http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/834.html
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「【補足1】小保方氏学位論文の「不正」なるものが、論文の実質に影響を全く与えないという点について 2014/7/20」(理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問)
★下の「意外にも小保方氏の実質的潔白証明となった早大学位論文調査報告書―理研調査委とは異なり実証の積み重ね 2014/7/20」(理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問 http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/15681604.html)の続き。
(南青山)
今回の早稲田大の調査報告書の「別紙」を、改めて見てみました。
http://www.waseda.jp/jp/news14/data/140717_committee_attachment.pdf
問題箇所一覧の次に、具体的な問題として、「コピペ」の具体的内容がすべて書いてあります。思わず笑ってしまった…と言っては不謹慎でしょうか・・・?
こんな程度(と言ってはいけないのでしょうが・・・)の話が、これまで仰々しく、学位論文コピペだ、捏造だと騒がれてきた実質だったのか・・・と思うと、脱力してしまいました。
これまでの報道等では、論文の中核となる実験等の結果写真等で剽窃、盗用等の「コピペ」であったかのようなイメージでした。しかし、上記の「別紙」で分かったことは、
ほぼすべて、論文自体のテーマやそれを考察するための小保方氏自身による実験、分析とは何の関係もなく、本論に影響を与えるような次元のものではなかった。
ということです。大別すると、
@初歩的イントロ的解説のため、米国政府の基本QAの文章を使ったもの。
Aイメージを図示するときに、「クリックアート」的に図を借用したもの。
B参考文献の他の複数の書籍からの転載。
こういうものばかりだということは、「別紙」資料のP7以降を2〜3分、ざっと眺めれば理解できるかと思います。
※ 実際、報告書でも、次のように述べていますが(P53)、自らの目でみると、それは実感として理解できます。
「問題箇所@は、学位授与に一定程度の影響を与えたとはいえるが、重大な影響を与えたとまではいえず、問題箇所@と学位授与との間に因果関係があったとはいえない。」
「問題箇所Aは、マウスの成長と成体幹細胞に関する一般的・基礎的な知識をわかりやすく説明するための簡便な図であって、論文の本質的な部分ではないといえる。」
●最初の米国政府の資料などは、別紙の24ページもの分量で記載されていますが、中身は次のような基礎的解説のFAQがすべてです。
「米国政府 Institutes ofHealth 作成文書「Stem Cell Basics」2009 年版」
I. Introduction: What are stemcells, and why are they important?
II. What are the unique propertiesof all stem cells?
III. What are adult stem cells?
IV. What are the similarities anddifferences between embryonic and adult stem cells?
V. What are embryonic stem cells?
VI.What are induced pluripotentstem cells?
IV.What are adult stem cells?
なお、この序論の部分の、米国政府(NIH)の基礎的QAの利用について、早大報告書が著作権侵害と認定している点については、いくつかの論点から議論のありうるところだと思いますので、それはまた別途述べてみたいと思います。
米国法では、この部分は、政府著作物として、著作権がなく、利用が自由なパブリックドメインとなっている部分です。
●「コスモ・バイオ社ウェブサイトなどから写真を無断引用している」として、論文の信頼性のイメージ低下にむすびついた素材も、クリップアート的使い方に過ぎませんでした。36ページに掲載されています。
コスモ社の写真は、肝細胞のそれですが、ここに掲載されているのは、「三胚葉が、神経、筋肉、内臓に分かれる」という一般的話を図解している図においてです。
(注)
この点については、早大報告書では次のように書かれていて、小保方氏の供述について4つの理由をあげて、信用性が高いとしています(問題箇所Dとは、コスモ社等の写真の引用箇所です)。
=================================
「本件博士論文(注:草稿を誤って正本にしてしまったもの)には、問題箇所Dが存在するものの、小保方氏主張論文には、問題箇所Dは存在しない。
この事実に加えて、小保方氏は、問題箇所Dについて、「博士論文の初期の段階で『細胞を培養した結果、三胚葉に属する各組織の特徴を有する細胞に分化した』という関係を、一般的な多数の読者の理解を容易にするためには、その特徴を端的に示す画像を使用する必要性があるかもしれないと思い、掲載位置を吟味することなく、かつ、それに付された説明文との関係性を考慮することなく、とりあえず原稿に問題箇所Dを掲載していたものであり、もともと自分で取得したデータとして用いるつもりもなかった。博士論文では一般的な多数の読者を想定していないことから、初期の段階後の草稿ではそれを消していた。」等と供述する。
かかる小保方氏の供述は、最終的な完成版の博士論文において、問題箇所Dが存在しなかったことを示すものといえるところ、かかる供述に関しては、以下の事情が認められる。
i. 問題箇所Dの画像は、その形状等によれば、細胞がその形態を三胚葉に属する細胞に分化したことを示すものであるところ、本件博士論文には同じ事実を示す結果として、実験により得られた、Fig. 11(骨髄細胞を三胚葉に属する細胞に分化させた結果を示す染色写真)、 Fig. 12(骨髄細胞その他の細胞を三胚葉に属する細胞に分化させた結果を示す染色写真)及び Fig. 14(テラトーマの染色写真)が掲載されており、Fig. 11、12及び14に加えて、あえて問題箇所Dを掲載する必要性は極めて乏しい。
