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難しくはないインフレ誘導政策が持つ重大な欠陥 (植草一秀の『知られざる真実』) 
http://www.asyura2.com/13/senkyo143/msg/325.html
投稿者 笑坊 日時 2013 年 1 月 30 日 17:35:23: EaaOcpw/cGfrA
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-806c.html
2013年1月30日 植草一秀の『知られざる真実』

昨年11月14日の党首討論で民主党の野田佳彦氏が衆院解散の意向を表明した。この発言を契機に金融市場の動きが大きく変化した。

為替市場で日本円が下落し、株式市場で株価が上昇した。

実はこの変化を私は『金利・為替・株価特報2012年10月29日号』ですでに予測していた。

http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html


政治状況の変化が日銀の金融政策への大きな影響を与える。

この変化を受けて日本円が下落し、株価が上昇に転じる。

この見通しを10月29日号のレポートに記述した。

11月14日以降に観察されている市場変動は、この予測が示した通りのものである。

日銀の金融緩和政策は、いわゆる「伝統的金融政策手段」の範囲内で考えれば限界に到達している。

したがって、「伝統的金融政策手段」を活用しての金融政策によっては、追加的な効果を引き出すことは難しい。

しかし、「非伝統的な金融政策手段」を用いるなら、インフレ誘導や円安誘導は可能である。

安倍政権の誕生予想は、日本の金融政策運営が禁断の領域に突入することを予想させるものであった。


もうひとつ重要なことは、日本の株価が理論的に妥当と考えられる水準よりも低い価格に位置していたことである。

日本の株価はいわゆる「下げ過ぎ」の状況にある。

「下げ過ぎ」の状況にあっても、短期的な株価変動の方向が「下落」の状況にあると、株価の「下げ過ぎ」は簡単には是正されない。

これは、バブルの時代に、日本の株価が「上げ過ぎ」の状況にあったにもかかわらず、短期的な株価変動の方向が「上昇」の状況にあったために、株価の「上げ過ぎ」が簡単には是正されなかったことと共通する。

しかし、何らかの要因で短期的な株価変動の方向が「上昇」に転じるなら、この「下げ過ぎ」の株価は修正されることになる可能性が高い。

現在の株価上昇はこの意味での、「下げ過ぎ」株価の修正局面であると考えることができる。

株価がどの水準まで上昇する可能性があるかについては、『金利・為替・株価特報』1月25日号に記述したのでご高覧賜りたい。

http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html

『非伝統的金融政策手段』を用いれば、インフレ誘導は可能であると書いた。

どういうことか。

すでに1月23日付メルマガ第472号 http://foomii.com/00050

「アベノミクスの誤り正す真の処方箋はこれだ」

に記述したが、次のようなことだ。

日本銀行が日本銀行券を無尽蔵に用意する。

これを全国の銀行、全国自治体などの窓口、あるいは鉄道各駅や全国コンビニ店頭に山積みにする。

横に一枚の紙を置く。

「ご自由にお取りください」

これでよい。

間違いなく物価は上がるだろうし、日本円は急落するだろう。


これは、ものごとの本質を理解するために極端な例をあげたものだが、この方向の政策対応を「非伝統的金融政策手段」と呼ぶ。

この「非伝統的金融政策手段」を用いれば、インフレ誘導や円安誘導は可能になる。

しかし、私は「非伝統的金融政策手段」の活用に反対である。

「伝統的金融政策手段」と「非伝統的金融政策手段」の相違がどこにあるのか。

それは、「伝統的金融政策手段」が日銀資産の質的な劣化をもたらさないのに対し、「非伝統的金融政策手段」は日銀資産の質的な劣化をもたらす点にある。

言い方を変えると、「非伝統的金融政策手段」を用いるインフレ誘導や通貨切り下げ誘導は、中央銀行に対する信認を引下げることを通じて、これらの目的を達成しようとするものなのである。

これは、極めて大きなリスクを内包するものである。


大きなリスクとは、中央銀行に対する信認は、「ある」か「ない」かという二者択一の性格が強く、「少し引き上げる」とか「少し引き下げる」といった微調整を施せるものではないからだ。


「あの人は信用できる」、「あの人は信用できない」というのも、二者択一の判断である。「少し信用できない」というカテゴリーはなくて、「信用できる」以外は、「信用できない」になる。

中央銀行の運営において一番大切なことは、中央銀行に対する信認を維持することだ。

「通貨及び金融の調整」は「伝統的金融政策手段」の範囲内で対応するべきものである。

短期的には「非伝統的金融政策手段」が「魔法の杖」のように見えるが、長期的に必ず大きな副作用を伴う。

中央銀行の独立性の重要性は中央銀行がこの点をないがしろにしないことを期待して付与されているものである。


金融機関系のエコノミストの大半が権力に対して付和雷同の御用エコノミストであることが大変嘆かわしい。

日銀の審議委員が国会同意人事で、国会が深い見識を欠いてインフレ誘導派の人物しか審議委員として同意しないことも大きな問題だ。

日銀の白川方明総裁に対するメディアの批評は厳しいものばかりだが、日銀総裁の評価はこうした権力迎合メディアによって定められるものではない。

歴史の評価は数十年の時間が経過しなければ定まらない。

安倍政権が日本の金融政策の歴史に大きな汚点を残すことが懸念される。

 

