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(回答先: 和歌山カレー事件、冤罪の可能性。和歌山カレー事件に見る、科学鑑定への誤解が冤罪を生む構図 投稿者 バイキンマン 日時 2015 年 4 月 20 日 10:36:42)
表題は、昨日のABCニュースで簡単に報じられたものだが、国家組織の構成員は、縁がない人々の自由や命を尊重する意識が希薄で、懸案の問題に決着が付けられるのなら“罪に陥れる工作”もいとわないもののようだ。
人々を戦場に大量動員することさえいとわないのだから、何人かを冤罪に仕立てて問題を解決してしまうことくらいなんとも思っていないのだろう。
和歌山カレー事件は、過去に何度か投稿したが、自白はともかく、物証や目撃証言(番をしていたかどうかではなくヒ素を混入した場面)がないまま死刑判決が確定した冤罪事件だと思っている。
(百歩譲ると、仮に死刑囚林真須美さんの犯行であったとしても、その証拠がないまま有罪とされた事件であり、現在の日本国刑事裁判法理に違背するもの)
林真須美さんの犯行の可能性が高いことを示すものとして扱われた唯一とも言える証拠が、林家にあったヒ素とカレー鍋に混入するために使用されたとする紙コップに付着していたヒ素の“同一性”認定であった。
それゆえ、“心証”や“メディア醸成の世論”を別にすれば、ヒ素の“同一性”が否定されたとき、林死刑囚の有罪の根拠も同時に喪失してしまうのである。
オリジナルスレッドの記事から抽出するかたちで要点を示すと、(「中井鑑定」というのは、検察から依頼されて9個のサンプルに含まれるヒ素を鑑定した内容)
○ 林家で発見されたヒ素とカレーにヒ素を混入されるために使われた紙コップに付着していたヒ素とは、軽元素の不純物の含有量が一致していないまったくの別物
○ 林家のヒ素よりも紙コップに付着していたヒ素の方が、3倍から7倍も純度が高いもの
○ 「中井鑑定」はサンプルのヒ素がいずれも同じ起源と判断したが、その地域で流通していたヒ素がほぼ同じドラム缶に入って中国から輸入されていたものだから当然の話
○ 「中井鑑定」は、中井教授が、検察から依頼されたヒ素の「異同識別」という鑑定嘱託書の意味をヒ素の起源が同一かどうかの鑑定だろうと解釈して行ったもの
○ 「中井鑑定」は9個のサンプルが起源を同じにしているというものでしかなかったのに、メディアのみならず裁判所までが、「林宅と紙コップのヒ素が一致」と解釈し、林死刑囚を有罪する決め手として扱った。
「中井鑑定」に対するこのような評価は、鑑定の判断自体は正しいものであったとしても、鑑定結果が裁判官に誤って解釈されたことで林死刑囚の有罪判断につながったことを示唆している。(検察がそのように強く主張したのだろうが、判断を下すのは裁判官)
記事は、「河合教授が弁護側からの依頼で、単純に中井鑑定の結果を「林真須美氏が犯行を犯していない可能性」を裏付けるために再度検証した結果、不純物の組成などから、中井鑑定はむしろ真須美氏が犯行をしていないことを裏付けるデータを提供していたことがわかった」ともある。
しかし、「中井鑑定」は、あくまでも、「林家にあったヒ素と紙コップに付着していたヒ素が同じ組成のヒ素ではない」というだけであって、「林真須美氏が犯行を犯していない可能性」や「中井鑑定はむしろ真須美氏が犯行をしていないことを裏付けるデータを提供していた」といった性格のものではない。
林死刑囚が紙コップに付着していたヒ素を手に入れカレー鍋に混入した可能性をきっぱり否定できる証拠もないからである。
「中井鑑定」は、林死刑囚を有罪にできる証拠ではないというレベルで評価しなければならないし、林死刑囚の有罪を覆すためにはそれで必要十分なのである(まっとうな裁判所であるなら..)。
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