http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/453.html
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国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が4月に公表した報告書は、地球温暖化がなるべく進まないように温室効果ガスを大幅に減らそうとするならば「低炭素エネルギー」を大幅に増やすことが欠かせないと結論づけました。しかし原発は必須ではないようです。どういうことでしょうか。
Q 低炭素エネルギーとは具体的には何かしら。
A 石油や石炭といった化石燃料は燃やすと大量の二酸化炭素(CO2)が出るから、このままは使い続けられない。報告書が挙げているのは、原発と、風力や太陽光などの再生可能エネルギー、排出されるCO2を回収して地中に封じ込めるCCSと呼ばれる技術を活用した火力発電所の三つだよ。
Q どれくらい増やさないといけないの?
A 人類がCO2を大量に出し始めた18世紀半ばの産業革命のころと比べて、気温の上昇を2度以内に抑えようとすれば、電力に占める低炭素エネルギーの割合を現在の3割から2050年までに8割に引き上げる必要があると言っている。2度というのは環境の激変を避けるために国際社会が目指している水準だ。
Q 低炭素エネルギーの一つには、原発も入っているけれど。
A 原子力は再生可能エネルギーと同じでCO2を少ししか出さないからね。でも報告書では、事故や廃棄物処理、核拡散などの問題を挙げて「低炭素エネルギーとしてさらに貢献できる可能性はあるが、さまざまな課題やリスクが存在する」と評価している。
Q だから重要ではないということ?
A それだけではない。IPCCが今ある原発を耐用年数まで使い、新しい原発をつくらないというシミュレーションを検討したら、温暖化対策全体の費用の面ではあまり上がらず(費用の上昇率は7%)、風力や太陽光発電と置き換えられるという結論になった。一方、CCSが使えないと費用は大幅に上がるそうだ(同138%)。IPCCは原発よりCCSを重視していると言えるね。
Q うまくいくのかな?
A CCSは技術的には可能だとみられているが、実用化のめどはまだ立っていない。日本では北海道苫小牧市沖で大規模な実験が進められようとしている段階で、新しいエネルギー基本計画では2020年ごろの実用化を目指した研究開発を行うことになっている。必要な費用を、どうまかなうかが大きな課題だ。一方で欧米ではCCS導入に向けて用地確保など具体的な準備が始まっている。
また再生可能エネルギーにしても政策的な後押しが欠かせず、それぞれ課題は多い。最終的には、どんな未来を目指すのか、私たちの選択がカギを握っていると言えるね。
(須藤大輔)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11134960.html?ref=pcviewer
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