http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/728.html
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幸運なヘビが大きなヘビの口から這い出る様子。(Photograph by Dick Mulder)
2015.01.26
http://nationalgeographic.jp/nng/article/20150123/432918/
写真は、大きなヘビに丸飲みにされた小さなヘビが見事口から脱出するところだ。撮影場所はギリシャのキルケラ島である。
この出来事を写真に収めたのはオランダ人のディック・ムルダー。キルケラ島の家の庭で死んだヘビを拾ったあとのことだった。
「死んだヘビをベランダに置かれているのを嫌がっていた妻が、ヘビは死んでいない、まだ動いていると悲鳴を上げたんです」と、彼は電子メールで当時の様子を振り返った。「本当に死んでいるよ、と妻をなだめました」が、よくよく見ると様子が違っていた。
「急いでカメラを取りに行き、ベランダに戻ると、小さなヘビの頭が見えたんです」
やがて、小さなヘビは体をくねらせながら脱出し、見るからに無傷な様子でそのまま野生に帰って行った。
「私の知る限りでは、救い主であるうちの猫“デーモン”を避けていったようです」
なりゆきはこうだ。大きなタイリクシマヘビ(学名:Elaphe quatuorlineata)がナミヘビ科の一種である小さなダールズ・ウィップ・スネーク(学名:Platyceps najadum)を飲み込んだあと、ムルダーのペットの猫に殺された。そこで、ウィップ・スネークが命からがら逃げ出したというわけだ。タイリクシマヘビはギリシャに多く生息するナミヘビ科ナメラ属の一種で、この仲間は主にネズミを捕食することから“ネズミヘビ”とも呼ばれる。2011年のことだった。
ぬるっと逃げる
この奇怪な出来事は、2015年1月、英国マンチェスター博物館で爬虫類学学芸員のアンドリュー・グレイのブログで初めて公開された。
キルケラ島のヘビに詳しいグレイによると、このようにして小さなヘビが逃れるのは非常に珍しい事例だという。彼が知っているのは、ハンターに撃たれたヘビの傷口から別のヘビが出てきた1例だけである。
ヘビはたいてい獲物を頭から飲み込むため、ウィップ・スネークが死んだヘビの口から脱出できたこと自体、普通ではない。
ヘビにとっては頭から飲み込む方が容易で、「特にネズミなどの脚は邪魔になります」とグレイは述べる。
つまり、「小さかったので、どちらから飲み込んでもよかったのでしょう」
もし捕食者の腹の中でUターンする必要があったとしても、このウィップ・スネークは、「Uターンできるくらい十分小さくて身軽だった」とグレイは推察する。
生き延びる術
身軽であろうとなかろうと、一体胃袋の中ではどのように生き延びたのだろう? 唯一考えられるのは、タイリクシマヘビが獲物を飲み込んですぐ、猫のデーモンが邪魔をしたシナリオだ。
そうでなければ、大きなヘビの胃液が小さいヘビに致命的なダメージを与えていただろうとグレイは述べる。ヘビの細さから推測すると、窒息や圧縮によって押しつぶされるより、胃液によるダメージを受ける可能性がはるかに高い。
ヨーロッパに生息するヘビの中では最も大型で、毒を持たないタイリクシマヘビであったことも、小さなヘビにとっては不幸中の幸いだった。
概して、このヘビは幸運の持ち主で、すべては猫のおかげだったと言えよう。九生もあってそう簡単には死なない猫だから、たぶん命を1つぐらい分けても平気なのだろう。
文=James Owen/訳=益永依子
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