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「小保方反論」をバカ正直に伝える大メディアの非常識
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/151159
2014年6月20日 日刊ゲンダイ
いつまでシラを切る?/(C)日刊ゲンダイ
一体、どれだけの証拠を突き付ければ「観念」するのか。理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダー(30)が作製した「STAP細胞」の問題。論文共著者の若山照彦・山梨大教授が16日に会見を開き、実験に使われたマウスの遺伝子解析の結果、若山氏の研究室が提供したものではないマウスの使用が確認された――と衝撃の事実を公表した。「STAP細胞」の存否をめぐる論争に終止符を打つ“決定打”と思われたが、小保方氏は18日、これに反論。まだ観念していない。往生際の悪さには呆れるが、そうした小保方反論をバカ正直に伝えるメディアもどうかしている。
「(マウスは若山氏の)研究室以外から入手したことはない」
「再現・検証実験に参加し、人為的な間違いが起きない環境で存在を証明することで説明責任を果たしたい」
今も体調不良で入院中という小保方氏。代理人弁護士を通じて、コメントした中身はこうだった。国民の多くは「もういい加減にしてくれ」とウンザリではないか。若山氏が明かした内容も驚愕だったが、それ以外も次々と判明した事実に国民は目をむいている。
例えば、公表されている「STAP細胞」の遺伝子データが、本来は生まれてこないマウスの遺伝子の特徴を示していたこと。つまり、「生後1週間のマウスを使った」という論文内容と完全に矛盾するのだ。小保方研究室にあった「ES細胞(胚性幹細胞)」と書かれた容器内の細胞と若山氏が保管していた「STAP幹細胞」の一部の特徴が同じだった――ことも驚きだ。わかりやすく言えば、雪男を発見したとして提出した証拠写真がシロクマだったようなものだ。理研の改革委員会が「『STAP細胞』は世界の3大研究不正に認定されかねない」と危惧するのも当然だ。
「世界中でいまだに『STAP細胞』の再現実験に成功したラボ(研究室)はない。若山教授も会見で<今後実験したいとは思わない>と話したように、科学界では『STAP細胞』はない、でケリがついている。私もクロ(無し)だと思っています」(東大医科学研の上昌広特任教授)
それなのに小保方氏だけが「STAP細胞はある」「200回以上、実験に成功」と言い張り、その上、理研の検証実験に「参加して存在を証明したい」と言っている。
「不正は本人が認めない限り認定されないから、『STAP細胞はある』と言い続けるしかない。不正を認めれば多額の研究費の返還を求められるため、それを避けたいのだと思います」(上昌広特任教授=前出)
そのリスクを回避するために、わざとスットボケているなら確信犯だ。
チヤホヤされた「リケジョの星」の仮面の下に詐欺師の顔が隠れていることになる。
■子供たちはどうやって人を騙すかを勉強している
ただ一方で、今の日本社会を見ていると小保方氏の言動は決して珍しいことではない。政界、財界、官界など、あらゆる業界で“詐欺行為”が蔓延(まんえん)し、多くの国民が欺かれているからだ。
筆頭は安倍首相だ。東京五輪誘致のスピーチで、福島原発は「完全にコントロールされている」と平然とウソをつき、集団的自衛権の行使容認をめぐる会見でも、ありえない事例の説明を続けた。取り巻きからもペテン師のにおいがプンプンだ。政府の産業競争力会議のメンバーに入り、自身の業界に有利なように規制緩和を働きかけている竹中平蔵・パソナ会長をはじめ、その竹中を通じて政官財の要人を接待漬けしてボロ儲けしている南部靖之・パソナ代表…など、人を騙してカネを儲けることしか頭にない連中ばかりだ。
こんな大人を見ているから、子どももおかしくなる。警察庁によると、昨年1年間に振り込め詐欺事件に関与して摘発された少年は262人に上り、09年の約8倍に急増した。4月に4億円の詐欺容疑で逮捕されたグループの元締も17歳の少年だった。
政治評論家の森田実氏がこう言う。
「30年ほど前、米国で『平気でうそをつく人たち』という本が出版され、話題になりました。資本主義による自由競争の下で『自分さえよければ主義』が生まれ、カネ儲けのためなら人を騙すのもいとわない、との風潮が広がったためです。今の日本社会と似ています。『STAP細胞』の問題も、実績が欲しくて小保方氏を大々的に売り込んだ理研の責任は重い。小保方氏以外も、それぞれが思惑で『ウソつきゲーム』を繰り広げ、それがバレたので責任転嫁しているのです」
小保方騒動は、安倍を頂点に日本社会の縮図であると認識すべきだ。
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