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笹井氏を自殺に追い込んだのは誰だ
理研、辞任認めず心理面サポートも不十分 笹井氏悲劇
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140812/dms1408121524012-n1.htm
2014.08.12 夕刊フジ
対応の遅れが致命的だったのか。理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の笹井芳樹副センター長が5日に自殺した問題をめぐり、理研の対応に批判が高まっている。理研は自殺の約10日前、笹井氏が体調悪化で職務不能な状態に陥ったことを把握しながら、本人が希望していた辞任を認めず、心理面のサポートも十分に行っていなかったのだ。
複数の関係者によると、笹井氏の精神状態が極端に悪化したのは7月下旬。主宰する研究室で科学的な議論ができなくなり、研究員が「ディスカッションが成立しない」と25日、竹市雅俊センター長に通報した。竹市氏はセンターの健康管理室に相談。「医師の受診を勧めてほしい」との回答を受け、笹井氏の家族らと対応を話し合っていた直後に悲劇が起きた。
理研は笹井氏の実質的な後任として、26日付で斎藤茂和神戸事業所長を副センター長に起用。しかし、笹井氏の役職は解かず、斎藤氏の人事も正式に公表しなかった。笹井氏にサポート要員をつけるなどの具体的な支援もしなかった。
笹井氏はSTAP論文問題発覚後の3月、副センター長の辞任を申し出たが、竹市氏は調査中を理由に認めなかった。外部からの批判も強まり、笹井氏は現職にとどまることに強く責任を感じ、心理的なストレスで体調が悪化していった。関係者は「ずっと辞めたがっていたが許されず、精神が圧迫された」「7月下旬は精神的負担を軽減する最後のチャンスだったのに、なぜ解放してあげなかったのか」と憤る。
一連のサインをつかんだとき、一般の企業などではどのように対処すればよいのか。
精神科医の山野美容芸術短大・岡田奈緒子准教授(メンタルヘルス)は「本人が役職の辞任を申し出た場合、精神的なショックで正常な判断ができない状態とも考えられるので、保留するのは構いません。ただ、必ず『ちょっとお休みして医師の診断を受けてはどうですか』と勧めてください。また、話のつじつまが合わなくなるなど明らかな異変を感じたら、即座に医師と協議して入院をさせること。命に関わる緊急事態には迅速な対応が求められます」と解説する。
命を救うため、サインをつかんだら周囲は即座に動かなければならない。
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