http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/469.html
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理研の笹井芳樹副センター長のSTAP細胞論文における「れっきとした不正行為」と「明らかなウソ」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yunogamitakashi/20140523-00035610/
2014年5月23日 18時18分 湯之上 隆 | 微細加工研究所 所長
理化学研究所の発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長は、4月16日、STAP細胞の論文問題に関する会見で、「センター長の依頼で論文執筆のアドバイザーとして参加した」「論文投稿までの2年間の過程で最後の2ヶ月強に参加した」「投稿論文には、着想や企画、実験、データ解析と図表作成、文章書きあげの4段階あるが、私が参加したのは最後の第4段階」などと述べた。
このニュースを見た第一の感想は、「アンタ、そんな程度の貢献で、論文の共著者になったらイカンでしょうが!」である。
笹井氏は、論文の図表の元データなどは「見ていない」とし、草稿の書き直しや論文の再構成が主な役割だったと強調した。このような発言により、論文の不正には関わっていないことを訴えたかったのかもしれないが、これにより笹井氏は、墓穴を掘ったと言える。なぜなら、笹井氏は自ら、「私はギフトオーサーシップにより論文の共著者になった」と世界に向けて発信したに等しいからだ。
ウィキペディアによれば、ギフトオーサーシップとは「論文の成立に直接貢献していない者が、あたかも論文の共同執筆者であるかのように名を連ねるという不正行為」と記されている。そう、共著者の資格がない者が共著者になることは、れっきとした不正行為なのだ。
では、共著者になるためには何が必要なのか? 国際医学雑誌編集者委員会が発行している「生医学雑誌への投稿のための統一規定:生医学の発表に関する執筆と編集」によれば、著者は次にあげる3つの条件全てを満たしていなければならないとされる。
http://www.toukoukitei.net/i4aURM201004.html
1.構想と研究デザイン,もしくはデータ取得,またはデータの解析と解釈に対する実質的貢献
2.論文の起草,または重要な知的内容に対する決定的改訂
3.掲載されることになる版の最終承認
笹井氏は、自らも会見で述べた通り、共著者になる資格は、まるでない。つまり、この点だけからしても、STAP細胞の論文において、不正行為が行われたと言えるであろう。
さらに笹井氏は(同時に小保方氏も)、もう一つの過ちを犯している。ネイチャーに掲載されたSTAP細胞に関する論文は二つあるが、例えば一つ目の論文”Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency”(Nature 505, 641-647 (30 January 2014))の共著者は8人おり、その貢献(Contributions)は、次のように書かれている。
“H.O. and Y.S. wrote the manuscript. H.O., T.W. and Y.S. performed experiments, and K.K. assisted with H.O.’s transplantation experiments. H.O., T.W., Y.S., H.N. and C.A.V. designed the project. M.P.V. and M.Y. helped with the design and evaluation of the project.”
笹井氏(Y.S.)は、論文執筆(manuscript)、実験遂行(performed experiments)、研究企画(designed the project)に貢献していると明記されているわけだ。これは、二つ目の論文も状況は同じである。ところが、笹井氏は会見で、論文の執筆(それも書き直し)だけに関わったと繰り返し述べた。これが事実だとすれば、論文に書かれた貢献(Contributions)はウソということになる。STAP細胞の論文に、不正がまた一つ加わったわけである。
小保方晴子氏は、共著者の資格がない笹井氏を共著者にし、笹井氏はそれを容認した。ここから、両者の思惑や論文というシステムの歪みが見えてくる。
小保方氏にとっては、笹井氏を世紀の大発見(かどうかはまだ分からないが)の共同発見者にすることによって、恩を売っておくことができる。理研の実力者に取り入ることで、将来の身分は安泰、ということを考えたのかもしれない。
一方、笹井氏にしてみれば、大した貢献はしていないけれども共著者に名を連ねることにより、自分の功績を一つ増やすことができる。もし大発見ということになれば(当初はそう考えていたに違いないが)、自分はその立役者になれるわけだ。
つまり、STAP細胞の二つの論文に関するギフトオーサーシップは、小保方氏と笹井氏の共犯によって為されたと見ることができる。そして、このようなことが、日常茶飯事になっていたのではないか? ここに、論文というシステムの歪みが透けて見える。
STAP細胞があるか無いかも気になるが、それよりも、データの改ざんや捏造をはじめ、ギフトオーサーシップのような不正が、(もしかしたら)当たり前のように行われていることに、ドロドロとした不気味さを感じるのである。
湯之上 隆
微細加工研究所 所長
日立、エルピーダなどで16年半、半導体の微細加工技術の開発に従事。その後、長岡技大の客員教授を兼任しながら同志社大学にて日本半導体産業の社会科学研究に取り組む。現在は半導体技術と社会科学の視点から、コンサルタントと新聞雑誌の記事執筆を行っている。主著に『日本半導体敗戦』(光文社)、『電機半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)。趣味はダイビングでインストラクター歴24年。最近はヨガにはまっている。
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