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2013-01-24 06:57:34 生き生き箕面通信
おはようございます。
生き生き箕面通信1494(130124)をお届けします。
・「日銀は死んだ」と日銀OB
「『日銀は死んだ』。日銀OBからはそんな声が漏れる」――これは、朝日新聞が本日1月24日付け朝刊から始めた連載記事の一節です。連載のタイトルは「激変 中央銀行はどこへ」(3面)です。
「死んだ」とは、日銀の独立性が失われ、単なる政府の一機関になり下がったことを意味します。政権のいうがままにお札を刷り、財源を賄う。政権は、中央銀行をキャッシュディスペンサー、つまり現金自動支払機として利用できるようにしたわけです。
中央銀行の存立意義は、ひとえに通貨の価値を維持することにあります。通貨の価値を維持することが、経済のスムースな流れを担保することになるからです。
戦後、ハイパー・インフレが発生した時には国民生活はめちゃくちゃになりました。たとえば、ドイツではパンの価格が午前中は前日よりかなり上がっていたのですが、午後にはさらに上がっている、という事態に陥りました。パン1個を買うために、リュックに札束をつめて買いに行かなければならないほどだったのです。
このため、各国とも中央銀行に独立性を持たせることにしたのでした。政府の顔色をうかがわずに金融政策を進め、通貨価値を維持できる仕組みにしたのです。
ところが、今回のアベノミクスは、力づくで日銀をねじ伏せ、安倍政権の意向に従わせることにしました。記事にはこうあります。「安倍首相が日銀から大幅な譲歩を引き出すかーどとして使ったのが、日銀法改正だ。昨年春、自民党内で検討された改正案には、総裁の解任権まで書かれていた」。安倍首相は今回、国債の日銀引き受け発言をした、しないで問題になりましたが、いずれにせよ本音が日銀引き受けという安易な財源調達法をめざいていることは、明らかです。
予算編成で財源に悩む財務省も、日銀を意のままに従わせたいという思いを強くしていました。日銀総裁のポストに、財務省OBを押し込もうと暗躍してきました。
今回のアベノミクス自体、筋書きは財務省が書いた節が伺えます。つまり、財務省が日銀をねじ伏せて、財政・金融の強大な権限を手中にしたと見ることができます。
こうした動きは一時的には成功したかに見える面があるかもしれませんが、問題なのは財政・金融の面からも日本が壊れ始めているといえることです。アベノミクスは、単に「日銀の死」ばかりでなく、「日本の死」を招きかねません。
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