10. 2013年1月25日 00:10:30
: xEBOc6ttRg
JBpress>ニュース・経営>神戸発:ラジオ政論 [神戸発:ラジオ政論] 日本は尖閣が自国の領土であると論理的に主張せよ 在沖米海兵隊関係者が語るトモダチ作戦、尖閣、オスプレイ 2013年01月25日(Fri) JBpress 在沖米海兵隊外交政策部次長のロバート・エルドリッヂ氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。 東日本大震災の被災地で今なお続けられる米軍の支援・交流活動を取り上げたほか、尖閣諸島をめぐる日中関係や沖縄のオスプレイ配備問題などについて語った。東日本大震災で生かされた阪神・淡路大震災の教訓 中山 今回は在沖米海兵隊外交政策部次長のロバート・エルドリッヂさんにお話を伺います。1月17日で阪神・淡路大震災から18年が経ちましたが、エルドリッヂさんはこの18年を振り返っていかがですか。 エルドリッヂ 阪神・淡路大震災の発生当時、私は大阪府豊中市に住んでいましたが、幸い大きな被害は受けませんでした。 米国の友人たちは「不運な目に遭ってしまったね」と心配してくれましたが、私は日本人と辛い体験を分かち合ったことが忘れられないし、それを乗り越える国民の姿を見たことはかけがえのない思い出です。 震災後はボランティア活動に励み、新しい仲間と出会うこともできました。神戸の復興過程をこの目で見てきてつくづく思うのは、日本はすごい国だということです。 青森県三沢市で、東日本大震災の津波で流された車を引っ張る米海軍兵や地元住民たち(2011年3月19日撮影)〔AFPBB News〕
中山 一昨年は東日本大震災が発生しました。あの時、米軍が「トモダチ作戦」による救助・救援で多くの人道的支援をしてくれたことに我々日本人は心から感謝しています。 エルドリッヂ 私自身も「トモダチ作戦」に直接携わり、日本への支援を行うことができて光栄でした。この国に少しでも恩返しできたことが何よりも嬉しいのです。 実は今も被災地の方々とは交流が続いていて、毎日のように情報共有や異文化間の交流を行っています。ここで新たな友好関係を築くことができたのも大きな財産です。 中山 ある意味で「トモダチ作戦」は継続されているんですね。聞くところによると、被災地の子どもたちが米海軍兵士の家庭にホームステイをするプログラムも実施しているとか。 エルドリッヂ はい。これは震災発生から4日後の3月15日に企画しました。実は阪神・淡路大震災の時、被災者の方々が政府から十分な支援を受けられないという状況がありました。その教訓を踏まえて、私は司令官たちにこう伝えたのです。 「米軍はできるだけ長く被災者の皆さんと交流をしましょう。特に心のケアについては最後までしっかりと行うべきです」と。そこから始まった取り組みが、今も続いています。 エルドリッヂ 将来、また必ず大きな地震が発生すると言われますが、私は一昨年の地震から学んだ教訓を共有することが重要だと思っています。震災が起きた時に人々が何を大切にし、どのような協力関係を築くのか。そのベースとなるのは、やはり絆や共通の価値観でしょうから。 尖閣諸島をめぐる海外メディアの反応は、中国寄りが多い? 尖閣諸島の北小島(上)と南小島(ウィキペディアより) 中山 続いて外交の話題に移ります。
中国が尖閣諸島の領有権を主張し、領海侵犯を繰り返していますが、先日の日米外相会談でクリントン国務長官が「日本の施政権を一方的に害するいかなる行為にも反対する」と述べ、中国側を牽制したと報じられました。 エルドリッヂさんはこの問題をどう見ていますか。 エルドリッヂ 私は研究者としてこの問題に長年取り組んできましたが、最近は特に中国の態度が強硬になっていると感じています。 そもそも中国は、1971年に沖縄返還協定が調印された時から尖閣諸島の領有権を主張し始めました。しかしこれは、それまでの76年間、つまり1895年に同島が日本の領土に編入されてからの間に彼らが取っていた態度と矛盾しているんです。 国際法において従来と違う行動を取ることは禁じられていますが、中国は力を持つにつれ外交でも強気な姿勢を見せてきている。非常に危険だと思いますね。 米国政府はこれまで尖閣諸島の主権について中立的な立場でしたが、報道されているように今はかなり踏み切った態度に出ています。今後、日米間で協議を重ねる必要はあるものの、私は日本の立場が正しいと考えています。 日本の領土である証拠は存在しますから、それを論理的に主張していくことが重要ではないでしょうか。 