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2013-01-27 18:16:23NEW Shimarnyのブログ
原発再稼動とTPP参加で、読売新聞の権力迎合の偏向報道がエンドレスである。
結果に対して、原因を究明して解決を導き出すという行為は考え方として正しい。
しかし、読売新聞の社説は、結果と原因と解決に矛盾を抱え、明らかに論理破綻した解説のまま、権力迎合の主張だけがメインとなり魂胆が見え見えなのである。
既存メディアの記者の能力が、一般レベル以下まで落ちたことを示すのだろうか。
記者クラブの情報独占で怠慢になり既得権に胡坐をかいた結果を示すのだろうか。
それほど読売新聞は、偏見報道で官僚機構と米国の権力に迎合したいのだろうか。
このような社説が日常化すれば、国民が既存メディアを捨て去る日も近いだろう。
まず、読売新聞の社説「巨額貿易赤字 輸出力の強化と原発再稼動を」を下記に。
[27日 読売新聞]巨額貿易赤字 輸出力の強化と原発再稼動を(1月27日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130126-OYT1T01025.htm
「貿易立国」としての日本の土台が揺らいでいる。官民で巻き返しを図らねばならない。輸出額から輸入額を差し引いた2012年の貿易収支は、過去最大の6・9兆円の赤字だった。第2次石油危機直後の1980年に記録した2・6兆円を大きく上回った。東日本大震災の影響で31年ぶりに貿易赤字に転落した一昨年と比べても2・7倍に増えた。極めて深刻な事態である。
要因は、欧州危機や中国経済減速に伴い、輸出が減少する一方、輸入が急増したことによる。
東京電力福島第一原子力発電所事故後、原発が全国で停止し、再稼働したのは2基にとどまる。電力各社が代替電源として火力発電をフル稼働した結果、燃料となる液化天然ガス(LNG)の輸入額が年間で約6兆円にも達する異常事態になっている。海外への投資による配当や利子の受け取りを含めた経常黒字は続いている。だが、巨額の貿易赤字が慢性化すると、いずれ経常収支も赤字転落が懸念されよう。
「貿易立国」の立て直しにまず必要なのは、輸出拡大につながる製造業の競争力強化である。電機業界は、薄型テレビや携帯電話市場などで韓国メーカーなどに出遅れた。成長市場である医薬・医療機器分野でも、年約3兆円の輸入超過になっている。製造業各社が、付加価値の高い魅力的な商品を開発し、アジアなど新興国の成長市場を積極的に取り込む工夫が要る。
貿易赤字の背景には、コスト高を回避するため、製造業が拠点を海外に移転し、国内空洞化が加速している事情がある。国内立地の利点を享受できるよう、政府は法人税減税や投資減税などを拡充し、企業を支援すべきだ。新設された産業競争力会議は「メード・イン・ジャパン」のテコ入れ策を示してもらいたい。
海外市場の攻略には、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加決断も待ったなしだ。
一方、輸入を減らすために最も重要なのは、安全性を確認できた原発の再稼働を急ぐことだ。火力発電に依存する状況が長期化するほど、LNGの輸入額が増えて国富が資源国に流出する。LNG調達コスト上昇で電気料金値上げに拍車をかけよう。為替市場で超円高が是正され、円安が定着してきた。輸出企業にはプラスだが、円安が行き過ぎるとLNGなどの輸入額を一段と急増させる。これにも要警戒だ。
まず、「2012年の貿易収支は、過去最大の6.9兆円の赤字」は事実である。
そして、赤字額の是正もしくは黒字化していく政策を提示することは正論となる。
しかし、読売新聞が勝手に決めた理屈に合わない言葉が事実として書かれている。
まず、「「貿易立国」としての日本の土台が揺らいでいる。」という言葉である。
日本は「貿易立国」でないことは、世界的にも有名でありデータで示されている。
IMFが発表した2011年度の主要国輸出依存度は、韓国49.7%、ドイツ41.2%、中国26.0%、イタリア23.8%、フランス21.5%、イギリス19.6%、インド17.7%、日本14.0%、米国9.8%となっている。
先進7カ国でも日本は7カ国中6番目であり輸出依存度は世界的に低いのである。
一方で、輸出額の大きさから言えば世界的にも上位にあり「貿易大国」と言える。
IMFが発表した2011年度の輸出額は、中国1兆8991億ドル、米国1兆4804億ドル、ドイツ1兆4754億ドル、日本8224億ドルとなっている。