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コメント
 
01. 新自由主義クラブ 2013年1月30日 17:48:51 : 41xQYjMxutK66 : Od3zRGIrsM
アベノミクスというのは、いったんハイパーインフレを起こして、小泉進次郎氏に登場していただいて新自由主義的構造改革を進めるための陰謀かも知れませんね。

池田信夫原作・コミック版『もし小泉進次郎がフリードマンの「資本主義と自由」を読んだら』を読み、ふと、そう思いました。

今のデフレのまま、また構造改革をやったら「アホ」と言われるから、まず、ハイパーインフレ、ですかね。

アベノミクスに賛成なんですが、こんな罠だったら恐ろしいですね。

まあ、物凄いハイパーインフレになったら、米軍の管理下で、戦後の天皇制植民地社会主義体制に戻って、配給制度からやり直せばいいんですけど。

日本にとって天皇制社会主義体制は二度目ですから、また成功するでしょう。

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51757968.html


02. 2013年1月30日 18:27:12 : t4OE8qwFPM
ぷっ今頃気づいているのか?

アベノクソミクスの本質。

2月オバマ詣で以降大変化

株価がアベノクソミクスで上がっていると思っている

能天気の馬鹿犬もいたなwwww

やがて来る手のひら返しこそ

本当に儲けるチャンス


03. 米犬 2013年1月30日 18:32:15 : PUHl6PtDGaXFs : 4Q80R8Zler
植草のような素人が考えることは誰でも考えていること
だから山ほど売り玉が出て、それを売り上がっていく
今回は先が長い

04. 新自由主義クラブ 2013年1月30日 18:35:02 : 41xQYjMxutK66 : Od3zRGIrsM
安倍のミスで、天皇制社会主義体制に転ぶのも、悪くはないと思うけどな。

理想ではないが。


05. 佐助 2013年1月30日 19:39:28 : YZ1JBFFO77mpI : TUhrPgEJIU
放たれた「三本の矢」
名目&実質GDPの逆転とデフレの日本・物価上昇からスタッグフレーションに向う
世界信用縮小恐慌・需要より供給(生産能力)が上回って第二のリーマンショックに向かう
世界の経済指数(生産・販売・株式・雇用・投資・貿易)を3分の1以下に縮小させる

地獄に向かう「三本の矢」
繰り返す与党の政権交代と弱肉強食・格差の拡大社会
銀行・為替・証券の一時閉鎖・古今未曽有のパニックを迎える
先覚的技術革新(産業革命)に遅れた大企業はいずれ消滅する

争奪戦争「三本の矢」
世界の国が激烈なるキン争奪戦争がスタートする。キンが暴騰する。(1オンス8000ドル)
戦争が景気回復・金融大恐慌から脱出る早道だを待望する妄想を捨てられない
経済指数(生産・販売・株式・雇用・投資・貿易)を、3分の1以下に縮小させる

今後の予定「三本の矢」
ドル崩壊から金本位制、基軸通貨の多極化(ドル・ユーロ・円・元・他)に向う
最新鋭の自然エネルギーから次世代産業革命がスタートする
為替表示はドル単独からドル・円・ユーロ通貨表示に移行する


世界に波及する金融恐慌バブルは、必ず姿を変えて復活する
やっかいなことに世界恐慌が収束するまでは,政府や中央銀行がジャブジャブに、公的資金を投入しても、資金は円滑に流れません。消費刺激のために、国民にカネをばらまいても、自己防衛のため消費に回ってきません。そして消費市場は実質三分の一にまで縮小します。ところが2013年は、素材・形(デザイン・ディテール)・技術の要素が、一斉に反転する珍しい年になる。一時的に素材消費ブームとなり「景気は回復した」とマスコミは騒ぐ。しかし物価が上昇し景気が下降するスタグフレーションを経験する。そして経済指数三分の一以下という長期不況に突入しなければならない。そして共存共栄の道に進む。


06. モンテカルロ・モナコ 2013年1月30日 20:40:02 : jxuoe3ac9bV5I : UZZkrvTd1c
思考実験開始

直近(H25.1.20)の日銀の営業毎旬報告によると銀行券発行残高は82.8兆円である。
全部1万円札として82億枚。
日銀の輪転機そのものの印刷能力だけでなく、札の原紙・インクなどの調達能力も含めて、いったい毎時とか毎日どれだけ刷れて出荷が可能なの?

ところで為替相場をアセット・アプローチ(勉強してね!)あたりで評価するとすれば、円安どころか即刻為替取引停止でしょう。誰も円を買ってくれません。

さぁ、出来るものならやってみなさいよ。
銀行・コンビニ等のカウンターに札の積み上げ。

ちなみに、これはそもそも伝統or非伝統的な金融政策なの?
まさかぁ・・・  そう、日銀による財政政策かな?

