http://www.asyura2.com/13/senkyo143/msg/232.html
Tweet |
補正予算で廃炉費用丸抱えを復興後押しと宣伝する大新聞
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11458286962.html
週刊ポスト2013/02/08号 頁46 ニュースのことばは嘘をつく ジャーナリスト・ 長谷川幸洋 :大友涼介です。
東京電力はこれから被災者への賠償と除染、廃炉費用で少なくとも10数兆円、多ければ数十兆円に上る巨額の負担を強いられる。「そんな負担に耐えられるか」といえば、東電の答えは昨年11月に発表した「再生への経営方針」でこう述べていた。
費用負担は「一企業のみの努力では到底対応し切れない規模になる可能性が高い」。一方「当社の企業体力(資金不足、人材流出)は急速に劣化し始めている」。だから「国による新たな支援の枠組みを早急に検討することを要請する」。これは東電のギブアップ宣言である。
企業努力ではとても吸収できないから政府が助けてくれ、という話だ。東電が悲鳴を上げて、政府はどうするのかと思っていたら、さっそく2012年度補正予算で手当てしていた。
毎日新聞は「福島に放射能研究拠点雇用にも貢献 補正で800億円」という見出しを掲げて一面トップでスクープした(1月10日付)。「(政府は)福島県内に放射性物質の分析・研究施設と、災害用のロボット開発・研究施設を整備する方針を固めた。2012年度補正予算案に施設の設計や建設費用として約800億円を盛り込む」
さらに「研究施設が完成するれば、福島県内で数百人単位の雇用を生むとみられており、震災復興を後押しすることにもなりそうだ」とある。
この記事をどう読むか。
疑問に思ったのは、廃炉費用は東電が負担すべきではないのかという点だ。たしかに事故は空前のスケールだった。そうだとしても、民間企業が起こした事故の後始末について、なぜ政府が費用負担しなければならないのか。そこがまったく不明である。
念のため、経済産業省が発表している予算資料をみると「放射性物質研究拠点施設等整備事業(出資)に850億円」を拠出する方針だ。具体的には、独立行政法人・日本原子力研究開発機構への出資である。
この機構は何をしているのかといえば、たとえばナトリウム漏れによる火災事故を起こした高速増殖炉もんじゅを開発・運用している。原子力規制委員会の田中俊一委員長は機構の幹部だった。つまり廃炉支援という名目で原子力ムラの中心施設である機構に巨額の出資金が流れた形だ。これでは「焼け太り」ではないか。
私は事故を前向きに捉えて、政府が廃炉技術を研究したり放射線管理の研究開発を進めるのに反対ではない。史上稀にみる大事故だったのだから、教訓を学び新たな技術開発のきっかけにするのは賛成である。
問題はそういう政策の話と東電の自己責任をどう切り分けて、国民の理解を得るのかという点にある。
それでなくても東電は株主と金融機関の責任が免除されている。国が一時的に肩代わりした形になっている賠償負担と除染費用の返済計画も決まっていない。そういう状態で先のギブアップ宣言が出て、このままだと「結局、国が負担を丸抱えするのではないか」という懸念もある。
そこへ突然、詳しい説明もなしに、一部とはいえ実質的に廃炉費用を国が負担するのは「はい、そうですか」と納得できない。なぜ東電の廃炉費用を国が負担するのか。新聞もしっかり説明を書いて欲しい。このままだと補正予算のどさくさに紛れて「廃炉費用は国がもつ」という実績作りに手を貸した形にならないか。「震災復興を後押し」などと政府の宣伝文句を並べるだけでは済まされない。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK143掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。