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東京都三鷹市で2013年、高校3年生の女子生徒(当時18)が刺殺された事件で、殺人と銃刀法違反、住居侵入の罪に問われた池永チャールストーマス被告(22)の控訴審判決が6日、東京高裁であった。大島隆明裁判長は、懲役22年とした一審・東京地裁立川支部判決について「起訴されていない名誉毀損(きそん)罪を実質的に処罰しており、違法だ」として破棄し、審理を地裁に差し戻した。「一審の裁判官の審理手続きに誤りがあった」と指摘した。
■高裁、再度の裁判員審理求める
高裁判決が確定すれば、裁判員を選び直し、審理をやり直すことになる。
一審判決は、池永被告が交際中に撮影した女子生徒の画像をインターネットで公開したことを、「被害者の生命を奪うのみでは飽きたらず、名誉をも傷つけたことは極めて卑劣。殺害行為に密接に関連する」と重視した。この点についての悪質性を公判で強く訴えた検察の主張を認めた形だ。
しかし、高裁判決は、「情状として考慮できる範囲を超えており、実質的にこれも処罰するかのような刑を裁定した疑いがある」とし、一審判決は認められないと結論づけた。
また高裁判決は、一審の公判前に争点を整理する手続きの段階で、画像の公開をどの程度まで審理するかなどについて検討した形跡がない、と指摘。「公判でもその点を明確にしないまま、検察側が重い求刑を主張するに任せた」と批判した。「裁判官のみが決めた一審の審理手続きに誤りがあり、その結果、評議の結論も誤った」とも述べ、裁判員らの判断が誤りの原因ではないと明確に示した。
高裁は「一審での証拠だけで高裁が判決を出すことも可能だが」としつつ、「職業裁判官のみで構成する高裁が独自に量刑を導くことは、国民の視点や感覚などを量刑に反映するために導入された裁判員制度の趣旨に反する」と指摘。裁判員裁判での審理を改めて求めた理由を説明した。
一審判決の量刑を不服として被告側が控訴していた。事実関係は被告側も争っていない。
■裁判官手続き「誤り」
最高裁によると、裁判員裁判の判決が高裁で差し戻されたのは、2009年に制度がスタートして以降、昨年末までに10件ある。強盗殺人事件で、殺害の共謀の有無についての事実誤認などが理由だ。
裁判員が出した結論について、最高裁は12年の判決で「事実認定がよほど不合理でない限り尊重すべきだ」との判断を示している。しかし、今回のケースは裁判官による訴訟手続きの誤りを指摘したものだ。
ベテラン刑事裁判官は、「起訴されていない事件を処罰してはいけないのは刑事訴訟法の大原則。画像の公開の話が出てくれば、それだけ裁判員の見方が厳しくなるのは分かっていたはず」と指摘。「裁判員裁判が国民の率直な意見を反映するものだとしても、法律のルールを超えたところで判決を出してはいけない」と述べた。
別の刑事裁判官は「起訴されていない罪を量刑に加えたとして破棄されたケースは異例だ。責任は裁判官にあり、裁判員のせいではない。公判前に争点を整理する段階で、検察官が画像公開の悪質性について立証しようとしているときに、プロの裁判官が証拠内容や証人の数などをしっかり吟味すべきだった」と述べた。
(石川瀬里、西山貴章)
■遺族「不当だ」
女子生徒の両親は、「破棄差し戻しの判決は不当です。(一審判決の)懲役22年は軽すぎる。画像を流したことが重く処罰されすぎているとは考えられない。まだ裁判が続くと思うと、とてもつらいです」との談話を出した。
■検察「予想外」
東京高検の堺徹次席検事は「予想外の判決であり驚いている。判決内容を検討し、適切に対応したい」との談話を出した。
■被告側「妥当」
池永被告は弁護人を通じて談話を出し、「事件を起こしたことについての反省の念、被害者の方、ご遺族の方への謝罪の気持ちは、本日の判決を受けても変わりません」とした。弁護人は「判決は弁護人らの主張を認めたものであり、妥当だと評価している」との談話を出した。
◆キーワード
<三鷹・女子高生刺殺事件> 2013年10月8日、インターネット上の交流サイトを通じて知り合った元交際相手の高校3年の女子生徒を殺害しようと、池永チャールストーマス被告(22)が東京・三鷹市内の女子生徒の自宅に侵入。クローゼット内に隠れ、同日午後5時ごろに帰宅した女子生徒を自宅敷地内や路上でナイフで刺し、死亡させた。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11590583.html
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