ii. 問題箇所Dは、本件博士論文第 3 章 3.3.1 項の本文 1 行目「When representative bone marrow derived〜」から 4 行目 5 語目「〜MyoD(mesoderm)and alpha-fetoprotein (AFP, endoderm) (Fig. 10).」までに記載された本文の内容、つまり、「分化した細胞が三胚葉に属する特定の遺伝子、すなわち Map2、MyoD 及び AFP を発現した」という趣旨を裏付けるものとして掲載されているところ、上記本文は、Tissue 誌論文- 43 -611 頁左欄 4 行目「When representative BM-derived〜」から 8 行目 1 語目「〜MyoD (mesoderm), and AFP(endoderm).」までに記載された本文の内容と同趣旨のものである。そして、Tissue 誌論文では、その本文を裏付けるものとして、問題箇所Dの画像とは異なり、電気泳動の結果を示すTissue 誌論文 Fig. 4 の A が掲載されている。そうであれば、本件博士論文においては、問題箇所Dではなく、Tissue 誌論文 Fig. 4 の A と同一の図が掲載されることが予定されていたと伺われる。
iii. 小保方氏の本文中の記載を裏付ける実験結果として Tissue 誌論文 Fig. 4の A が存在する以上、小保方氏としては、それを記載すれば、自己の主張の実験結果を裏付ける画像としては十分だったのであり、問題箇所Dを、最終的な完成版の博士論文に掲載する必要性は全くない。
iv. 問題箇所Dの下段 3 枚の画像の形状を分析すると、本件博士論文の他の画像と異なり、「Neuron(神経)」、「Muscle(筋肉)」及び「Hepatocyte(肝臓)」について、それぞれの組織がもつ特徴を端的に示すものであり、読者の理解を容易にするために、実際の実験結果ではなく、それぞれの組織がもつ特徴を端的に示すための画像として使用するつもりだった可能性も否定できない。
以上の事情に鑑みると、小保方氏の上記供述の信用性は高いといえ、小保方氏が真に提出しようとしていた最終的な完成版の博士論文には、問題箇所Dは存在しなかったと推認できる。」
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他にも、33ページに図の掲載がありますが、これは、X 氏「骨髄細胞の臨床応用」の図と類似とのことですが、やはり、コスモ社と同じような基礎的イントロ的話を図解するために、クリップアート的に用いられているだけです。
●「著作権侵害行為であり、かつ創作者誤認惹起行為といえる箇所」と言えばその通りで、建前としてはよくないということになるのでしょうが、もともと、草稿段階で仮置きしたものと認定されている部分ですし、それらがなくても、文字通り、びた一文、論文内容には影響を与えるものではありません。
我々も、パワーポイント資料を作るときに、それについているマイクロソフトのフリー素材であるクリップアートの絵を使って、わかりやすい資料をよく作りますが、本件で「問題」となっているのも、それと同次元のものであり、「研究不正」という場合に連想される論文の実質部分の他人の研究発表の剽窃、盗用とは次元が異なるものです。学術版クリップアート集なり、フリー素材集があれば済む話でした。
●これまで、あたかも、論文の主要テーマに関わる実験、分析等に盗用、コピペがあり、実際の実験結果の部分で他人の写真を使って捏造・改竄したかのような誤認をさせてきた(誤認をあえて放置してきた)こと、その一方で、学位論文の研究テーマは一体どういうことで、学位論文の基となったティッシュ誌に掲載された論文は、どの点が高く評価されて掲載に至り、どのような科学的意義があるのか?という本筋の話には、全く触れようとしなかったことに関して、マスコミや識者の姿勢に改めて疑問や不信を感じさせる資料でした。
小保方氏は、早期の段階で、「初期の草稿を誤って製本して提出してしまったもの」ということは述べていたわけですから、そういう視点で見れば、この早大報告書で指摘されているような(これが学位論文最終版という目で見ると容易に浮かんでくるような)疑問点は見いだせたのではないのでしょうか。
「学位論文の原稿を間違えるはずがない」という「常識」と、「間違えるなど言語道断」という「非難の心理」とによって、それ以上の検討をする気になれなかったというのはわからないでもないですし、米国政府サイトの基本QAの大量の「コピペ」のインパクトもあって、「こういうコピペを大量にする人間の論文など信用できるか!」という気持ちになったのでしょうが、ティッシュ誌掲載論文が基であることはわかるわけでしょうから、もう少し冷静に扱ってもよかったのではないのか・・・と感じます。
●ともかく、今回の早大調査報告書によって、小保方氏の「草稿を間違えて製本・提出してしまった」との主張は信用性があり、学位論文についての一連の指摘された問題点も、その取り違えミスに起因するものであると推認されることがはっきりし、研究内容もティッシュ誌に掲載された論文に基づくものとして優れたものであったことが認められたわけであり、小保方氏にとっては、実質的な名誉回復に向けた一里塚となったと思います。
早大報告書には次のような一文があります。
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「本件博士論文を作成していた当時、小保方氏がfirst author として執筆した Tissue 誌論文は、査読付欧文学術雑誌である Tissue 誌に受理されていた。したがって、小保方氏としては、Tissue 誌論文の内容を踏まえ、かつ論文審査員の指導に従い、博士論文を作成さえしていれば、本件博士論文審査には容易に合格できた蓋然性が高い。」(P38)
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