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「『捏造の科学者』をめぐる疑問点」(EJ第4085号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/423070654.html
2015年07月28日 Electronic Journal
須田桃子著『捏造の科学者/STAP細胞事件』(文藝春秋)
が発刊されたのは2014年12月30日です。著者が「あとが
き」を書いているのは、11月14日のことであり、11月初旬
には脱稿し、年内に印刷を終えていたものと思われます。
本書は、第46回大宅壯一ノンフィクション賞受賞作品です。
STAP細胞が発表された2014年1月28日からほぼ時系列
的にこの事件をていねいに追っており、科学的な知見に基づいて
論点が整理されていることから、この事件を振り返るのに貴重な
文献になっています。
本書刊行の企画がいつ立てられ、いつ頃から執筆に着手したか
は不明ですが、おそらく論文について数々の疑惑が噴き出し、そ
れが容易なるざる事態になってきた5〜6月頃だったのではない
かと思います。本書にはいくつかの疑問点があります。
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1.事件を時系列に追っているのに、肝心の論文の調査委員会の
最終報告書が出る前になぜ刊行したのか。
2.著者は毎日新聞科学環境部の記者で、内容は取材を通じて得
た情報であるのになぜ文藝春秋社なのか。
3.本書の内容は、一貫して「小保方捏造説」を裏付ける内容に
なっているが、公平さに欠けていないか。
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「1」は本の刊行日の問題です。
なぜ刊行日を問題にするのかというと、本書が印刷され、製本
化されている12月に理化学研究所による2つの調査報告が行わ
れているからです。
2つの調査報告とは、小保方氏が参加した「STAP現象の検
証結果の報告」(2014年12月19日)と「研究論文に関す
る調査委員会の報告」(2014年12月25日)の2つです。
これら2つの報告は、理化学研究所によるSTAP細胞事件に
関する最終報告であり、本書が主張する「STAP細胞は存在し
ない」という推論に影響を与える重大な報告であるはずです。そ
れも何ヶ月も待つ必要はないのです。約1ヶ月後に報告が出るの
に、なぜそれを待たずに刊行を急いだのでしょうか。
「2」は本の出版社の問題です。
本書の著者は毎日新聞の科学環境部の記者です。新聞社ですか
ら、当然毎日新聞出版という出版会社を持っています。しかも、
本の内容は著者の日常業務である取材を通して得た情報をベース
にしており、通常であれば自社グループの出版会社を使うもので
すが、なぜ、文藝春秋社からの出版になったのでしょうか。大宅
壯一ノンフィクション賞との関係があるのでしょうか。
「3」はコンセプトの問題です。
この本のコンセプトは科学の不正の追及です。それもこの本の
執筆時点の段階ではまだ白黒のついていない2人の科学者の不正
を暗示して『捏造の科学者』のタイトルを付けています。これは
かなり大胆なタイトルであるといえます。
もし、12月の理研による2つの調査報告の結果、「STAP
細胞は存在する」という結論が出たら、かなりリスキーなことに
なるはずです。それとも取材によって「そういう結論は出ない」
という感触を掴んでいたのでしょうか。
『捏造の科学者』に関するこれらの指摘は「小保方博士の不正
報道を追及する有志の会」(以下、有志の会)のブログで主張し
ているものですが、理研の調査報告を待たなかった理由について
有志の会は次のように述べています。
─────────────────────────────
『捏造の科学者』は、同賞の第46回(2015年)書籍部門
を受賞している。もしかして・・・と思ってネットで調べると、
第46回の賞の対象は「前年1月1日から12月31日までに発
表されたもの」とある。2014年度中に発行された書籍でなけ
れば、第46回のノミネート対象にならないということだ。調査
委の結論を待たず刊行を急いだ理由は、このためだったのではな
いか。 http://bit.ly/1g8qiN7
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『捏造の科学者』の発行日が2014年12月30日になって
いるのは上記のような理由だったということであれば納得がいき
ます。年末は書籍が売れる時期ですが、そのためには12月のは
じめから本を書店に出す必要があります。
しかし、本書が書店に出たのは1月7日からなのです。ちょう
ど理研の調査委員会の最終報告の結論が「STAP細胞は存在し
ない」であったので、それが格好の宣伝となって、大幅に売り上
げを伸ばし、大ヒットになったのです。
私は『捏造の科学者』が12月の理研の2つの報告を待たずに
発行したのは、次の3つの理由があると思っています。
─────────────────────────────
1.理研としての結論が出る前に出版することによって、結
論前が免罪符になる。
2.毎日新聞としては、別の出版社から刊行することで、リ
スクから逃れられる。
3.理研の結論が本の主張と同じであれば、タイミングが絶
妙なので本は売れる。
─────────────────────────────
『捏造の科学者』の著者が一番心配したのは、おそらく小保方
氏が参加して行われた再現実験が成功することです。しかし、そ
れはまずあり得ないという確信を須田記者は取材から得ていたも
のと思います。この著者の確信は現実になり、本は好調に売れて
大宅壯一ノンフィクション賞に輝いたのです。
本書の著者の須田桃子氏は、本のあとがき(2014年11月
14日)で、「ごく最近、これまでの認識が覆されるような驚く
べき情報を幾つか耳にした」と述べています。これは一体何のこ
となのでしょうか。明日のEJで引き続き追及します。
── [STAP細胞事件/058]
≪画像および関連情報≫
●須田桃子記者にインタビュー/動画あり
───────────────────────────
──まず本のタイトル「捏造の科学者」。この直接的な表現
が、最後まで釈然としなかったSTAP細胞事件の核心を表
現していますね。
須田桃子記者:理化学研究所の調査委員会は昨年12月、公
式見解として「STAP細胞はES細胞(胚性幹細胞)が混
入したものだ。ただ、意図的な捏造があったかどうかは分か
らない」と言っています。でも私は、1年以上にわたるさま
ざまな実験と解析の中で、すべて偶然にES細胞が混入した
とは思えないんです。しかも1種類のES細胞ではなく、そ
の都度、違う系統や違う種類のES細胞が混入している。そ
れが偶然に起こることはあり得ないので、やはり誰かが意図
的に混ぜたのだと確信しています。
──誰が混入したかについて理研調査委は結論を出していま
せん。「誰がなぜ、どのように」という核心に迫らず、結論
を出さずに終了したんですね。
元村有希子編集委員:研究不正の調査って、警察の捜査では
ないので限界があります。相手を問いただしても、「いや私
は絶対にやっていません」と言われたら、別の証拠がない限
り、信じるしかない。決めつけられないんです。いま刑事告
発はされていますけど。
須田:今回の事件に直接関係しない元理研研究者による刑事
告発ですね。本来は理研が告発してもおかしくないという声
もあります。 http://bit.ly/1gRjgws
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