http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/745.html
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(理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問)
http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/16253864.html
★理研はいったい何を隠蔽しようとしてるのだろう。それがこの処分決定記者会見を見て最初に思ったことだ。
★記者会見のデタラメさは以下に紹介するブログに書かれているとおり。
★では、なぜこのような支離滅裂な記者会見をするに至ったのか、しなければならなかったのか。
★最初のボタンの掛け違えを糊塗するためというのはもちろんあるだろうが、それだけでここまでデタラメをするような組織とはとても思えない。
★とすればもっと大きな何かが、背後で蠢いているということだ。こうすることで何かに蓋を被せようとしているようにしか見えない。
(南青山)
先ほど、理研の小保方氏らの処分決定に関する記者会見の録画を見終わりました。
https://www.youtube.com/watch?v=Uyelj40RxOI
お粗末な代物だと思いました(他の方の捉え方とは別の意味でですが・・・)。
本当にお粗末です・・・。理研には、こういう事務的なことをきっちりと仕切れる事務方や幹部が不在だということを、改めて痛感しました。
告訴関係の発言は、記者からも質問が繰り返し出ていましたが、一体何を言っているのか意味不明です。
第一に、処分、あるいは処分相当という場合には、処分内容だけでなく、処分理由とセットになっているはずです。それを発表資料に盛り込まず、口頭でふわっと言うのはおかしな話です。
http://www.riken.jp/pr/topics/2015/20150210_1/
一番肝心のポイントは、処分するに当たっての事実認定は、不正調査委員会の事実認定を含む結論を踏襲しているのか否かという点です。不正調査での事実認定と処分理由としての事実認定とは形の上では別物ですから、その点を明確にする必要があります。この点は、告訴云々という話とも絡んできますからなおさらです。
結局、質問に答える形で、不正調査委の報告の事実認定を踏まえた上でだ、ということがはっきりしました。
第二に、「告訴について検討している」ということについての説明が支離滅裂です。
「告発が可能かどうか、必要かどうかも含めて」「被疑者が小保方氏なのか、氏名不詳なのかも含めて」という以上は、「どういう被害があったのか」という事実関係がまず出発点になるはずです。罪状の可能性として、「ES細胞の窃盗や偽計業務妨害等」と説明していますが、それでは、「どのES細胞が理研の所有物で、それが被疑者が盗んで混入させた」という被害対象が特定され、被害意識がなければなりません。当たり前のことです。ところが、広報室長は、「何の被害かも含めて」とか「告訴に相当する案件かも含めて」とか言い出す始末で、それさえもはっきりしないのに、告訴も何もあったものではありません。
「この理研所有のES細胞がなくなったが、それは盗まれたのだ」と事実なり意識が明確であれば、被疑者不詳で告訴もあり得るのでしょうが、被害事実、被害意識さえも明確でないのに、告訴などできようはずがないでしょう。
何より、処分のところでの事実認定は、不正調査委の事実認定に基づく旨を述べているわけですから、そうであれば、ES細胞混入の経緯は不明で、故意が疑われるがそれは断定はできないというスタンスだったはずです。「盗んだ」とか「故意の混入」とかの事実認定は、不正調査委の報告にはありません。ましてや出所不明のES細胞は誰も知らなかったと言っていて、前に若山研にいたそれを作った研究者が理研を去る時に全部持って行ったと記憶している旨述べているとされているのですから、盗む行為が生じようがありません。仮に記憶違いでどこかに残っていたとしても、それは理研の所有物でもありません。