IMFが発表した2011年度の輸出額も、米国2兆2658億ドル、中国1兆7428億ドル、ドイツ1兆2554億ドル、日本8540億ドルとなっている。
つまり、「貿易立国の日本」は事実ではなく、「貿易大国の日本」が事実となる。
次に、貿易収支の過去最大赤字になった要因として「欧州危機や中国経済減速に伴い、輸出が減少する一方、輸入が急増したことによる。」としている。
しかし、厳密に言えば貿易収支は輸出額と輸入額であるから、要因として「輸出額が減少する一方、輸入額が急増したことによる。」とすべきである。
その結果、貿易収支の赤字を是正して黒字化にするためには、欧州と中国で輸出を促進させるかその他の地域で輸出を促進させるかによって、輸出額を増加させて、輸入額を急減させれば良いのである。
つまり、欧州と中国とその他で輸出促進、輸出額増加、輸入額急減の3つとなる。
しかし、読売新聞はこの3つの解決策を事実に基づかずに数字を並べて、原発再稼動とTPP参加すれば貿易赤字は解消できるが如く解説しているのである。
まず、たとえ安全確認して原発を稼動できても輸入額を急減することはできない。
それは、福島原発事故の前年に当たる2010年のLNG輸入額は3兆5000億円であり、この当時に稼動できた原発は全国で50基だったのである。
少なくとも、福島第一原発6基、原発寿命40年、断層直下原発、住民反対運動など考慮すれば、原子力規制委員会で稼動容認可能な原発は半分以下となる。
つまり、輸入額の急減対策として、原発再稼動を挙げても6兆円のLNG輸入額が当時の3兆5000億円に戻らず、5兆円程度が落ち着きどころなのである。
LNG輸入額の急増の根本原因は、日本が割高な価格で輸入しているからである。
日本のLNG価格は、米国の8倍、欧州の2倍、中国の2倍、韓国の2倍なのだ。
少なくとも、日本のLNG輸入価格を半額程度に抑えることができれば6兆円から3兆円に急減して、福島原発事故前より輸入額が急減できるのである。
LNG輸入価格が割高な理由となっているのが、護送船団方式となる電力業界、ガス業界の縦割り構造と電力会社、ガス会社の地域独占の縄張り意識である。
縦割りと縄張り意識から各社バラバラの契約で単発購入するため割高になるのだ。
おそらく解決策としてエネルギー輸入を一元管理する法人の設立が挙げられよう。
結論は、輸入額を急減するためには割高なLNG輸入価格を抑えることしかない。
次に、TPP参加を決断したとしても輸出額をそれほど増加することはできない。
その理由は、読売新聞が要因として述べているように、欧州危機や中国経済減速に伴い、欧州と中国が中心となって輸出が落ち込んでいるからである。
つまり、欧州と中国の落ち込みを元に戻すか他の国で補う対策が必要となるのだ。
当然、他の国とは読売新聞が述べているアジアなど新興国の成長市場となるのだ。
これらを考えれば解決策は、欧州の自由貿易で日欧EPA、中国との自由貿易で日中韓EPA、アジアの自由貿易でRCEPを積極的に進めることになる。
しかし、読売新聞では「欧州危機」「中国経済減速」「アジアなど新興国の成長市場」を挙げているのにもかかわらず、その対策がTPP参加なのである。
TPPは、欧州も中国も参加せずアジアの新興国も半分しか参加していないのだ。
これらから理解できるのは、読売新聞は理論破綻しているが「巨額貿易赤字は原発再稼動とTPP参加すれば解決できる」と言いたかっただけなのである。
そして、日本が然も「貿易立国」の如く大々的にアピールしたいだけなのである。
確実に言えることは、日本は中期的に人口減少する国であり、省エネ技術が普及する国であり、エネルギー消費がこれ以上増えない国であるということである。
つまり、巨額貿易赤字を解消するためには、世界的に割高な日本のLNG輸入価格をどのような手段でよって安価で輸入するかということに尽きるだろう。
これに関して全く触れらていない読売新聞の社説が世に出回って良いのだろうか。
巨額貿易赤字解消のためではなく、官僚機構の原子力ムラを守るため原発再稼動が必要と論じて、米国のアジア戦略のためTPPに参加が必要と論じるである。
官僚機構と米国の権力に迎合した偏見報道する読売新聞は国民のためにならない。
このような社説が日常化すれば、国民が既存メディアを捨て去る日も近いだろう。
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