4. 2015年10月16日 09:51:29
: OO6Zlan35k
性犯罪者には生き地獄を、米国の恐るべき実態 何の問題も起こさず25年の刑期を終えても社会復帰できない 2015.10.15(木) 堀田 佳男 米国でまた死刑執行失敗か、「2時間近く苦しみ死亡」 米アリゾナ(Arizona)州フローレンス(Florence)にある刑務所〔AFPBB News〕 米バージニア州リッチモンド市郊外に、州立素行更生センターという施設がある。刑務所ではなく、性犯罪を起こした受刑者が刑期満了後に送り込まれる場所だ。定員300人。そこにリジナルド・アーティス(本名)という52歳の男性がいる。 アーティスがなぜ施設にいるかと言えば、23歳の時(1987年)、同じ職場にいた17歳の少年を犯したからだ。彼は同性愛者との自覚はあったが、87年になるまで誰にも言えず、隠し続けた。 高校時代から有能なアメリカン・フットボールの選手で、スポーツ奨学生として大学に進学。運動を続けている間もゲイであるとの自覚はあったが伏せていた。 大学卒業後、就職した会社に少年がいた。年齢は5歳離れていたが相性がよく、たびたび飲食を共にした。ある晩、いつものように食事をした時のことだ。アルコールが入っていたこともあり、アーティスは少年を強引に押し倒して犯してしまう。 少年を犯し25年の実刑 刑務所に収監されてから、米メディアとのインタビューで述懐している。 「あの時は2人でじゃれあっていたんです。でも途中から私のゲイとしてのスイッチが入ってしまって、力づくで犯行に及んでしまいました」 少年は訴訟を起こし、アーティスは強姦罪で25年の実刑判決を言い渡される。予想外の重い量刑だった。 けれども犯行を起こしたのは間違いなく本人であり、罰を受け入れるべきであると判断して控訴せずに服役する。彼にとって、唯一の望みは2012年の釈放だった。 長い年月が過ぎ、釈放日を目前にして再び予想外のことが起きた。アーティスは十分に更正できていないと判断されて、刑期を満了したにもかかわらず釈放されなかったのだ。 実は刑務所内にいる精神科医は釈放に肯定的だった。再び性犯罪を起こす可能性がないか評価テストを繰り返し、「あなたはもう性犯罪者ではない」と診断した。だが、裁判官がアーティスに別の施設への移監を命じるのだ。民事上の拘禁だった。 「いったい何が起きたのか、全く分かりませんでした。釈放予定日には家族が私を待っていたのです」 アーティスの移監先は刑務所ではなかったが、更正センターの部屋は独房に似ていた。施設の外には出られない。電話で外部の人間と話はできたが、隔離された精神病棟のようだった。 「もう1度、刑務所に入り直したような思いでした。いやそれ以下でした。と言うのも、受刑者には少なくとも釈放日があり、希望がある。ところが更正センターからはいつ出られるか分からないのです」 アーティスは25年間、刑務所内で大きな問題を起こしていない。他の男性受刑者と性的な関係を持つこともなかった。本人は自信をのぞかせる。 積み木崩しの更生訓練 「刑務所に収監されていた25年間、何もしませんでした。実際、同性愛者にとって、これ以上望ましい環境はないと言えるほど機会はあったのですが、それでもしませんでした。そうした経緯も考慮してほしい」 更正センターに移監されてから、アーティスは社会復帰のための更正訓練を受けている。3段階に分かれており、それぞれが9カ月間も続く。 その間、看守が抜き打ちで部屋に入り、持ち物検査を行ったりする。規則にそぐわない所持品が発見されると第1段階からやり直しを命じられる。たとえばCDプレーヤーが見つかれば、それだけで降格である。アーティスはいま第2段階で、そこから先に進めていない。 「毎年、審査があります。医師が社会復帰してもかまわないと判断すると、書類が裁判所に送られます。最終的には裁判官が決めるのです」 アーティスは今の更正センターで、長期間拘禁されている人たちを何人も見てきている。時々、真面目に更正訓練をしても報われないとの思いにかられる。自暴自棄になって、管理者に目をつけられるとなかなか出られない。 強姦・強制わいせつの再犯率はどの国でも窃盗罪などに比較すると高率である。米国での1年以内の再犯率は39%。釈放された本人だけでなく、家族や周囲の関係者による注意、喚起が必要になる。 ニュージャージー州では1994年、ミーガン法と呼ばれる性犯罪者の情報公開法が成立した。一度でも性犯罪を起こした者をコンピューターに登録し、出所後は氏名や住所、顔写真を公開する法律だ。いまは全50州で採用されている。 さらに強い常習性が見られる性犯罪者にはジェシカ法の下でGPSの装着が義務づけられている。いまは半数以上の州で、GPS監視が行われている。 こうした状況下でありながら、アーティスには社会復帰する機会が与えられていない。少なくとも20数年の長きにわたって刑務所と更正センターで問題を起こしていないのだ。社会に出られれば、アーティスはGPS装着を厭わないはずだ。 もしかすると刑務所および更生センターが、アーティスの社会復帰を望んでいない別の理由があるのかもしれない。それであれば、アーティス本人に諸事の経緯を告げると同時に理由を公開すべきだろう。 憲法違反との指摘も 実はバージニア州をはじめとする他19州では、性犯罪者をほぼ無期限で拘禁できる州法がある。刑期を終えても更正センターに送り込んで、社会復帰させないのだ。もちろん再犯を怖れてもことだが、不条理とも思える縛りである。 現在、全米には約5000人が同法の下で施設内に留まらされている。ただ同法は違憲であるとの訴訟も起こされており、多くの州で改正される可能性はある。 アーティスの半生を知り、1994年に公開された映画(日本では95年)『ショーシャンクの空に(原題はThe Shawshank Redemption)』を思い出される方もいるだろう。主役ティム・ロビンスの相手役、モーガン・フリーマンが演じる「レッド」は刑務所からの仮釈放の審査に何度も落ちる。 最終的には審査にパスしてティム・ロビンス(アンディ)のいるメキシコの海岸で再会を果たして映画は終わるが、「レッド」は自分が十分に更正できていると思っても認められない日々が続いた。 性犯罪者の再犯率が高いことは分かるが、少なくともアーティスは23歳時の事件については罪を認めて反省もしている。刑務所にいた期間は25年である。さらに刑期満了後、更正センターに移監されて4年が過ぎた。更正の2文字が確実に自分のものになっている人もいるはずである。 しかしアーティスにはいまだに社会復帰できる日が見えていない。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44990
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