究極は米国債売りか?!  みんなで思考実験

・・・タダほど高いものはない・・・


07. 2013年1月30日 20:54:52 : 3qJsSynprg
食・衣料品・燃料・ガソリン・医療・各種保険料、消費税、おまけに電気料他全て上がる。

それに反して、下がっても上がらないに等しいのは給料、年金、控除の廃止。

製造業への派遣廃止は、どうした?。

ほんの数%の支配層に、多くの一般国民は、共存・共生してもらえない日本。

今は、株主にも冷たい経営者とか、270兆も内部留保に勤しんでいるそうな。

私は、賃貸住宅を自営しているが、福島県の物件に300万支出しrepair、内部に溜めず、入居者へ還元した。

企業の内部留保なんて、欲張りにも程がある、と言いたいが、そんな経営者が大半か?。

国民の大多数を占める労働者階級の所得が増え、購買意欲が出てはじめて経済が活性化向上する、このことなくして、デフレ克服のみでは、この階級の向上はない、特に製造業への派遣労働は、禁止願いたい。

特別会計の厳しいムダ排除も、併行して実施するよう求めよう。

マスコミによる国民家畜化、文句を言わず労働し、納税をするだけの貧民多数では、意味がない。


08. 2013年1月30日 23:03:55 : YxpFguEt7k
「金融機関系のエコノミストの大半が権力に対して付和雷同の御用エコノミストであることが大変嘆かわしい。」

大学系はどうなんでしょうね。

斎藤誠氏
「「いやいや、気合いを入れて思い切った金融緩和をし、準備預金に頼らずとも、紙幣を経済に無理矢理押し込めば、いずれはインフレが起きるはずである」と主張する向きがあるかもしれない。
 しかし、この議論はあまりにも非現実的である。先述の通り、支払手段として経済全体を駆け巡る紙幣量は、名目 GDP のたかだか 8%である。すると、現在の日銀券発行残高 80兆円を経済全体に行き渡らせるだけでも、名目 GDP で測った経済規模は 1,000 兆円、現在の 2倍とならなければならない。生産活動が一定だとすると、物価は一気に 2 倍、年 3%のインフレとはわけの違うハイパーインフレである。そのような非現実的な効果を念頭とした経済政策は検討しない方がよい。」
http://www.econ.hit-u.ac.jp/~makoto/essays/monetary_uselessness_20121118.pdf

検討しない方がよいのに、もう実行に移しちゃってますね。不幸中の幸いと言うか、その策がうまくいってなさそうなのが救いのような気もします。

植草氏、がんばってください。応援しております。


09. 2013年1月30日 23:36:08 : C4oOF68qqo
2倍程度なら、「超インフレ」ではありませんね。そうなってから増税しても、決して遅くはないと思います。

10. 2013年1月30日 23:56:48 : Y28uZ2IjEw
提灯付けたやつに乗って世の中少し浮かれているようです。自信喪失していた時代が長かったのでどうしても浮かれてしまう。植草先生のおっしゃるように日本銀行の信用が無くなっていればある日突然ユダ金がしこたま儲けたうえで水をかけてくれる。ババを引くのは浮かれた国民(庶民)に間違いない。虎の子をユダ金に貢ぐとも知らず今はみんな浮かれて気が大きくなっている。コールドマンの子会社がころ合いを見て格付けをしてくれる。もともと1000兆の借金があると言う国だ。効果はてきめんだろう。楽しみなことである。その前に余りの円安に物価上昇がひどくマーケットが悲鳴を上げる可能性もある。今20%下落小泉の時は40%下落した。小泉の後追いをしていると心配だ。ただ小泉の時は銀行破たん懸念を竹中が仕組んだので貸し渋り貸しはがしが激しく株は下落の一途だったが。いずれにしろ仕組まれたミニバブルであることは間違いなかろう。

11. 2013年1月31日 00:42:48 : YxpFguEt7k
こういう方もいらっしゃいました。

藤原直哉氏
「物価上昇率2%を目標とするという経済政策は誤りであると断じます。経済の基本は物価を上げないこと。これが基本中の基本。
 普通の景気回復とは、
  まず物価と金利が安定している状況で生産量が増えてくる。
  それがどんどん進むと資源の制約条件が効いてきて物価が上がりだす。
 そして最後に金利が上がって景気は拡大から下降に転ずる。
 ところが今回はもう12月の段階で金利が上がって住宅ローンの返済が増え、ガソリンが上がって帰省のガソリン代が高くついた人がたくさんいる。安倍内閣の最初の仕事はいきなり物価高の悪影響を庶民に与えた。そもそも最初に物価と金利が上がれば景気はそこでいきなり腰折れである。この責任はどう取るのか。そもそも物価を最初に上げるというのは最もやってはいけない政策ではないか。」
https://twitter.com/naoyafujiwara/status/296624437980184576
https://twitter.com/naoyafujiwara/status/296624486298562560
https://twitter.com/naoyafujiwara/status/296624501880406017

もうやっちゃったね…


12. 2013年1月31日 07:31:19 : t4OE8qwFPM
>03
>だから山ほど売り玉が出て、それを売り上がっていく
今回は先が長い

あんちゃんド素人だな
やっちゃったなww



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