http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/781.html
Tweet |
予想に反し平年より気温が低い地域が多かった(気象庁調べ)
[ナゾ謎かがく]エルニーニョなのに寒かった 初パターン 解析これから
今冬は熱帯太平洋でエルニーニョ現象が見られたが、日本は暖冬傾向という教科書通りの展開にはならなかった。むしろ気温が平年を下回った地域が多く、東日本は4年連続の寒冬だった。エルニーニョが中途半端だったことなどが原因とみられるが、それがなぜなのか解明は難しい。
エルニーニョは赤道沿いの熱帯太平洋の東部で海面水温が平年より高く西部で低くなる現象だ。風の吹き方や上昇気流の発生と関係し、中・高緯度を含む地球全体の気象に影響する。ところが、今冬のエルニーニョは「初めて見るパターンだった」(東京大学の渡部雅浩准教授)。
熱帯太平洋東部の海面水温は高めだったが西部でも高く、東西の差が小さかった。西部では海面から深さ数百メートルまで水温が高めで、熱がたまっている状態が続いた。この付近の上昇気流が活発になって日本付近の気圧配置にも影響を与え、特に昨年12月には寒気の南下を促したようだ。
気象庁の異常気象分析検討会会長を務める木本昌秀東大教授は、海面水温の分布や日本付近への寒気流入などが「平成18年(06年)豪雪の時に似ていた」と振り返る。この時、熱帯太平洋ではエルニーニョとは逆のラニーニャが発生していた。
今年1月以降は北日本を中心に高温傾向だった。北海道では太平洋側で何度も大雪が降った。気象庁の気候情報課によると、これらはエルニーニョのせいではない。エルニーニョは早くも終息へ向かったからだ。シベリアの気温がやや高く日本に寒気を送り込む高気圧が発達しづらくなったことや、中緯度上空の偏西風の蛇行などに原因があるようだ。
エルニーニョやラニーニャは、太平洋全体の海面水温分布が10〜20年周期で変わる「太平洋10年規模振動(PDO)」と連動することが知られている。実はPDOのパターンは昨年から変化が見られていたため、今冬のエルニーニョは順調に発生し強まるとの見方が多かった。
今年のケースはPDOの状態が変化する過程で、一時的に変則的なエルニーニョが見られたのか。あるいは背景に地球温暖化などがあるのか。詳しい解析はこれからだ。将来の天候を正確に予測するには、今冬の現象をきちんと解明する必要がありそうだ。
(編集委員 安藤淳)
[日経新聞3月15日朝刊P.19]
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 環境・自然・天文板5掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。