では、混入したとされるES細胞の話ではなく、小保方研にあった貯蔵庫自体の話なのでしょうか? しかし、そうではないでしょう。広報室長は質問に答えて、「ES細胞の窃盗」と述べていましたから。
結局、「〜〜も含めて検討している」と連発していましたが、大前提となる被害事実と被害意識がなければ検討しようがありません。
偽計業務妨害にしてもそうでしょう。「ES細胞をSTAP細胞と故意に偽って実験をした」という認識に立たなければ、同妨害になりようがありません。調査委では、混入の経緯は不明とされていますから、その事実認定を踏まえるというのであれば、そういう故意によるものとの認識に立てるわけがありません。
例の馬鹿な元研究者の刑事告発に引きずられて、「理研としては何も考えていないのか?!」という追及を恐れて、検討していると言ってしまったのでしょうが、輪をかけて馬鹿な話です。処分する上での事実認定は、調査委の事実認定を踏まえると言った瞬間に、刑事告訴などあり得ないということが決まってくるはずです。それをあんなことを言ってしまったから、研究費返還請求の可否の最終判断の発表の際に、告訴するしないのいずれにしても、記者からの追及を受けることになることでしょう。記者たちは、「小保方氏がES細胞を盗んだ」という頭で凝り固まっていますから、空しいやり取りが繰り返されることでしょう。
第三は、その研究費返還と検証実験費用の請求の話についてです。研究費返還の部分は、小保方氏が今回、データを操作したことを認めたとされる点については、なにがしかの責任を問われることはあり得るかもしれませんが、検証実験費用については、小保方氏に請求する筋合いではないでしょう。検証実験は、あくまで理研としての科学的見地、社会的責任の見地から、STAP細胞の有無を見極めるという趣旨で行ったものです。もし再現できないにしても、どこの段階でうまくいかないのかということの確認の意味もあったはずです。小保方氏が、故意にES細胞をSTAP細胞と偽っていた、騙していたという認識に立つのであれば、検証実験を無駄にさせたから負担せよ、という請求はあり得るかもしれませんが、そういう事実認識には立っておらず、検証実験の結論は、あくまで、「再現できなかった」で留まっています。その検証実験過程では、不正調査委の「ES細胞であり、STAP細胞はなかった」との認定と相容れない丹羽氏の実験結果も含まれています(「FI細胞の培地では、ES細胞は4〜5代の継体後に死滅した」)。
ついでに言えば、桂調査委員会で認定した「データの操作」は、「もし、本当にES細胞であったならば必要のなかった操作のはずだ」という指摘も出ているようですから、妙な構図になります。
それはともかく、いずれにしても検証実験の実施は、小保方氏に責任を問う筋のものではないことは間違いありません。
第四は、竹市氏の処分理由です。人事部長の説明によれば、「論文作成過程における多面的検討の機会を確保しなかった」、要するに改革委提言でいう「秘密主義」の責任を問うて、譴責処分(懲戒処分の一つ)にしたということだそうです。
それだったら、当時、採用後に内部セミナーを経ずに研究を進めることにした判断においては、人事委員会も加わっていたといいます。それならば、当時の人事部長ら人事委員会の判断の責任も問われてしかるべきでしょう。
しかし、そういうことを言わんとしているのではなく、あの時点では、研究のオリジナルの着想をした側のハーバード大からの共同研究の申し出を受けての研究について、特許申請前であった以上、内部セミナーであっても研究内容を発表や討論の対象にすることはあり得なかったということは、これまでの記事で縷々述べてきたとおりです。そういう判断に理研幹部や人事委員会も立ったからこそ、そういう扱いにしたのでしょう。
それを今になって、そういう判断のことはどこかに押しやって、改革委提言での指摘におもねるような処分理由を前面に出すなど、ウルトラの馬鹿さ加減にはあきれ果てます。毎日新聞の須田記者の本にも、ハーバード大バカンティ教授側からの情報管理要求には厳しいものがあったことを伺わせる一節がありましたが、あそこで公開セミナーをしていたら、ハーバード大との関係でもおそらく共同研究契約上の義務違反になった可能性は大ですし、理研の知的財産(になり得るもの)を無に帰する行為として背任に相当するものであることは、既に詳しく述べた通りです。
