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2013-01-29 06:56:02 生き生き箕面通信
おはようございます。
生き生き箕面通信1499(130129)をお届けします。
・課題から逃げた所信表明演説――おぼっちゃま総理の感覚
安倍首相が就任後初の所信表明演説を昨日1月28日に行いました。一言で言えば、肩透かしで内容の少ない”おぼっちゃま演説”でした。今朝の各紙の評価も、朝日新聞は「参院選にらみ安全走行」(2面)、読売は「安倍カラ―封印」(3面)と、物足りなさを表明しています。
物足りなさを感じさせるのは、初の所信表明であるにもかかわらず、待ったなしの課題である「尖閣などを含む対中国政策」、来月には訪米する際の「TPP(環太平洋経済連携協定)参加問題」、あるいは「原発と再生エネルギー問題」などにまったく触れず、知らぬ顔で押し通そうとしたからです。
安倍首相は、経済や震災復興、外交・安全保障、教育の四つの「危機」をあげ、「危機突破」が重要だと強調しました。それならなおさら待ったなしの課題に対し、どう危機を突破するのか、を語らなければ整合性が取れません。しかし、「経済再生」だけに特化したような演説で、「教育」にいたっては触れずじまい。
全く納得できないのは、「雇用問題」にきちんと触れなかったことです。首相は、前回投げ出した総理の座に戻ってきたのは、「深き憂国の念」からだと大見えを切っています。「どれだけ真面目に働いても暮らしが良くならない、日本経済の危機」を救うためだそうです。「今こそ、額に汗して働けば必ず報われ、未来に夢と希望を抱くことができる、真っ当な社会を築いていこうではありませんか」とも呼びかけました。それなら、「雇用の場」をどう確保するのか、基本だけでも提示するべきではないでしょうか。
働く場を探して苦労している若者がどれほどいるか。100社、200社と就職活動をしても、働く場を見つけられない、雇ってもらえない。人生の門出から、「負け組」のような社会の扱い。悩み、苦しんでいる、働きたい人の群れ。
春闘は本日、経団連と連合のトップ会談で本格的にスタートします。働く者側の連合の要求は「1%の給与引き上げ」とささやかなものです。ところが、経団連側は「ベアの余地はなし。提唱も延期や凍結」と、つれない姿勢です。企業側は、260兆円もの内部留保を溜めこんでおり、懐はカネがいっぱいであるにもかかわらずです。その1%を出すだけでも、状況は良くなるのですが、「ノー、ノー」なのです。
働く場、そして給料を改善せずに、何が「経済重視」ですか。経済の語源が「経世済民」であるように、世の中を潤すことが経済の意義です。国民の生活のために経済があるのではないでしょうか。国民は消費増税で絞り取られ、企業は減税で懐が潤う、そんな政策をやろうとしているのが、安倍政権です。
むずかしい課題には触れずに、言葉だけ「努力したものが報われる社会」などといってのけるノーテンキさ。困難で、国論が割れる課題からは逃げる、おぼっちゃま気質丸出しと感じます。少なくとも、本当に国民を大事にする社会をつくろうとする熱意は、感じられません。
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