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9月12日の第30回再審請求三者協議において、高知地裁武田裁判長は次回10月22日に結審するとが弁護団に宣言した。この三者協議において重要な証拠を提出していた弁護団は猛反発。その場で裁判官忌避を申し立て席を立った。
関連記事 http://zassouharu.blog.fc2.com/blog-entry-501.html
以下 支援者のブログ「高知白バイ事件=冤罪事件確定中」より転載
http://blogs.yahoo.co.jp/littlemonky737/68595989.html
2013年9月12日 高知白バイ事件再審請求三者協議において、弁護側は「新証拠」として意見書2件を提出し、その証拠調べと弁護側鑑定人の証人喚問を要求した。これに対し武田義徳裁判長は、証拠調べや証人喚問の必要はないとして弁護側に「次回結審」を宣告した。
裁判長は弁護側の提出した「意見書を熟読したうえで、証拠調べの必要はない」と判断したと、却下の理由を弁護側に伝えた。その一方で弁護側鑑定人の証人尋問却下は次のようなものであった
「専門家の話は聞いてもわからない」
言うまでもなく、専門用語のならぶ意見書よりは口頭の方が理解が容易なのは一般的だ。わからないところは質問すればよい。しかし、意見書の内容を理解できても、その意見書を書いた専門家の話は理解できないとは、矛盾している。
明らかに、その場しのぎの理由を立て証拠調べを却下している。これ以上の事実解明を拒否し、検察に不都合な証拠をないものとして審理を終了するつもりなのだ。そして、武田裁判長はこれまで提出してきた証拠を再審請求に必要とされる新証拠ではないとして、予断に満ちた訴訟指揮により再審請求却下することがはっきりとした。
弁護人はその場で「不公平な裁判をする虜」の可能性が高いとして刑訴法第21条に基づき武田裁判長に忌避の申し立てを伝えた。
今回提出された意見書の中ではネガ捏造の具体的な方法を提示している。また、実際にデジタル処理による方法で、高知県警の現像システムとほぼ同じシステムでネガフィルムを合成して、そのフィルムも証拠品として提出されている。この方法で合成されたネガフィルムでは「ドット痕」が不鮮明であることも確認され、その理由も意見書の中で説明されている。
今回の記事では裁判官忌避申し立ての理由を理解してもらうために。これまでの三者協議の内容をお伝えする。
裁判官の交代前の三者協議の経過の概要
1 三者協議開始後、平成25年2月28日の第27回三者協議までは、裁判長裁判官平出喜一、主任裁判官大橋弘治、裁判官佃良平が担当し、担当検察官は杉山一彦であった。
平出裁判長以下、本件が警察の権力犯罪の可能性のある事件であるにもかかわらず、裁判官らしく中立公正の立場から真実の究明に積極的に努力してきたと評価できる。
裁判所として、自動車工学の見地からの専門家の意見を求め、また画像解析の専門家である三宅洋一千葉大名誉教授の私的鑑定に積極的に協力するなどしてきた。
また、杉山検察官も弁護人らの要求する証拠の開示要求に対して、誠実に対処してきた。写真撮影報告書のネガの開示をしたことは、真実探求の職責を負う検察官の対応として評価できるところである。
2 このように再審の手続が進められ、平成23年11月11日付けで、交通事故鑑定人の大慈彌雅弘氏の鑑定書が出され、平成24年6月27日には同鑑定人の証人尋問が行われた。
大慈彌鑑定人に、裁判所選任の鑑定人として、スリップ痕等の自動車工学的鑑定を依頼するのに並行して、申立人は三宅洋一名誉教授に画像解析の専門家としての意見を求める依頼をしており、平成23年10月20日付で三宅洋一氏の「解析書」を提出した。
この「解析書」では、開示されたネガフィルムの画像も検討した上で、画像解析の専門家としてスクールバスのスリップ痕や白バイの擦過痕(ガウジ痕)とされる痕跡は、画像を分析しても本物のスリップ痕のようにタイヤのゴム質の付着が見られず、また、本物の擦過痕のように路面のエグレが認められないので、いずれもねつ造されたものである可能性が高いとの判断をするものであった。
この三宅解析書の意見が、正しいものであれば論理的に当然のことではあるが、タイヤ痕は走行中のバスの挙動によって印象されたものであるとの前提で行う大慈彌氏の鑑定意見は意味をなさないものとなる。
3 大慈彌鑑定人は、鑑定書において、タイヤ痕には溝がないからブレーキ痕(縦滑り痕)ではなく、ヨーイング痕(横滑り痕)であり、バスはブレーキを踏んでおらず横滑りの抵抗で停止したものであるとした。これは、専門家も含め誰も予想し得なかった判断であり、確定判決のスリップ痕(ブレーキ痕)であるとの認定とは全く異なる前提に立ちつつ、走行しているスクールバスに白バイが衝突して横滑りが生じたものであるとして、結論としての衝突形態は確定判決の認定と異ならないものとなった。
