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実験を続ける意味は…?(右:小保方晴子氏)/(C)日刊ゲンダイ
小保方氏のSTAP細胞 「検証打ち切るべき」と東大特任教授
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/152945
2014年8月28日 日刊ゲンダイ
「宝くじがどれくらいの確率で当たるのかということ(と同じ)。答えるのは不可能です」――。
STAP細胞が存在する可能性を問われた理化学研究所の相沢慎一特別顧問が口にした“本音”が全てを物語っていた。理研が27日、都内で開いたSTAP現象を検証する中間報告の会見。公表された中間報告の中身は「STAP現象は確認できない」という厳しい内容で、検証実験の打ち切りも現実味を帯びてきた。
理研の検証チームは当初、7月末に中間報告を公表し、8月末にはSTAP細胞の万能性を証明する「キメラマウス」の誕生を見込んでいた。ところが、会見した丹羽仁史プロジェクトリーダーらによると、STAP細胞の“発見者”である理研の小保方晴子リーダーの論文に従って計22回、再現実験に取り組んだものの、万能性の目印である遺伝子に見られる特有の緑色の発光が確認されなかったという。
「キメラマウスの誕生どころか、入り口の段階でズッコケたということ。丹羽リーダーはSTAP論文の共著者のひとりだが、その“当事者”が4カ月かかっても実験に成功せず、会見で感想を問われた際には『手ごわい』と苦笑いしていた。常識的に考えれば、STAP細胞の再現は絶望的でしょう」(科学ジャーナリスト)
検証チームは別のマウスや臓器を使って実験を続ける方針だ。しかし、「科学の設計図」である論文に沿って実験したのに、一度も成功しない時点で結論は出たようなものだ。引き続き数百万円のカネを投じて来年3月まで実験を続ける意味が全く理解できない。
11月末までの期限付きで、近く検証チームとは別に実験を始める小保方リーダーも同様だ。すでに「予備実験」に着手しているというが、内容や結果については「100メートル走の本番前に軽く走っているようなもの。申し上げられない」(検証チーム)という。つまり、7月初めの出勤から2カ月近く過ぎた今も「リハビリ中」の身ということだ。そんな状態で実験しても、残り3カ月で「成功する」とは理研も信じてはいないだろう。
それでも実験に参加させるのは、後々、小保方サイドに「STAP細胞はある」と反論されないためだ。そんな「茶番劇」に国民はいつまで振り回されるのか。「事実上の解体」が決まった理研の発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の職員が「STAP細胞と無関係の人が連帯責任を負わされるのは納得できない」と憤慨していたのも当然だ。
東大医科学研究所の上昌広特任教授も「STAP細胞を再現できると考えている科学者は世界中にいません。もう(検証実験は)打ち切った方がいいでしょう」と言い切った。
もはや検証チームの残された役目は「STAP細胞」を一刻も早く“成仏”させることだけだ。
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