み上げ後、裁判長から『不服なら控訴できる』と伝えられ、内柴被告は『(控訴)させていただきます』と答えた。逮捕から1年余り。弁護人によると、勾留中の内柴被告は判決が近づくにつれて、『どんな結果になるか心配』と話していたという。判決後、接見した弁護人には、ショックを受けた様子を見せながらも、『まだ頑張る気持ちがある。僕は無実です』と語ったという」
この内柴正人被告は、柔道を教える立場と教えられる立場が、これもまた「特別権力関係」にあることを忘れていた。権力をかざして、女性に暴行するということ自体、「犯罪的」である。しかも、裁判所では、裁判官の心証を悪くすると、刑が重くなるということを教えてもらっていなかったようだ。裁判官は、刑事訴訟法上、「自由心証主義」に則り、有罪無罪の心証を形成しているので、まさに心証を悪くしたら、お終いである。
◆以上のように最悪の事例とは、対極にあるのが、常盤木学園高等学校(宮城県仙台市青葉区小田原四丁目にある私立高等学校)で女子サッカーチームを率いている、阿部由晴監督である。
1995年の創部以来、監督を務めている。2002年に高校女子選手権で優勝し、同校の知名度を一気に高めた。全日本女子ユース選手権を3度、全日本高校女子選手権を4度制。なでしこジャパンには鮫島彩、熊谷紗希、田中明日菜といった元メンバーを送り込んでいる。
いま、日本各地から集まった40人の部員が寮生活を送りながら、阿部由晴監督の指導を受けている。
このチームでは、下級生と上級生との間に上下関係はない。お互いにファースト・ネームで呼び合う。言いたいことも言い合える。
阿部由晴監督は、メンバーを叱らない。その代わりに、徹底的に考えさせる。一方的に叩き込むだけでは、進歩しないと考えているからだ。叩き込むことばかりしてきたチームから、一人もJリーグの選手になった者がいないことに気づいて、その原因を考えた末の結論だった。それは、叩き込むだけでは、言われるのを待って行動する「指示待ち人間」しか育たないということだった。だから、チームの1人1人に「考えさせる練習」を行っているのだ。
民放テレビに映されていた阿部由晴監督が、こう言っていたのが、印象的で感動的だった。
「監督が指導するという、この指導という漢字が間違っている。指導するのではなく、自分自身が、教え導かれているのです」
この言葉のなかに、真の指導者、リーダーの条件が、示されている。
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