第五は、若山氏の件です。若山氏は、出勤停止処分相当だとあります。停職処分は1年以内の期間で定めるとのことですが、それが1年間相当なのか、半年間相当なのか、あるいは1か月相当なのかで、まったく重みが違います。その点は、記者が質問していた通り、事実認定と理由とともに、○か月相当ということは定めなければならないはずです。
しかし、ここで言いたいことはそんなことではありません。重い処分対象となったことで改めて感じますが、理研は、被調査者である若山氏とともに、遺伝子解析等をやっていたということです。例の「第三者機関に委託して」云々という分析も、若山氏のそれを一時は追認し、それとともに理研残存の細胞の分析を発表していました。本来であれば、山梨大に移ったとしても、同大に依頼して保管細胞を押さえなけれならないはずですし、不正調査の規程ではそういう条項もあったはずです。小保方氏の研究室は封鎖しておきながら、若山氏の保管資料の確保を図らないだけでなく、共同解析をしているような=調査側に位置付けているような構図にしたことは理解に苦しみます。これでは、証拠資料保全ができないどころが、不正操作も可能になってしまいます。改革委提言書では、更に遠藤氏とともに良心的研究者として褒め称え、間違った解析をそのまま採用して、世界三大不正とまで公言しました。
不正調査という以上は、小保方氏と同様、被調査者としての扱い、けじめをつけた上で、必要な協力をさせるということにするのが筋だったと感じます。小保方氏も若山氏も、同じ被調査者としての立場は同じのはずですが、なぜか、理研もマスコミも科学者も、扱いについては完全にダブルスタンダードでした。
感じた疑問は以上の通りです。
冒頭にも書きましたが、理研の事務方や幹部で、全体をみて筋道を立てて処理していく司令塔的存在がないということを改めて痛感します。最初のつまづきが文科省からの法案成立促進のための性急な調査結果の要求に屈して、STAP細胞の有無と切り離した不正調査という形にしてしまったことです。そこで初めから再現実験を含む調査ということにしておけば、また展開も違ってきたことでしょう。あとは、何度でも言いますが、支離滅裂な迷走をきわめている改革委提言をさせてしまったことです。もちろん、事務方を排除した改革委が最も悪いのですが、あんな代物を独り歩きさせてしまった理研の事務方、幹部にも大いに問題があります。
そして極め付きは、12月19日の検証実験結果を何ら踏まえない桂調査委員会報告を、その数日後に出させてしまったことです。そんな馬鹿な話はないのであって、もともと、真相究明の材料とするとの趣旨も含めての検証実験だったはずです。その実験結果を何ら顧慮しない、そして、4月の笹井氏、丹羽氏の主張や2月の若山氏の指摘とそれらの根拠材料との関係も全く無視し、整合性がつかない「ES細胞だった」との断定をさせてしまったことは、大チョンボだったと思います。もし、そういう結論にするにしても、ES細胞では説明が付かないとされている点についての考え方も盛り込むよう、桂調査委に要請するなどをしないと、理研全体として窮地に陥ってしまいます。実際、窮地に陥っています。それに気が付いていないだけです。
そして今回の、告訴を検討する云々という発言です。ダッチロールしているのは、改革委だけでなく、理研本体もそうでした。
今後、もし研究費返還要求や検証実験費用請求をしたり、まさかとは思いますが、告訴するなどということになったら、いかに自分が整合がつかない窮地に立っているかということに、遅ればせながら気が付くことでしょう。その尻ぬぐいを直接しなければならないのは、改革委の委員でもなく、調査委の委員でもなく、理研の事務方なのですから、もっと慎重なスタンス形成の検討をすべきだったのです。
どちらに転ぶにしても、理研は辛い思いを当分はすることになることでしょう。
※ 毎日の須田記者の『STAP細胞の正体』を、改めて熟読しました。「いろいろな」検討材料になるものが多々含まれていて、1600円の価値は十分あると感じました。ただし、その「いろいろな検討材料」は、毎日新聞への批判材料も含めてのことです。順次書いていきたいと思います。
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