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2013年02月01日 天木直人のブログ
「何故、原発のためにここまでやらなければならないのかと思う」
これは原子力規制委員会の専門家チームのなかから発せられた率直な疑問の声であるという(2月1日東京新聞)。
安全性確保のために巨大な経費がかかるのにそれでも原発を再稼動しようとする電力会社に対して向けられた言葉である。
そしてその言葉の裏には、安全基準を緩和しようとしたり、活断層の存在を否定したりする原発推進の圧力に対する批判の意味合いも込められているに違いない。
その答えは簡単だ。きょう2月1日の各紙が一斉に書いている。
すなわち原発のない沖縄電力を除いてすべての電力会社が原発停止のために赤字に転落しているからだ。
その赤字額は電力9社で1兆円を超えるという。
要するに安易に原発に頼ってあぐらをかいてきた電力会社は企業として成り立たなくなってしまっているのだ。
原発の建設・維持の巨大なコストを政府に頼り、そしてなによりも消費者の電力料金に転嫁させる。
その一方で一端原発が完成し、稼動すれば、ただ同然で発電が続けられる。
こんなムシのいい経済活動はそもそも経済活動ではないのだ、
そのような歪んだこの国の電力会社は健全な私企業ではないのだ。
こんな原力会社などこの機会にすべて潰して、より健全な電力会社が生まれてきたほうがいい。
しかし、それができない。
なぜならばこの国の政官財が電力会社と癒着して甘い汁を吸ってきたからだ。
電力会社の大株主であるこの国の企業は、電力会社が潰れれば連鎖倒産するからだ。
少なくとも原発は当面はなくせない。
だからといって長期的観点に立った原発ゼロ政策も一向に進む気配はない。
そして1兆円に上る追加コストが消費者である国民に押し付けられるのだ。
国民が原発に反対しないほうがおかしいのである・・・
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