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セックス拒否で妻殺害51歳男、裁判所に一蹴された「我慢の半生」
産経新聞 2月14日(金)21時0分配信
夫婦の性生活に不満を抱えた男は、理不尽にも妻=当時(49)=の命を奪う凶行に及んだ。殺人と死体遺棄の罪に問われたトラック運転手の男(51)の裁判員裁判で、大阪地裁は昨年12月、懲役15年(求刑懲役20年)を言い渡した。いかに妻に束縛され、我慢を重ねる生活だったか…。男は性生活をめぐる“苦悩ぶり”を法廷で切々と語ったが、傍聴者にとっては耳を疑う内容ばかり。凶行に及んだ動機を「セックスの誘いを断られた」と真剣な表情で吐露したが、裁判長からは「殺害するほどの事情とはいえない」と一蹴された。
■「常に我慢」を決意
《平成25年5月17日夕方から翌18日未明にかけ、大阪府東大阪市内の自宅で、妻の首を両手で絞めて窒息死させ殺害。同日午前9時45分ごろまでの間に、遺体を勤務先の駐車場まで軽乗用車で運び、埋めた》
男は初公判で起訴内容を素直に認めると、被告人質問では、妻に振り回されたという生活の詳細を明らかにしていった。
離婚歴が1度ある男は平成12年ごろ、仕事の配送先で妻と知り合った。結婚前に同棲(どうせい)生活を始めると、妻の要求は徐々にエスカレート。トラックの長距離配送で関東や九州に行った際、妻から「寝られへん。はよ帰ってきて」との電話があり、疲労した体にムチ打って高速道路を飛ばして戻ったことも何度かあった。
妻の要求に文句も言わずに従う理由について、男は「バツイチで失敗したくなかった。妻と一緒になるには我慢するしかないと思った」と説明。同棲(どうせい)から約1年後の15年末に結婚したとき、男はこう決意した。「自分が我慢すればうまくいく。常に我慢することを心がけた」。
だが、この決意が男の心を徐々に締め付けていく。
結婚後は妻の意向でマンション(約3千万円)を購入し、犬を同時に5匹飼った。男は「妻は潔癖症で犬の毛が付くのを嫌がり、面倒は私が見ていた」と供述。リビングに犬のスペースを作り、男は犬の毛が付かないように下着姿で世話をさせられたという。「妻が決めたルールに従うしかなかった」と声を落とした。
■セックスが“日課”に
被告人質問の話題は夜の性生活にも及んだ。
弁護人「妻には女性特有の病気があったか」
男「妻は子宮筋腫で生理痛がひどいと言っていた。痛みの解消のためにセックスをしていたが、あれはセックスではない」
弁護人「どういうこと」
男「毎日セックスをするよう言われたが、私が射精することは許されない。私も年だから射精してしまうと途中で終わるし、毎日できないから」
弁護人「どんな気持ち」
男「気持ちいいわけがない」
男が一度断った際、妻は「なんで言うこと聞いてくれへんの」と激怒。毎日の“義務”はその後もしばらく続き、1年半ほどで終わった。男は「助かったと思った」と振り返った。
18年ごろ、マンションから一戸建てに引っ越した。そこでは「アダルトビデオを見た夜はエッチする」というルールができた。ビデオを見ていない夜の場合、男が誘っても妻はきっぱりと断った。
ほかにもルールがあった。男が下着を脱ぎ、いざ事に及ぼうとすると、潔癖症の妻から「手、洗ってへんやろ」と注意された。「萎えますよね」。男は証言席でうなだれた。
■破産、別居、再び同居
一方で家計は圧迫されていた。検察側の冒頭陳述や男の供述によると、妻の発案で買ったキャンピングカー2台(計約540万円)に加え、以前のマンションと一戸建て(購入金額計約7500万円)のローンも残っていた。男は妻に言われて土日もアルバイトに出たが窮状は好転せず、22年に自己破産するに至った。
自宅の売却も余儀なくされ、男は妻と別居することにした。だが一人暮らしを数カ月続けたころ、妻から食事の誘いのメールが届き、23年9月ごろから同居生活を再開。2人は事件現場となるマンションに引っ越した。
正月やゴールデンウイークは、妻がビデオ店で映画のDVDを10〜20枚借り、鑑賞する日々が続いた。男は「勘弁してくれと思った。でも、けんかを避けたかったので口には出さなかった」と打ち明けた。
■切れた「糸」
そして事件当日の昨年5月17日も、男は妻と映画のDVDを見てから寝た。だが欲情して目が覚める。隣で寝ている妻を誘ったが、妻は「手も洗っていないし、(アダルト)ビデオも見てないやんか」と拒んだ。
この一言が引き金となった。「また、そんなこと言ってと思って…。今まで我慢していたけれど、このときは、ずっと張り詰めた糸が切れた」。法廷で声を震わせ、当時を振り返った。
男は妻の体に馬乗りになり、両手で数分間にわたり首を絞めた。妻の胸に耳をあて、ゴクンと息が止まる音を聞いた。自分のしたことが怖くなった男は犯行の隠蔽を図った。
翌18日未明に遺体に布団を巻き、破れないよう布団袋を二重にして梱包(こんぽう)。遺体を車で勤務先の駐車場に運び、目撃されないよう警戒しながら穴を掘って埋めた。
遺体の腐敗により遺棄現場が沈下し発覚するのを防ぐため、セメントをまいて固めた。さらに妻の勤務先に電話し、「鬱病で出社できない」と伝えた。
不審に思った勤務先の関係者が大阪府警に通報。男は任意の事情聴取を受けた後に逃亡して九州や四国を転々とし、5月28日に徳島県で身柄を確保された。
■「ばかだった」と謝罪
「妻は、これからしたいことがいっぱいあったと思う。その思いを一生忘れずに死ぬまで償いたい。遺族にはつらく悲しい思いをさせ、私はばかでした。すみませんでした」
妻の遺族も被害者参加制度を利用して出廷していた。男は遺族に謝罪し、泣き崩れた。
地裁は12月25日の判決公判で、男に懲役15年を言い渡した。
裁判長は判決理由で「強固な殺意に基づく悪質な犯行」と指弾。情状をめぐる被告側の訴えを「被害者との生活に不満を感じていたにせよ、殺害に及ぶほどの事情とは到底いえず、身勝手だ」と一蹴した。
男は「死ぬまで償う」との言葉を忘れなかったのか控訴せず、1審判決はそのまま確定した。
最終更新:2月16日(日)15時35分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140214-00000634-san-soci
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