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温暖化に挑む:平均気温の伸び停滞、なぜ 解明進む「ハイエイタス」現象、再上昇へ警告も  毎日新聞
http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/631.html
投稿者 ダイナモ 日時 2014 年 10 月 03 日 22:41:36: mY9T/8MdR98ug
 

 世界の地上の平均気温は20世紀後半以降上昇傾向にあり、人間活動による二酸化炭素(CO2)など温室効果ガス排出量増加が原因とみられている。だが今世紀に入り、排出量は増え続けているのに平均気温の伸びは鈍っている。「ハイエイタス(中断、停滞)」と呼ばれるこの現象の原因解明に向け、世界中で研究が進んでいる。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第1作業部会が公表した第5次評価報告書によると、地上の平均気温は1880〜2012年に0・85度上昇した。10年単位でみると、最近30年は19世紀後半以降のどの年代よりも暑かった。だが今世紀に入ってからは、10年当たり0・03度上昇とほぼ横ばい。この現象がハイエイタスだ。一方、CO2濃度の上昇率は、1990年代は年約1・5ppmだったのに対し、最近10年は年約2・1ppmと増加した。

 コンピューターで長期的に気候を再現・予測するシミュレーションモデルでは、2000年ごろまでは、実際に観測された気温上昇をよく再現していた。だが、ここ10年ほどは温暖化を過大に再現する傾向にある。その原因について、渡部雅浩・東京大准教授(気候力学)は、人間活動などが関係しない自然の変動▽小規模な火山噴火▽太陽活動による日射量の減少−−などをあげる。

 ●自然変動の影響で

 どの原因がどの程度影響しているかを数値化するには、まずシミュレーションで現実を再現することが必要だ。シミュレーションは実際の大気や海洋の観測データを与えずに、コンピューター上の計算だけで気温の変化などを示すのが基本だが、渡部さんらのチームは、過去の観測データを追加し、ハイエイタスが再現されるかどうかを調べた。

 着目したのは、熱帯域の海洋上の風の変化だ。これまでの研究で、人間活動の影響を受けた温暖化傾向とは関係ないことが分かっている。1958〜2012年に観測された熱帯海洋上の風向、風速のデータを加えて計算した結果、従来のシミュレーションでは00年以降も右肩上がりだった地上の平均気温が観測値とほぼ同じになった。一方、同じ条件で温室効果ガス増加を考慮しない計算では実際より0・6度程度低くなった。

 この再現を基に、地上の気温を左右する自然変動の影響度合いを数値化すると、1980年代は47%、90年代38%、2000年代27%となった。これらのことから、1980〜90年代は温室効果ガス増加に地上の気温を上昇させるような自然変動が重なり、気温上昇も加速。一方、2000年代は気温を低下させるような自然変動があったが、それを上回る温室効果ガスの影響が出てほぼ横ばいにとどまったと推測された。

 渡部さんは「シミュレーション結果と観測結果がずれているのは説得力を欠く。次のIPCCの報告書に向け、観測値を与えなくてもハイエイタスが再現できるようなシミュレーションを数年以内に実現したい」と話す。

 ●深海域に熱が蓄積

 海の熱吸収に着目した研究も進む。米ワシントン大と中国海洋大の研究チームは、水中を上下に移動できる装置を使って、世界中の海水面から水深1500メートルまでの熱の動きを追跡。その結果、気温上昇が止まり始めた1999年以降、大西洋や南極大陸を取り巻く南大洋では、海盆と呼ばれる深海域まで熱が蓄積されていることが分かった。

 地表面に蓄えられる熱の約9割が海に存在するため、チームは「海に熱が蓄積しなければ、地球温暖化に拍車をかけていただろう」と推測。さらに、過去には同様の現象が20〜35年続いていたとして、「今後15年間程度で、熱が海水面に戻ってくる可能性がある。温暖化の勢いは再び増すのではないか」と警告する。

 米海洋大気局(NOAA)のマイケル・マクファデン研究主幹は米サイエンス誌に「温暖化の懐疑論者はハイエイタス現象を理由に、温暖化が起きていないと社会を混乱させようとしているかもしれない。だが、少なくとも海洋は温まり、地球の温暖化は続いている」とコメントした。

 今年の春(3〜5月)の平均気温は、この30年平均に比べ、0・28度、夏(6〜8月)は0・31度高く、1891年の統計開始以来最も高かった。地球温暖化対策をめぐる国際的な枠組みづくりは遅れており、国立環境研究所の江守正多室長は「ハイエイタスと言われているにもかかわらず、気温の最高記録が出ている。このデータを直視し、国際社会は温室効果ガス削減策や被害軽減策の議論に真剣に向き合ってほしい」と話す。【大場あい、田中泰義】

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 ◇ハイエイタス(hiatus)

 英語で「中断」の意味。気候の研究では、地球全体の地上の平均気温の上昇率が横ばいだったり、低下傾向になったりする状態を指す。米国大気研究センターのチームが2011年ごろから使い始め、地球温暖化の停滞を意味する言葉として広く用いられるようになった。


http://mainichi.jp/shimen/news/20141003ddm013040035000c.html  

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コメント
 
01. 2014年10月04日 10:12:23 : yBG3GAzvsY
少しづつ影響要素を入れていってデータ合わせをすることは、天動説の周点円などによる近似のように、常に既存の説を維持しようとする努力で、いたし方のないことでもある。
しかし、もともと現在の大気の地球シミュレータは、海洋や地殻、太陽などについての理解が著しく欠けている。この辺りでもっと徹底的に考え直すことが求められていると思われるのだが。

02. 2014年10月05日 00:52:04 : 0h46ZgtTlu
苦しい意見ですね。

渡部さんの意見には問題があります。
渡部さんの元のシミュレーションが本当にあっていたのかが不明です。
パラメーターの調整によって、1990年までの温度にあっていたに過ぎないかもしれません。
また、なんで熱帯域の風向と風速の実データを入れたらあってきたのでしょうか。もとのシミュレーションがあっていれば入れなくていいはずであるし、入れたら似てきたということは、今まで用いていたシミュレーションに問題があるとのことです。
元状況では、何が問題であるかが特定されていないにも関わらず、その間違っているシミュレーションに温暖化効果ガスの影響を除いたtころで、出てきた0.6℃低下するはずであるとの結果に信憑性は無いと思われます。

そんな無理な研究に国費を使うのはやめたほうが良いのではありませんか?


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