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「キャバクラ60分4千円」のはずが…夜の歌舞伎町ルポ
小川崇2015年7月4日21時24分
歌舞伎町での今年の主な摘発事例
日本一の歓楽街といわれる東京・歌舞伎町(新宿区)で、ぼったくりの被害が急増している。9人が80分で266万円を請求された摘発例もあった。実態はどうなっているのか。記者(28)が街を歩いてみた。
歌舞伎町は平日の夜も人通りが絶えない。
午後8時半過ぎ、一番街の入り口から歩いて間もなく、グレーのスーツを着た若い男性がスッと身を寄せてきた。「キャバクラ60分4千円です」。焼酎、ウイスキー飲み放題だという。
記者は、この街を抱える新宿署を担当しており、ぼったくりの多さ、悪質さは取材で聞いていた。声をかけてきた1人目の客引きだったが「ぼったくりか? 法外な請求をされても払うものか」と心に決め、付いていくことにした。100メートルほど一緒に歩き、路地の一角にある雑居ビル7階へ。客引きの男性は店のドアを開けると店内に向かって「4千円60分で」と伝え、姿を消した。
薄暗い20〜30平方メートルの室内にはテレビが2台。アップテンポの洋楽が大音量で流れていた。男性スタッフ数人と若い女性が2人いて、入り口に近いテーブルに案内された。客の姿は他にない。
20代の女性が横に座り、焼酎の水割りをつくる。男性スタッフが現れ、黒い表紙のメニューを置いた。女性は白ワインを注文し、30分ほど話す間に3杯飲んで席を離れた。
別の女性が座った。「乾杯しましょう」と赤ワインを注文。やはり、3杯飲んだ。不安になり「お酒の値段は?」と聞くと、「これは1杯6千円」。60分4千円と聞いていたのでメニューは見ていなかったが、驚いてメニューを開こうとすると、後ろにいた男性スタッフがすかさず「チェック(精算)ですか」。マスク姿の別の男性スタッフが請求書を持ってきた。
金額は、18万8500円。「え! 何ですか、これは」。スタッフは淡々と「計6杯頂いてるんで」。高過ぎると強い口調で伝えると、チャージ(座席料)が1人9万円、ワイン6杯(計3万6千円)、入店料が4千円。「これに税金が45%かかる」という。
店にいたのは約40分間。「1時間4千円だったはず」と言うと「誰かわからないですけど言ってましたね。お連れ様だと思ったのですが、帰られたのかと思いました」と平然と言う。支払いを拒むと「料金の説明をさせて頂きたいので」と、階段を上って別室に連れて行かれた。
薄暗い室内。控室として使っているのか、灰皿にたばこの吸い殻が積み上がっていた。一番奥のいすに座るように言われ、テーブルを挟んで向かいに相手が座った。「チャージ9万円とか聞いていない」と抗議すると「うちは4千円からとしか紹介していない」。料金表示が明確でないのは条例違反だと訴えると「メニューは置いてありますし、壁にも貼ってあります。お客さんは了承の上、サービスを受けたでしょう」と言う。どこに貼ってあったのか、全く気づかなかった。脅すようなそぶりはなく、口調もソフトだが、譲る気配はない。
「料金設定がそもそも高い」「警察に言いますよ」と言ったが、相手は「構いませんよ」と全く引かない。1時間近く言い争ったが、険悪な雰囲気に。このままでは帰れそうにない。いったん払って警察に届けるしかないと思い、やむなく近くのATMで現金を下ろした。スタッフはATMがあるコンビニの入り口までぴったりとくっついてきた。
店で払い、店外に出た。「またお願いします」。背中から声がして、店の扉が閉められた。
◇
新宿署に行き、「ぼったくりの被害に遭った」と相談した。約1カ月後、店を見に行くと、すでになくなっていた。別の被害者の件で、警視庁が摘発したという。(小川崇)
■請求高額化、荒っぽい取り立ても
繁華街の「ぼったくり」は昔からあるが、最近は請求が高額化し、荒っぽい取り立ても目立つ。
北海道警は1月、札幌・ススキノで風俗店従業員の男2人を恐喝などの疑いで逮捕した。客引きが「50分3千円」と大学生2人に声をかけ、飲食代23万5千円を払うよう脅した疑いだった。
大阪では昨夏、府警が大阪・ミナミのガールズバー店長の男(28)を府ぼったくり防止条例違反の疑いで逮捕。容疑は約10万2千円を客に請求したというものだった。福岡県は6月に改正・県迷惑行為防止条例を施行。客引きの規制を強めている。
ただ、歌舞伎町の被害は桁違いに多い。警視庁によると、1〜6月末は1519件の相談が寄せられ、前年1年分(673件)の倍以上。手口をまねる店が次々に増えているためだ、と捜査関係者はみている。
現在、特定の20〜30店舗に関する相談が多く、捜査関係者は「被害者は都内在住の人だけでなく、都外からの人や外国人もいる。客引きと店のつながりを立証するのが難しいのも特徴だ」と話す。警視庁は東京五輪開催を見据え、昨夏以降、22店舗を摘発した。
ぼったくり被害の相談にのっている青島克行弁護士(39)は「店側は店名をコロコロ変えており、主犯格を捕まえないと、被害は減らない」と指摘する。
歌舞伎町商店街振興組合などは冊子を発行し「客引きを使っている店はすべてぼったくり店です!」と呼びかけている。
◇
〈都ぼったくり防止条例〉 東京都が2000年に全国で初めて制定した。新宿や渋谷など都内の一部区域を指定。店内の見えやすい位置に料金を表示するよう定めたほか、不当な請求や乱暴な取り立ても禁止している。違反した場合は6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金。同種の条例は北海道や大阪、福岡などにもある。
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