中山 海外のメディアはこの問題をどう報じているんですか。 エルドリッヂ 米国を含めた各国メディアの記事を分析した印象では、どちらかというと中国寄りの報道が多い気がします。中国にとって不都合な真実もたくさんあるんですが、彼らの外交戦略を見ているとそれを隠すのが上手い。 日本はもっと知恵を出して、事実に基づいた議論を展開する必要があります。いずれにせよ今年は軍事的、外交的、政治的に色々な動きがあると思います。 中山 現政権が今後この状況をいかに打破するかが問われますが、元総理の行動が外交上の大きなリスクになっています。 先日は安倍(晋三)総理の東南アジアを歴訪中に、鳩山(由紀夫)元総理が中国を訪れて「領土問題の存在は認めるべきだ」と主張し、中国メディアでも大々的に報じられました。 また、北方領土問題をめぐり森(喜朗)元総理が「3島返還」で決着を図ることも選択肢だと言及し、政府が改めて4島返還の立場は変わらないと発表する事態となった。元総理としての経験には大きな重みがあるぶん、その発言は下手すると外交的に誤ったメッセージになりかねないと肝に銘じるべきではないでしょうか。 オスプレイは離島や被災地への急行を可能にする 中山 昨年から米軍の新型輸送機MV22オスプレイの沖縄配備が取り沙汰されていますが、沖縄にオスプレイを配備することの利点をいま一度教えていただけますか。 エルドリッヂ オスプレイというのは、ヘリではなく垂直離着陸ができる非常に珍しい中型輸送機です。 米海兵隊は海、空、そして地上からの作戦展開を可能とする統合された組織ですが、オスプレイには物や人を輸送したり、あらゆる場所へのアクセスを確保するという大きなメリットがあります。 従来のCH-46シーナイトは航続距離が非常に短く、積載量も少なければ飛行速度も遅かった。それに比べてオスプレイは最大速度で約2倍、積載量は約3倍、航続距離が約4倍と、離島で防衛や人道支援を行う場合においても、あらゆる面で対応力が向上しています。 例えば東日本大震災の時、CH-46は東北の被災地に着くまでに1日半かかりましたが、オスプレイなら沖縄から4〜5時間で到着でき、迅速な人命救助が可能だったはずです。 また、尖閣諸島には約1時間で行けますし、通常のヘリでは離着陸が困難な場所も問題ありません。患者の輸送が必要な場合もすぐに対応できたりと、メリットは多いと思います。 また、オスプレイの方がCH-46よりも騒音が少ないのです。訓練では実際に飛行することもありますが、コンピューターを使ったシミュレーションによって飛行せずに済むケースも多く、地元住民への騒音軽減にもつながっています。 中山 泰秀(なかやま・やすひで)氏 衆議院議員(自由民主党所属)。1970年大阪市北区生まれ。電通勤務を経て政治の道へ入る。2003年衆議院総選挙で初当選、2007〜2008年8月まで外務大臣政務官を務める。自民党・国防部会長(撮影:前田せいめい) 中山 なるほど。ところで、エルドリッヂさんは米海兵隊に転身する前、大阪大学国際公共政策研究科で准教授を務められていましたが、今、米国への日本人留学生が減少している状況をどうご覧になっていますか。
エルドリッヂ これは私も懸念していることです。もともと私自身が日本に関心を寄せるようになったのは、大阪出身の留学生のおかげなんです。彼がいなければ私は今日本にいないでしょうし、そもそも国際関係に興味を持っていなかったと思います。 彼は米国について学びに来ましたが、同時にたくさんのことを私に教えてくれた。そのおかげで私の今の人生があるんです。だから是非、多くの方に留学を経験してほしいですね。 また将来はどんな分野に進むにしても、自分が一番得意なもの、燃えられるもの、あるいは自分にしか貢献できないものを見つけて頑張ってほしい。 私は今、政府に身を置いて日米関係をライフワークにしていますが、以前は大学や研究所に在籍していました。将来はどんなかたちで日米関係に携わるのかは分かりませんが、自分にしかできないことを見つけ出してそれに邁進することが大事だと思います。 中山泰秀のやすトラダムス』 1月20日 24:00-25:00放送 ※Kiss FM KOBE "中山泰秀の「やすトラダムス」" は、radiko.jpでも聴取できます(関西地方のみ)。auの対応機種では、LISMO WAVEを利用すると、日本全国で聴取可能です。また、「ドコデモFM」のアプリでは、日本全国でスマートフォン(ドコモのAndroid搭載端末、auとsoftbankのiPhone)で聴取できます。
|