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報告:無実の死刑囚 奥西勝さん・袴田巌さんを救え!12・8支援の集い(レイバーネット日本)
http://www.labornetjp.org/news/2013/1208hokoku
12月8日、東京・日比谷コンベンションホールにおいて、「無実の死刑囚 奥西勝さん・袴 田巌さんを救え!12・8支援の集い」が開催され、約180人が結集しました。名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さん(87歳)は事件発生から52年間、袴田事件の袴田巌さん(77歳)は事 件発生から47年間、無実を訴え続け、裁判のやり直しを求めています。しかも両氏は、死 刑の恐怖と長い過酷な獄中生活のなかで健康も心配です。
近年、足利、布川、東電OL事 件で再審無罪が確定する一方で、死刑再審について裁判所、検察は頑なに再審開始を阻もうとしています。そこで本集会は、無実の人を死刑にしないため、多くの人々に名張、 袴田両死刑再審事件の真実を知らせるために開催されました。
集会は実行委員会の主催で、「冤罪File」が協賛。主なプログラムは次の通りでした。@開会あいさつ:中津宏実行委事務局長、A記念講演「死刑再審事件の現状と課題」:大 出良知教授(東京経済大学)、Bサックス演奏:中川美保さん(ピアノ伴奏:阿部由紀子さ ん)、C名張毒ぶどう酒事件緊急報告:野嶋真人弁護士(弁護団)、D冤罪袴田事件朗読 劇「無実の死刑囚:袴田巌の手紙」(側見民雄さん、田中泰子さん)、E集会アピール採 択:桜井昌司さん(布川国賠訴訟・請求人)、F閉会あいさつ:客野美喜子(実行委員長)。
大出教授の講演では、最高裁「白鳥決定」の意義、不十分な証拠開示、「合理的な疑い」などをめぐって問題提起があり、質疑応答も活発になされました。名張毒ぶどう酒事件弁 護団の野嶋弁護士は、奥西さんの病状報告と、第8次再審請求に対する決意を表明。朗 読劇「袴田巌の手紙」では、台本朗読とスライドと音楽とが組み合わされ、袴田さんの思いが伝えられました。集会アピール採択では、布川事件元当該の桜井さんが「死刑囚は大変です。自分は無期懲役だったので気楽だった」と明るく語り、会場はどう反応していい のか困りました。しかし、アピール文案を読み上げ始めると、桜井さん(写真下)は途中で何度か声を詰まらせました。満場の拍手により採択を確認。最後に東電OL事件支援の客野さん が、会場の中の冤罪事件支援者らを紹介して、集会を終えました。
(以下、配付資料より引用)
◇無実の死刑囚奥西勝さん・袴田巌さんを救え!12・8支援のつどいアピール:無実の死 刑囚 奥西勝さん・袴田巌さんに、即時「再審開始」と「刑の執行停止」を!(一部略)
この21世紀の法治国家において、無実の人が処罰されることなど、絶対にあってはなり ません。いかなる刑罰であっても、その人の社会生命を傷つける深刻な事態を引き起こし ます。ましてや、「死刑」という人命そのものを奪う究極の刑罰であれば、なおさらのこと、 誤判は取り返しがつきません。だからこそ、この国の法律は、有罪が確定してもなお無実を訴える者に、再審請求権(裁判のやり直しを求める権利)を認めているのです。
ここに、半世紀にもわたって、裁判のやり直しを求めている二人の死刑囚がいます。名張 毒ぶどう酒事件の奥西勝さん(87歳)は事件発生から52年間、袴田事件の袴田巌さん(77歳)は47年間、死刑執行の恐怖と長年の拘禁生活による病魔と闘いながら、文字どお り“命がけ”で無実を叫んでいます。
奥西勝さんの半生は、司法判断に翻弄され続けました。もともと一審は無罪でした。いっ たんは再審開始も認められました。少なくとも6人の裁判官が有罪に疑いを抱いたので す。奥西さんは、2005年名古屋高裁に提出した意見書の中で、こう訴えています。
「私は死刑判決を受けましたが、無実です。どうか、一日も早く再審開始をして下さって、えん罪を晴らしてください・・・午前中は、恐怖と苦悩の時間です。昼食の配給があるとホ ッとし、それ以外の時間は地獄の中で生きているようなものです。夜、布団の中に入ると、このまま夜が明けてくれなければよいのにと思う事がよくあります」