しかし、タイヤ痕が横滑り痕であるとする見解は、科学的・自動車工学的に正当に論証しうるものではなく、大慈彌鑑定人の証人尋問において次々と破綻を来たし、次々と鑑定書の判断を変更せざるを得ず、とうてい信用できないものであることが明らかになった。
4 再審審理手続において、自動車工学の観点からの鑑定、鑑定人の証人尋問を行うのと並行して、申立人は、三宅鑑定人に上記「解析書」をさらに深めた画像解析を行う鑑定書の作成を依頼した。三宅鑑定人は長く千葉大学の教授をされており、国際的にも知られた画像解析の第一人者であるとともに、警察庁警察研究所顧問や警視庁刑事局鑑識課顧問などを歴任され、捜査における画像の取り扱いや画像の分析を指導してこられた方でもある。
三宅鑑定人は、上記の「解析書」作成に当たっての分析・検討を踏まえ、鑑定に着手するに際して、開示されたネガが、「カメラで撮影された原板、いわゆる一次的なものなのか、それとも何らかの画像処理を行った後にインクジェットプリンターなどによる出力画像をネガフィルムに記録した2次的なものなのかについて疑念が生じた。そこで、そのいずれであるかを確定するために、ネガフィルムの粒子を顕微鏡で撮影して確認」(平成23年12月1日付け調書)したいとされ、この顕微鏡撮影の作業を千葉大学の研究室で行うことを提案した。
しかし、裁判所としては、鑑定の前提資料となる顕微鏡撮影写真の中立性・公正性を確保するために第三者機関による顕微鏡撮影にこだわったために、顕微鏡撮影のノウハウを有する第三者機関を見つけ、これに依頼するのに時間を要することになった。
5 このような経過を経て、平成24年7月19日に、〇○市の(株)NA社で検証手続として光学顕微鏡撮影を実施した。
光学顕微鏡撮影の結果は、弁護人に託された上で、三宅洋一氏に託され同鑑定人のの鑑定書の提出を待つことになった。
平成24年11月21日の3者協議において、平出裁判長は、杉山検察官に対して三宅鑑定書に対する対応の見込みを尋ねている。杉山検察官は、鑑定書の内容次第であるとしながら、予定される検察側の対応として
@ 専門家作成の反対意見書の提出
A 三宅洋一氏の証人尋問
B @及びAの両方
C 何も行わない
の4つを挙げている。
検察官の取るべき対応として首肯しうるものである。
検察官が、AもしくはBの選択肢を選び、三宅鑑定人の証人尋問を申請すれば、およそ裁判所がこれを却下することはないであろう。
6 平成25年1月下旬に三宅鑑定書が提出された。同年1月28日付け三宅鑑定書と同時期に「大慈彌氏作成の鑑定書および尋問調書に対する意見書」(川上意見書)が裁判所に提出された。
両書証が提出された後の三者協議は同年2月28日に行われた。
この三者協議において、平出裁判長が今後の予定を尋ねたのに対し、主任弁護人は三宅鑑定書、川上意見書に対しては最終意見書で弁護人として意見書をまとめる予定であるが、三宅鑑定人の証人尋問等が行われれば、その後に意見書を提出することになると答えた。
杉山検察官は、三宅鑑定書に何らかの対応は行うが対応方法等は検討中であるとした。
7 平成25年3月26日の三者協議で、平出裁判長の問に答えて杉山検察官は、三宅鑑定書及び川上意見書のいずれに対しても専門家又は専門機関の意見を踏まえた反論的資料を書面で同年5月10日までに提出すると発言した。
平出裁判長は、今回限りで裁判長と主任裁判官が移動となることを告げ、現在の構成の裁判所で判断ができなかったことは残念ですと発言された。
検察官が提出予定とした三宅鑑定書に対する意見書は、平成25年4月16日付けで作成され、まもなく提出されたが、作成者は第三者専門家ないし専門機関ではなく、警察庁科学警察研究所の技官2名であった。
また、川上意見書に対する「反論的資料」として提出されたのは同年4月9日付け捜査関係事項照会書に対する同年5月5日付けの株式会社知能自動車研究所山崎俊一氏作成の回答書であったが、これは川上意見書に対する「反論的」意見書ではなく、裁判所が大慈彌鑑定人に鑑定を求めた事項とほぼ同じ内容について意見を述べるものであった。
大慈彌鑑定人が横滑り痕としたタイヤ痕につき、確定判決の判断と同じスリップ痕(ブレーキ痕)であるとしながら、結論部分(衝突態様等)は大慈彌鑑定書とほぼ同様の内容となっている。
大慈彌鑑定人はタイヤ痕はブレーキ痕ではないといい、山崎回答書ではブレーキ痕だという。常識的な評価として、このように専門家の評価がわかれるタイヤ痕なるものは、はたして本当にタイヤ痕なのかとの疑問が生じるのを禁じ得ないし、ブレーキ痕であることを前提として有罪認定した確定判決の判断は、改めて見直しを余儀なくされるであろう。
以上
次回は「三宅鑑定書及び同意見書の概要と「新証拠」としての可能性」について
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