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<理研>「とばっちり」…再生研規模半減 研究者不安と不信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140827-00000046-mai-sctch
毎日新聞 8月27日(水)14時31分配信
組織を「半減」させることになった理研発生・再生科学総合研究センター(CDB、神戸市)。STAP細胞論文をめぐる疑惑が指摘され始めた今年2月以降の半年間、論文不正の認定、改革委員会の「解体」提言、笹井芳樹副センター長の自殺と大波に揺れ続けた。内部の研究者らは職場を失う不安に加え、小保方晴子・研究ユニットリーダーの懲戒処分審査を凍結してまで検証実験に参加させた理研上層部への不信も渦巻いている。
「センターに残っても研究費は大幅削減になると聞いている。今は来年度の研究費申請に明け暮れている」。約10人の研究員を抱える30代の研究室リーダーはこう打ち明けた。
CDB内では一部の研究室リーダーらに理研の他のセンターへの移籍の打診が始まっている。このリーダーにも声がかかったが、正式には決まっていないという。今年度、理研から研究室に支給された研究費は数千万円。削減されれば自身の研究や研究員の生活を守れなくなる。「とんだとばっちりを受けたとやりきれない思いだ」とため息をつく。
論文不正を受けて発足した改革委は6月12日、「職員の雇用を確保した上で早急にセンターを解体し、教訓を生かした新組織を」と刷新を求める提言を公表。センター幹部によると、提言以降、「実際にはクビになる人が出るのでは」との疑心暗鬼も広がっているという。6月下旬にCDB内で開かれた改革に関する説明会には会場に入りきれないほどの職員が詰めかけ「いきなり解雇と言われても困る」などの意見が相次いだ。
理研は6月30日、小保方氏の検証実験への参加と、懲戒処分審査の凍結を発表。この判断に対し、世界初のiPS細胞による難病治療の臨床研究を進める同センターの高橋政代プロジェクトリーダーが7月、ツイッターへの投稿や記者会見で「理研の倫理観にもう耐えられない」などと反発。理研の内外から同様の声が上がった。
追い打ちをかけたのが8月5日の笹井副センター長の自殺だった。センターの柱の一つである再生医療研究のけん引役を失った上に、市民らから批判の電話が殺到。センター幹部は「職員や研究者らの精神的な疲労はピークに達している」と話す。
別の30代の研究室リーダーは半年間の騒動について「研究者が抱える問題意識と、世論や政治を必要以上に気にする幹部の判断に乖離(かいり)があり、決定権のない現地司令官だけが矢面に立たされた感じだ」と振り返り、「今回のアクションプラン(改革計画)を機に協力しあえる関係を築きたい」と期待を寄せた。【斎藤広子】
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