現在の奥西さんは、もはや自分の口から食べものを摂ることも、声を出すこともできませ ん。今年5月、痰が喉につまって危篤状態に陥り、奇跡的に持ち直したものの、気管切開を受けたため、発声できなくなってしまったのです。八王子医療刑務所のベッドに横たわ り、ひたすら朗報を待ち続ける奥西さんの再特別抗告を、最高裁は、10月16日、無慈悲にも棄却しました。
「これに打ち負けるわけにはいきません。命ある限り無実を訴え続けたい。裁判官が何と言おうと私は無実です」(1997年1月第5次棄却時のメッセージ)。奥西さんの心の叫びが、 今度こそ、第8次再審請求審の裁判官に届くことを信じてやみません。
元プロボクサーの袴田巌さんは、かつて、獄中からの手紙に、こう書き記しました。
「私の心身は反則によってKOされたまま踏みにじられている。そのKOの底に身を横たえ てしまうしかないのか。そして1日1日と正義を殺されていくのか。これが私の生である。私の無念とするところである」
まさしく、この手紙にあるとおり、捜査機関の「反則」が、今や次々と暴露されています。犯 行着衣とされた「5点の衣類」は、当初から捏造の疑いが持たれていましたが、最新のDNA型鑑定によると、なんと付着していた血液は、被害者のものでも袴田さんのものでも なかったのです。
今年7月に開示された証拠の中には、袴田さんの弁解どおり、事件発生当時、袴田さん が従業員寮の自室で寝ていたことを示唆する捜査報告書があることがわかりました。こ のような証拠捏造や証拠隠蔽という捜査機関の犯罪的行為が明らかになった以上、これ でもなお再審を開始しなければ、著しく正義にもとると言えるのではないでしょうか。
私たちは、奥西勝さんと袴田巌さんに対する「司法の正義」を強く求めます。
12・8集会参加者一同
◆名張毒ぶどう酒事件:1961年、三重県名張市葛尾の公民館で行われた懇親会でぶど う酒に毒が入っており、飲んだ女性5名が死亡、12名が蛋軽傷を負った事件。犯人とされ た奥西勝さん(当時35歳)は過酷な取調べを受け、虚偽の自白をしましたが、その後一貫して無実を主張しています。しかし1審の無罪を2審で逆転死刑とされてしまい、無実の死 刑囚として裁判のやり直しを訴え続けてきました。2005年4月5日、第7次の再審請求審で名古屋高裁刑事第1部は、ついに再審開始と死刑執行停止を決定しましたが、検察側の異議申立てを受けて再審開始の取り消しを決定。2013年10月16日、この決定を最高裁判 所第一小法廷が追認。これにより再審の道はまたしても閉ざされる結果となりました。2013年11月5日、第8次再審請求を名古屋高裁刑事第一部に申立。
◆袴田事件:1966年、静岡県旧清水市で味噌会社専務一家4人が殺された強盗殺人放 火事件が発生し、袴田巌さんが逮捕)ざれた。袴田さんは裁判では一貫して無実を主張し ましたが、事件から1年Zか月後に工場の味噌タンクから血染めの「5点の衣類」が発見さ れ、これが袴田さんの犯行着衣であるとされ、1980年に最高裁で死刑が確定しました。第2次再審請求審では、袴田巌さんが無実であることを示す多数の証拠が検察によって長 年隠されていたことが判明。さらに、DNA鑑定や証人尋問など一連の事実調べの結果、 袴田さんを有罪とする決定的証拠とされた「5点の衣類」についても、袴田さんが犯行時に着ていた衣類であるとする確定判決の誤りが明らかにされた。来春にも決定が予定され ている。
※集会実行委員会・構成団体:名張毒ぶどう酒事件・奥西勝さんを守る東京の会、袴田 巌さんの再審を求める会、大崎事件首都圏の会、冤罪・北陸クリニック事件を支援する関 東連絡会、冤罪・豊川幼児殺人事件を支援する東京の会、冤罪・布川事件の国家賠償 請求訴訟を支援する会、なくせ冤罪!市民評議会、再審・えん罪事件全国連絡会、日本 国民救援会中央本部、同東京都本部、同千葉県本部、同神奈川県本部。
【報告】佐藤和之(佼成学園教職員組合)
【写真】http://blogs.yahoo.co.jp/tocka_jikkoi/64800239.html
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