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「STAP事件はミステリーである」(EJ第4084号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/423015749.html
2015年07月27日 Electronic Journal
雑誌『文藝春秋』の2015年5月号に、次の異色の対談が掲
載されています。
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◎「小保方事件の謎に迫る/STAP細胞/なぜ不正に手を
染めたのか」
対談:宮部みゆき(作家)
須田 桃子(毎日新聞環境部記者)
──『文藝春秋』/2015年5月号
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まさに異色の対談というべきでしょう。なぜ、STAP細胞事
件について、宮部みゆき氏のようなミステリー作家が出てくるの
か意外ですが、宮部氏はこの事件は「ミステリーである」といっ
ているのです。この点は私と同じですが、何がミステリーなのか
という捉え方は宮部氏とは違います。
宮部みゆき氏は、対談の冒頭でこの事件はミステリーとしては
低レベルであるとして次のように述べています。
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それにしても謎の多い事件でしたね。まず、昨年の1月の論文
発表から1ヶ月も経たないうちに不正疑惑が指摘されたというこ
とは、すぐバレるレベルの捏造だったということですよね。何十
年も誰も気付かないようなハイレベルな捏造であればミステリー
的にも納得がいくのですが、こんなに早くバレてしまうなんて、
これが小説なら編集者に「プロットを練り直してください」と言
われてしまいますよ。 ──宮部みゆき氏
──『文藝春秋』/2015年5月号
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このように宮部氏は最初から「小保方氏の捏造」と決めていま
すが、昨年暮れの桂勲委員長による理研の調査委員会の結論が出
ているので当然ではあるものの、ミステリー作家であれば、その
ウラ事情にも切り込んでほしかったと思います。
宮部/須田対談の中間部分には、ES細胞の混入に関する話も
出てきます。ここでも宮部氏は、小保方研の冷凍庫から「ES」
と書かれたチューブが見つかっている事実だけをもって、小保方
氏がES細胞を混入させたと単純に考えているようです。
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宮部:私、小保方さんが行った記者会見を、テレビで、食い入る
ように見たんです。ですからはっきり覚えているのですが
STAP細胞は混入したES細胞ではないのかという質問
に対して小保方さんは、「研究室ではES細胞のコンタミ
(混入)は起こり得ない状況を確保していた」と、いいお
声ではっきりおっしゃっていました。でも、須田さんが取
材して、実は小保方さんの研究室にはES細胞があったこ
とがわかった。「ES」と書いた入れ物が残っていたと、
その写真までこの本に載っていますね。これだけ一流の科
学者たちが集まっているのにこんな杜撰なことが起こった
ことが、本当に不思議です。
須田:私たちジャーナリズムも、論文発表当初は懐疑的な視点で
取材をしていなかったかもしれません。私iPS細胞の時
にも取材したのですが、この時もやはり、誰もが起こり得
ないと思っていたことが起こってしまったわけです。この
経験があったから、今回も、多くの研究者やメディアがあ
まり疑うことをせずに受け入れてしまったという面はあっ
たと思います。 ──『文藝春秋』/2015年5月号
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ES細胞が入った「ES」と書かれたチューブは、7月23日
のEJ第4082号で述べたように、若山研が2014年6月に
京大の大田博士に依頼して取り寄せたアクロシンGFPが組み込
まれたES細胞の一部であると考えられます。それまでには若山
研にも小保方研にも存在しないはずの細胞です。
それが小保方研の冷凍庫から見つかったとすれば、これは小保
方氏以外の誰かが冷凍庫に置いたとしか考えられないのです。小
保方氏は2014年6月時点では入院しており、研究室には行っ
ていないのです。それでは、誰が、どのような目的で、「ES」
と書かれたチューブを小保方研の冷凍庫に置いたのか。そうであ
るとすると、これこそ本物のミステリーになると思います。
もっとも宮部みゆき氏は、この対談ではなく、須田桃子氏の著
書『捏造の科学者/STAP細胞事件』(文藝春秋)の書評にお
いて次のように書いています。
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自分はミステリー作家だが、推理小説での犯人探しの基本は、
「その結果で利益を得る者は誰か」ということだ。その観点を念
頭に推理小説を読むように本書を読了し、悲しみと共に愕然とす
るのは、STAP細胞事件には、この「利益を受ける誰か」が存
在しなかったということだ。
誰にもいいことがなかった。誰もが傷ついた。犯罪がペイしな
いように、捏造もまたペイしない。それは希望のみを優先し、地
道に一歩ずつ現実を切り開く科学的なものの考え方に背く行為で
あり、結果として、大切だったはずの希望をも打ち砕いてしまう
のだ。 ──宮部みゆき氏 http://bit.ly/1OnDOqW
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宮部氏のいう通りなのです。STAP細胞事件の関係者全員に
何も良いことはなかったのです。誰もが不幸になり、笹井氏にい
たってはこのことが原因で自殺しているのです。死者が一人出て
いるのです。
しかし、この事件をもっと深く考えてみると、宮部みゆき氏の
いうように受益者はゼロではないのです。いや、受益者というよ
りも、STAP細胞が消えてなくなることによって利益を受ける
人、いや企業、いや業界はあるのです。STAP細胞事件のウラ
には深い闇が存在しているのです。
── [STAP細胞事件/057]
≪画像および関連情報≫
●STAP論文の調査委員会報告に疑義を唱えるブログ
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2015年5月10日に発売された文藝春秋5月号に、毎
日新聞/須田記者と作家の宮部みゆき氏の対談が載っていま
す。「小保方事件の謎に迫る──STAP細胞/なぜ不正に
手を染めたのか」とのタイトルで、「科学史に残るスキャン
ダルを読み解く」がサブタイトルです。もっともこれは、編
集部が付けたタイトルと思われ、中身を読むと、小保方氏が
積極的に捏造を働いたというところまではニュアンス的には
言っていないようです。ただ、不正を認定された部分には、
故意があった、思う通りのデータが出ないので、この程度の
操作は許されるだろうと思ったのではないか、といった指摘
はしています。
文藝春秋がこういう対談記事を載せたのは、須田記者の著
書『捏造の科学者』が文藝春秋刊で、その文藝春秋と縁の深
い大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したことによる販促的
意味合いが多分にあるのだろうと思います。対談の中身は、
断片的なやり取りに留まっており、特段、目新しい指摘等が
あるわけではありません。この対談記事ではっきりしたこと
は、須田氏の著書が11月時点での出版だったわけですが、
その後に出てきた諸材料があっても、特に考えが変わってい
るわけではなく、追加取材が必要だと感じているわけでもな
さそうだということです。「若山氏の遺伝子解析発表が契機
となって、ES細胞であることが明らかになった」と語って
いますから、あの発表の間違いがあっても若山氏に対する信
頼は続いているようです。 http://bit.ly/1MpfMhI
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